岐阜県岐阜市の総合建設業、株式会社タカオ様。東海地区を中心に飲食店、コンビニエンスストア、ドラッグストアなどの商業店舗や、福祉施設に特化した建設工事を行っています。原価管理システムと『BtoBプラットフォーム』シリーズの連携で、工事の発注から支払いまでの建設業界特有の複雑な取引をデジタル化。課題だった月次決算の徹底が実現、協力業者への支払いも早期化しました。
サービス導入の背景と効果
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課題
- 紙やアナログ中心の取引では月次の締め処理に間に合わない
- 発注先がおよそ250社と多岐にわたり、管理に時間を要する
- 工事進行基準に合わせた原価集計ソフトと連携可能なツールが必要
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決め手
- 原価集計ソフト「どっと原価」とデータ連携できるサービス
- 工事進行基準に沿った管理が可能な電子商取引ツール
- 請求業務だけでなく、発注段階からデジタルでやりとりできる
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効果
- 「どっと原価」との連携で入力不要、入力ミスもなくなった
- 差戻しや訂正もプラットフォーム上で迅速に解決
- 適正な月次決算が実現し、支払サイトも10日ほど早めることができた
工事進行基準の会計ルールにあわせた、月次決算業務の見直しが課題
事業概要を教えてください。

総務係 係長
管理本部 管理課 総務係 係長(以下、総務係長):
株式会社タカオは1976年に創業し、東海地区で商業施設事業と福祉建設事業を柱に事業を展開しています。
新しい商業施設や店舗ができることで、地域には雇用が生まれ、住む人の利便性が高まります。テナント企業様や地域のみなさまに喜ばれる街づくりが、商業建築事業の大きなテーマです。福祉建築事業は、利用者様やご家族様が安心して暮らせる街づくりをテーマに、より多くの介護福祉施設を建てることで、施設不足での入所待ちといった高齢化社会の課題解決を目指しています。賑わいのある街で、そこに暮らすみなさまが心豊かに生活できる基盤づくりが、私たちの目指す「街を創り続ける」ことで、社会貢献につながる使命だと考えています。
また、2021年には、環境に配慮した持続可能な社会の創造に向けたSDGs宣言を行いました。省エネルギー、再生可能エネルギーを導入したZEB(ゼブ/ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の普及促進にも取り組みはじめているところです。
所属されている管理本部 管理課での業務内容を教えてください。
総務係長:
管理本部は総務、人事労務、経理や会計といったバックオフィスの全てを担当する組織です。私は係長という役職にありマネジメントも行っていますが、現在2人で構成している組織ですので、私は総務、人事労務の業務を担当しながら、経理、会計のチェックを担当しています。

