株式会社ブルームダイニングサービス取材日 2019年10月31日

売上と原価を日次管理し、確実に利益を創出。
目指すは1000店舗、個店主義的『がブリチキン。』

利用サービス 受発注(発注)規格書(買い手) | エリア 東海 | 
事業内容 飲食店経営/店舗プロデュース、コンサルティング、FC本部
株式会社ブルームダイニングサービス

主力ブランド『骨付鳥・からあげ・ハイボール がブリチキン。』を中心に、バルやダイニングなど12業態を運営する株式会社ブルームダイニングサービス様。10店舗規模で確実に利益を創出すべく、原価管理をシステム化。今では積極的なFC展開で全国に87店舗を出店しています(2019年11月現在)。安定した経営モデルで従業員や外食産業に還元をしたいという、加藤弘康代表の想いを伺いました。

ココがPOINT!

3店舗目で訪れた危機を脱し、肩の力を抜いて作ったブランドで急成長

― 『骨付鳥・からあげ・ハイボール がブリチキン。』(以下、『がブリチキン。』)で全国展開されていますね。

代表取締役 加藤弘康様(以下、加藤代表):『がブリチキン。』1号店のオープンは2011年です。弊社は2006年にFC(フランチャイズ)加盟店として創業しました。最初からオリジナル業態にしなかったのは、マニュアルなどを本部が用意することで、自分は組織づくりやサービス向上に集中するためです。

私はもともと多店舗化を念頭に、飲食業でキャリアを積んできました。居酒屋の統括店長、役員などの立場で10店舗規模のマネジメントに必要な要素を学んでいったのです。まずは2年で3店舗と目標を掲げていましたが、比較的順調な滑り出しで1年3ヶ月で達成できました。

代表取締役 加藤 弘康 様代表取締役
加藤 弘康 様

ブルームダイニングサービス出店・リニューアル数推移

― オリジナル業態の出店も、3店舗目からですね。

加藤代表:鉄板焼と炉端焼をミックスしたオリジナル業態が、3店舗目でした。この時期は資金繰りが悪化するなど、かなり苦しい思いをしました。でもそのおかげで、経営において何を大切にすべきか、学ぶこともできました。苦しいときだからこそ原点に立ち返り、「幸せの花を咲かせる」という理念を大切にしたのです。来店していただいたお客様には精一杯のおもてなしを妥協せずして、メンバーへ理念を伝え続けながら共に歩んできたことで、今があります。

― 5年で10店舗の目標は達成されましたか?

加藤代表:はい。10店舗目を前に、どうやらいけそうだと手ごたえも感じていました。それまでは、父親が実家を担保に保証人になってくれて、創業資金を借り入れていた事情もあり、絶対に失敗できない切迫感の中での経営でした。業績が安定していく中、かねてから描いていた多店舗展開に向けて原価管理がしやすくなるよう、食材の発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入しました。確実に利益を出すために数値の見える化が必要だったので、私が率先して進めました。そんな最中に作った業態が『がブリチキン。』です。

10店舗5億円規模で必須だったシステム管理

― 原価のシステム管理は、なぜ必要だったのでしょうか?

加藤代表:売上が5億円を越えて次の10億円に到達する時に、息切れしているのではなく、さらに15億、20億円を目指せる状態にしたかったのです。

企業規模が変われば当然、さまざまな業務で手段も手順も変わります。たとえばFAXや電話で発注をし、検品の確認もなく請求されるままに支払っている状況下での事業拡大は、無謀ですよね。経営者の目が届く範囲の規模なら、仕組みが雑でも心のつながりで凌げるかもしれません。しかし、多店舗展開で経営を拡大していくなら、属人化しがちな作業ほど仕組みを整え標準化する必要があります。『がブリチキン。』は多店舗展開するためにFC化を考えていたので、なおさらです。

当時、経理は私と妻で担当しており、締めの都合で早く請求書が欲しいと思っていても毎回遅れる仕入先があるのも悩みでした。また、単なる発注の効率化だけでなく、売上管理システムとの連携で日次決算を出し、コストコントロールすることも視野にありました。

― 導入の効果はいかがでしたか?

