• TANOMU

毎日60件の電話・FAX受注作業がゼロに。業務の属人化と人員不足が解消しました。

はしづめ製麺|毎日60件の電話・FAX受注作業、業務の属人化、人員不足が解消-TANOMU

株式会社はしづめ製麺

業種 エリア 帳票の種類 従業員数 サービス 創業

1949年10月

設立

1975年11月1日

企業サイト

一流ホテルや高級中華料理店に長年支持されてきた老舗の製麺会社、はしづめ製麺。同社は1日60件に上る電話やFAXによる受注処理に大きな課題を抱えていました。取引先ごとに異なる加工方法や、玉・ケースといった納品単位の管理がベテランスタッフしかできず、業務が属人化していたのです。さらに、深夜の受注にも対応するため、夜間の人員確保も難しい状況でした。

こうした課題を解決するため、LINEを使った受発注システム『TANOMU』を導入。その結果、3カ月で電話・FAXによる受注処理がゼロになり、長年の悩みを一気に解消しました。

ココがPOINT!

  • 1

    『TANOMU』導入後4カ月でFAX・電話の受注の手間がゼロに

  • 2

    夜間の受注人員を確保しにくい課題が解決

  • 3

    属人化した受注作業・受注ミスによる誤配送も解決

長年の課題だった電話・FAXによる受注体制

事業内容についてお聞かせください。

代表取締役 ヌードルアーティスト® 橋爪 利幸 氏
代表取締役
ヌードルアーティスト®
橋爪 利幸 氏

代表取締役(ヌードルアーティスト®) 橋爪 利幸 氏(以下同):

当社は1949年の創業以来、製麺一筋でやってきました。業務用を中心に、中華麺、パスタ、蒸麺、餃子皮、うどん、そばなど、あらゆる種類の麺類をホテルや飲食店向けに製造しています。

お取引先の多くは港区や中央区といった都心エリアの飲食店やホテルで、近隣には毎日自社便で配送しています。

堅さ、太さの違うカラフルな麺が並んでいる

麺はお店や調理人によって堅さ、太さ、感触など好みは千差万別です。かん水の量、水分量、小麦の品種など、こだわりがあるほど麺のご要望は細かくなっていきます。そのため商品の種類は多岐にわたり、現在の取扱品数は200種ほどになります。お取引先様のメニューの数だけ商品があると思います。

電話・FAXによる手作業の受注処理が最大の課題

膨大なアイテム数による受注業務は大変です。

その通りです。以前は電話やFAXが主な受注方法でした。その他に御用聞きといって、夕方5時頃当社から電話をかけて翌日の注文を伺うこともありました。

飲食店は、その時間帯はどこも多忙です。電話でゆっくり話すことはできません。「いつものを5つ」などと言われると、不慣れな担当者には「いつもの麺」が何を指すのか、「5」の単位が何なのか判断つきません。

中華料理店の中には、中国の方が経営しているお店もあり、電話ではなかなか話が通じない場合もありました。御用聞きの業務だけで、毎日1時間以上かかっていたのです。御用聞きができないお店の場合は閉店後の発注になるため、締め時間を夜中12時に設定していました。そのため、深夜に受注内容を整理して翌日の配送スケジュールを組む必要がありました。この夜間の人員確保が難しくなっていたことも、深刻な悩みでした。

受注から商品のピッキング、配送までの流れについてもお聞かせください。

以前はすべてが紙ベースの管理でした。電話やFAXで受けた注文を、個数や内容に誤りがないかを確認して紙にまとめます。それを注文台帳として各部署に回覧していました。製造部門ではこれをもとに製造スケジュールを組み、配送部門は台帳を見ながらピッキングして積み込みます。

400件以上のお取引先から、日々60~100件の注文が入ります。その4割が電話、残りがFAXでした。これらすべてを台帳に記入していくので、台帳は1日に5〜6枚にもなり、月間では最大150枚に達していました。保管するだけでも大変な作業です。こうしたアナログな業務プロセスがとにかく煩雑で、簡素化したいと長年考えていました。