経理係 担当者
管理本部 管理課 経理係 担当者(以下、経理担当):
私は経理、会計に関する業務全般を担当しています。従業員から上がる経費精算や、顧客への請求、振込業務や経理仕訳などの他、顧客、取引先との発注書から請求書までのやり取りも『BtoBプラットフォーム TRADE』『BtoBプラットフォーム 請求書』を使って対応しています。
顧客はコンビニエンスストアや飲食店、ドラッグストアなどの、いわゆるロードサイドに展開する商業店舗が中心です。請け負う工事は年間100件ほどで、岐阜県を中心とした建築に携わる協力業者、およそ250社に発注しています。基礎工事や鉄骨、土工事など、建物の基礎の部分を担当する業者から建物の解体を行う解体工事、外壁、防水、左官、外構などの業者、さらには、クリーニング、設計・許認可、地盤調査、現場の警備員など幅広い業種に、多い時は月に100件ほど発注しています。請求書の受取は、月によって違いはありますが多い時は150件ほどです。
どのような経緯で、『BtoBプラットフォーム TRADE』『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入しましたか?
総務係長:
大きな理由のひとつが、月次決算の早期化と効率化です。建設業には2種類の会計方式があります。建物が完成し、引き渡し後に収益を計上する「工事完成基準」と、工事期間中に毎月の進捗率にあわせ分散した収益を計上する「工事進行基準」です。
従来は工事完成基準を採用していましたが、たとえば工事が期をまたぐと、前期は売上ゼロ、後期にまとめて売上を計上するため、業績を把握しづらい問題がありました。仮に工事の途中で赤字になっていてもわかりません。そのため、近年は協力業者からの請求を元に査定して、進捗率に合わせた売上を計上する、工事進行基準へと会計ルールを変更しました。
工事進行基準を適用するには、工事進捗率を算出するために月次で確実に締める必要があります。ただ、先ほども申しましたように多岐にわたる工事は発注先も多く、紙やアナログ中心の取引では、月次の締め処理に間に合わない問題があったのです。
紙やアナログ中心の取引は発注から検収、支払処理までどのようなフローでしたか?
経理担当:
見積は積算課という別部署が作成します。その見積に基づいて建設部が案件ごとにGoogleスプレッドシートでリストにして必要な発注を管理課に依頼するフローです。管理課の経理係は、協力業者と電話やFAX、メールなどで連絡を取り合い、発注書を原価管理システムで印刷・郵送し、発注していました。紙の場合は発注書を確実に送ったかシステムに履歴が残るわけではないので、切手を使用したかでしか確認できず、毎月大量の発注がある中で漏れがないか、気がかりでした。
総務係長:
請求書は月末締めで翌月5日までに受け取ったものを処理して、翌々月の10日に手形でお支払いしていました。ただ、この支払サイトでは月次の締めに間に合わないため、工事進行基準に合わせるにはルールを変える必要があります。そこで、2021年に工事進行基準に準拠した原価管理システム『どっと原価 NEO』(株式会社建設ドットウェブ)を導入し、あわせて協力業者との取引もデジタル化すべく、『BtoBプラットフォーム TRADE』および『BtoBプラットフォーム 請求書』も採用しました。
デジタル化で月次決算を改善、早期化実現。支払サイトも短縮
『BtoBプラットフォーム TRADE』『BtoBプラットフォーム 請求書』を選んだ理由を教えてください。
総務係長:
もっとも重要だったのが、『どっと原価NEO』とのシステム連携が可能なツールであることです。常時取引のある協力業者が約250社、マスタ上では約300社あり、月に100件もの発注データを重複して何度も入力するのは非効率ですし、ヒューマンエラーのリスクもあります。データでやりとりすれば確実に効率よく取引できるので、システム連携は必須条件でした。
請求データでのやりとりは前提の上、『どっと原価 NEO』と連携できるサービスは他になかったため、他社サービスとの比較は行っていません。
現在の活用状況はいかがですか?
経理担当:
協力業者の8割以上と『BtoBプラットフォーム』で取引をしています。『どっと原価 NEO』へ入力するまでのフローは変わりませんが、そこから発注書を紙に印刷して郵送するのと、データで発行するのではスピード感が違います。データですと取引先もすぐ確認できますし、紙とは違って発行した履歴が残るのも安心です。切手などの郵送にかかるコストも激減しました。また、『BtoBプラットフォーム TRADE』なら発注請書に収入印紙の貼付が不要なので、取引先から「印紙が必要ないのはありがたいですね」とのお声もいただきました。工事費など高額になると印紙代もそれなりの金額になりますから。
また、紙の時代は検収書という、出来高査定に基づいた「何%の支払いをします」という通知をメールで送り、さらに支払処理の完了後、改めて支払通知書を支払日の3日前までには届くように書面を郵送していました。この通知も、『BtoBプラットフォーム 請求書』上で完結しています。
総務係長:
課題だった月次決算の適正化が解決に至りました。データのやりとりなので、請求書も期限どおり確実に届きます。差戻しや訂正も画面上で完了します。取引結果は『どっと原価 NEO』に取り込め、効率的に処理可能です。そのため、請求書を月末締め翌月5日までに送っていただくのは変わらず、これまで翌々月10日払いだった支払いが、翌月末払いへと、支払サイトを10日ほど短縮させることができました。その支払いも、従来の手形を廃止して口座振込に変更したので、協力業者からもキャッシュフローが良くなったと好評です。

情報を資産に。デジタルデータの有効活用をめざして
今後の展望をお聞かせください。
総務係長:
積算課がアナログで行っている見積処理も、今後は『どっと原価 NEO』に移行できればと考えています。見積データを活用できれば、さらに入力の手間を省き誤記入などのミスも防げます。見積から『BtoBプラットフォーム TRADE』を通じてやりとりできれば理想ですが、建設業界特有の事情である、当初の見積と発注の際の実行予算の乖離などをどう対応するかといった課題も残ります。今はフォーマットを整えるという段階ながら、徐々にデジタル化を進めていきたいです。
システム導入時の目標だった月次決算の徹底は、ほぼ完了しています。今期の当社は、「情報を資産として捉え、有効活用する」と経営目標に掲げました。紙のやり取りは基本的にやめ、全てをデジタルデータにし、そのデータを分析できるようにしようという社長の強い思いが込められています。この目標を実現すべく、今後もデジタル化、DXに取り組み続けていきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。