執行役員 SCM副本部長 兼 開発部長 松原 世英様(以下、松原氏):効率の良さは圧倒的です。まず、商品の価格や規格がパソコンやタブレット端末から一覧で確認できる上、発注の数量や合計金額、納品日がはっきり分かる点が便利です。

さらに、納品時の検品もしやすいですね。FAXでの発注だとばらばらに書かれたメモを手がかりに検品するしかないし、電話の場合は検品のしようがありません。システムで発注すれば履歴が残るので、取引内容を確認できます。オプションの『FC管理機能』も使っています。『がブリチキン。』のFCオーナーさんには、契約の時点で『BtoBプラットフォーム 受発注』の利用を前提としたご説明をしています。

― FC展開を始めたのはいつからですか?

松原氏:2014年からです。それまで多い時で年間9店舗ほどのペースだった出店数が、FC展開によって一気に年間20店舗を越えるようになりました。出店エリアも名古屋を飛び出し、首都圏をはじめ全国に広がっています。このスピード感はシステム管理でなければ実現できなかったでしょう。

― FC展開で役立ったシステムの機能はありますか?

松原氏:ずっとエクセルを使っていたレシピ管理を『メニュー管理機能』で行うようにしました。『がブリチキン。』だけでも、年に一度のグランドメニュー改変の他、シーズンごとの新メニューや、他社とのコラボ企画の特別メニューなど商品の変更が頻繁です。システムでメニュー1品ごとの原価や原材料のアレルギーの管理ができるようになった点は良かったですね。細かい価格や商品規格の変更があっても自動的に反映され、転記ミスのリスクもありません。

また、アレルギーのお問い合わせはここ数年増えており、弊社では毎月アレルギー情報を一覧にして『がブリチキン。』のウェブサイトで公開しています。原材料のアレルギー情報は『BtoBプラットフォーム 規格書』で把握しています。クラウド上で仕入先と商品情報を共有しているので、仕入先が規格を変更した場合でも、すぐに更新に気付けるようになりました。

執行役員 SCM副本部長 兼 開発部長 松原 世英 様執行役員 SCM副本部長 兼
開発部長 松原 世英 様

以前は情報が古いか新しいか分からない上に転記ミスのリスクもあり、こうした情報開示は困難でした。お客様の食の安心・安全を守るためにも、システムを利用した確実な情報管理は必須だと感じています。食品衛生法の改正で制度化が決まっているHACCP※の対策も、『メニュー管理機能』を活用しながら進めているところです。

※食品衛生法の改正で、原則としてすべての食品等事業者が2021年6月までにHACCPに沿った衛生管理に取り組むよう求められている。

”量産と個店主義の両立”を外食のロールモデルに

― 今後の展望をお聞かせください。

加藤代表:加藤代表:売上10億円が見えはじめた頃、周囲から「10億円超えると景色が変わるよ」と言われ、何がどう変わるのだろうと思っていました。実際15億を超え、20億円を超えるうちにまず変わったのは、証券会社や監査法人、また上場企業の経営者といったこれまで接することのなかった方々との出会いです。その出会いを通じて次第にIPO(新規上場)が見えはじめました。今はガバナンスやコンプライアンスの強化を含め、マネジメント全般を見直しています。

多店舗化する業態は基本的に『がブリチキン。』に絞って、ブランドのブラッシュアップに注力するつもりです。『がブリチキン。』1000店舗構想を掲げ、国内300店舗、海外700店舗を目指しています。その他の業態は、我々のクリエイティブを磨く部門としてさらに質を高めていきたいですね。一番チャレンジしたいビジョンは、量産型店舗とクリエイティブ型店舗の両立です。チェーン展開にマニュアル化は欠かせません。しかし、あまりにも属人的な部分を排し、型として整備しすぎると、店づくりの色気や楽しさが薄れてしまいます。

美味しいものを手間ひまかけてお客様に提供するのは、飲食業の本質です。そんなクリエイティブな面を残し続けることで、チェーン店ながら『がブリチキン。』にもどこか手づくり感や温かみが反映されます。それがブランド価値の向上にもつながるでしょう。そのためには効率化すべきところはしっかりと取り組むメリハリが必要です。チェーン展開と個店主義という二律背反の舵取りを実現し、これからの外食企業のロールモデルになればと想い描いています。そんな想いを汲んでくれる仲間たちと共に、飲食業を通して、この業界やすべての人、すべての街に、幸せの花を咲かせたいのです。

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設立2006年11月
事業内容飲食店経営/店舗プロデュース、コンサルティング、FC本部
代表者代表取締役社長 加藤 弘康
本社所在地愛知県名古屋市西区上小田井1-43-2
企業サイトhttps://www.bloom-ds.com/
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