導入4カ月で取引先の98%をデジタル化

2022年11月に『TANOMU』を導入されました。

製麺の機械

コロナ前から、社内の基幹システムを刷新する計画があり、同じタイミングでDX化できる業務を検討していました。

麺を使用した様々な料理

基幹システムと連携できることを前提に、様々なサービスをネットで探しました。受発注システムを考えて2社に絞り、最終的な決め手となったのは、サポートがしっかりしていること、運営元がインフォマートであるという安心感、そしてLINEを使えることとFAX-OCR機能があることでした。

導入効果はいかがだったのでしょうか?

劇的な変化でした。導入から4カ月で、電話やFAXによる受注はほぼゼロになりました。大手ホテルなど独自システムを使っている一部の取引先を除き、他はすべてLINEでの発注に切り替えていただきました。

FAX-OCRもごく一部、中国の方が経営する中華料理店3社ほどで使用しているだけです。全体で98%のデジタル化に成功しました。初期設定に手間がかかると聞いていましたが、さほど負担は感じませんでした。

取引先様から拒否されるようなことはありませんでしたか?

最初は抵抗されるお客様や、細かな問い合わせはありましたが、それはすべてインフォマートのカスタマーサポートに一任しています。その点でも、サポートがしっかりしているのは非常にありがたいです。取引先への案内は、まず電話で説明し、発注アカウントの登録用紙を送付。しばらく経ってから登録できたかを確認して、一つひとつ消し込んでいきました。

他に導入効果はありましたか?

導入後、すべてが落ち着いたタイミングで受注の締め切り時間を大幅に引き上げました。以前は深夜12時に締めていたものを、今は昼の3時を受注リミットとしています。『TANOMU』の設定機能で簡単に時間を変更するだけで済みましたし、おおむねスムーズに進んだ印象です。

締め時間を早めたことで、夜間の人員は不要になりました。さらに、これまでは紙の台帳を回して各部署と共有していた作業が、社内DX化により、iPadで誰でも見られるようになりました。これで製造部門はいつ、何を、どれくらい作ればいいのかが明確になり、無駄になる食材も減っています。

配送部門でも、配送先・曜日を『TANOMU』の設定一つで確認できるので、今日は何を、どこに、どれだけ運べばいいのかが簡単に確認できます。そのおかげで誤配送も減りました。

自社配送で対応できない分についても同様です。宅配便業者の運賃はサイズや重さで微妙に金額が異なります。麺だけのお取引先もいれば、麺と餃子の皮を注文するお取引先もいます。『TANOMU』ではキロやグラム単位で管理できるので、最適な配送ロットにうまくフィットさせることが可能になりました。

また、受注の際に問題になりがちな単位の悩みも解消しています。麺類は、玉、ケース、グラムなど単位が煩雑です。『TANOMU』を導入したことで、この単位ミスも防げるようになりました。

今後、社内DXをどのように広げていきますか?

2台の青い配送車

基幹システムの変更と受発注システム導入のほか、配送システムも構築しました。Googleサービスの「Appsheet」を使って社内SEと自社開発したもので、地図上で配送ルートごとに取引先の場所を表示し、配送車が今どこにいるのか把握できます。納品時に商品を置いた場所の写真撮影を行い配送ミスがないようにしています。

また、製造部門でも「Appsheet」を導入し、気温や水温の自動管理の元、製造レシピをアプリ上で確認し、粉の配合から、製麺まで一括管理を行なっています。

こうした社内DXは、効率化はもちろん、最も大事なことは業務を誰でもできるようにすることだと思っています。これからの人材不足の時代に重要な要素となるでしょう。『TANOMU』をはじめとするシステム刷新を、その方向でさらに活用していきたいです。

※掲載内容は取材当時のものです。

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