学校法人上智学院では、非常勤講師や嘱託職員と年1,000件を超える雇用契約を紙で結んでおり、印刷・封入・回収に膨大な時間とコストがかかっていました。そこで、契約業務の効率化を目的に『BtoBプラットフォーム 契約書』を導入。2週間を要していた契約作業が半日に短縮され、契約書の回収にかかる時間も大幅に短縮。人事部門のDX推進に大きく貢献しています。
サービス導入の背景と効果
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課題
- 雇用契約書の印刷・封入・郵送・回収に膨大な手間と時間がかかっていた
- 契約書の回収に時間がかかり、督促作業が現場の負担に
- 紙のファイリング管理、保管コストが年々増加していた
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決め手
- 準備が簡単で、初期費用を抑えつつトライアル的に導入できた
- 契約書の取り交わしに特化したシンプルな機能とコストパフォーマンス
- 学内規程や個人情報保護の観点にも適合
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効果
- 非常勤講師約1,000名分の契約書処理を、2週間から半日に短縮
- 回収にかかる時間が大幅に短縮、未締結者への督促も容易に
- 業務負担削減で、他部署・他契約への展開も期待できる
レターパック1,000通以上の雇用契約の発送作業に忙殺
貴学の概要と、人事部門の業務範囲についてお聞かせください。
人事局人事グループ長(以下、グループ長):
上智大学は9学部29学科、大学院は10研究科26専攻を持つ総合大学で、学生数は大学院を含め約1万3,000名です。人事グループは、教職員の採用から退職までの人事管理、研修、勤務管理、給与計算、福利厚生など、人事業務全般を所管しています。私はグループ長として、人事グループを統括しています。
人事局人事グループ チームリーダー(以下、チームリーダー):
私はチームリーダーとして、主に職員人事、つまり採用から研修、労務対応、退職までを一貫して担当しています。雇用契約の電子化プロジェクトは、検討時から携わりました。
人事局人事グループ 嘱託職員担当(以下、嘱託職員担当):
私は現在、私学共済などの社会保険関連を担当していますが、導入時の2023年度は、嘱託職員や有期雇用職員の管理・採用・契約更新などを担当していました。
紙で運用されていた当時の契約書作成から発送までの流れ、そして特に負担となっていた点について教えてください。
チームリーダー:
非常勤講師は約1,000件、嘱託職員は約180件と、合計約1,180件の雇用契約書を発送していました。レターパックに、メインの雇用契約書と教職員証、就業規則、手続きガイドの冊子、給与振込口座届などを入れて送付するのですが、契約書は本人用と大学保管用の2部必要ですから、非常勤講師分だけでも約2,000枚の印刷が必要になります。差し込み印刷で、プリンターを独占して何時間もかかるため、業務時間後の夜間にまとめて出力、かすれや折れがないか1枚ずつ確認し、2人で氏名や給与金額などの読み合わせを行っていました。
嘱託職員担当:
この確認作業だけでも丸2日ほど、レターパックへの封入まで含めると、2人で2週間という膨大な作業時間がかかっており、年度末は大変でした。1,000件以上のレターパック、ダンボール6箱分を別室に並べて封入作業をこなすのですが、夜遅くまで作業していたこともあります。印刷費やレターパック、返送用封筒にかかる郵送費は年間60万円ほどでしたが、封入・発送・督促といった人的コストはかなりのものでした。
チームリーダー:
さらに負担が大きかったのは、回収の部分です。すべての契約書を迅速に回収できていたわけではなく、初回の返信で戻ってくるのは全体の約6割。メールで催促をしてようやく戻ってくることも多く、返送スピードの向上が大きな課題でした。万が一契約書が戻ってこないと給与が支払えないため、新年度が近づくと「4月から給与の支払いがあるのに、まだ戻ってきていない契約書がある」と焦る場面も多々ありました。
決め手はシンプルな機能とコストパフォーマンスの高さ
『BtoBプラットフォーム 契約書』導入のきっかけを教えてください。
チームリーダー:
コロナ禍が大きな契機でした。HRテックのCMなどがテレビ等で頻繁に流れるようになり、採用手続きをオンラインで完結できるという社会的な流れが強まっていると感じ、本学でも電子化を進めようという話になりました。比較検討したのは、インフォマート社の『BtoBプラットフォーム 契約書』を含む3社です。
どのような点が導入の決め手となりましたか?
チームリーダー:
コストパフォーマンスの高さと、準備の簡単さが決め手でした。コストに関しては、他社サービスの中には契約期間中、毎月課金され続けるものもありました。本学では契約書関連の業務は年に2回しか発生しないので、毎月の固定料金が高いと利用しづらいのが本音です。一方『BtoBプラットフォーム 契約書』は、契約書の取り交わしというシンプルな機能に特化しており、費用も「利用月の基本料金+送付した分の従量料金」のみです。結果的にコストが抑えられる点が魅力でした。
学内での反応も「やってみよう」と前向きでした。人事グループ内では当初、「事前準備が大変そう」という不安の声もありましたが、初期費用もそれほど高額ではなく、トライアル的に導入できる点が後押しになったと思います。法務部門とも電子契約の有効性について確認し、問題ないとの判断を得ています。
最初は非常勤講師の約1,000件を対象にスタートし、紙を希望する方には柔軟に対応しました。とはいえ実際に紙を希望したのはごく一部です。大半の方はスムーズに電子契約へ移行でき、トラブルもありませんでした。
2週間かかっていた作業が半日に短縮。回収率も9割近くに向上
導入の効果はいかがですか?
チームリーダー:
まず大きいのはペーパーレス化です。紙の契約書を印刷・封入・確認する手間がなくなり、業務負担が大幅に軽減しました。初回こそ、雇用契約書に氏名などを差し込みするためのマッピング設定に時間がかかりましたが、2回目以降は作業量が格段に減りました。以前は2人がかりで丸2日かかっていたCSVデータの投入が、今では半日で完了するようになり、担当者も「感激した」と話しています。
返送スピードも向上しました。これまで催促しないと回収できない契約書が2割程度ありましたが、現在は1割程度に減っています。システム上で「合意済み・未合意」のステータスが一目で確認でき、未締結者の管理が容易になったことも大きなメリットです。以前はエクセルで管理していましたが、現在はシステム上で一元管理できています。
嘱託職員担当:
以前は紙の契約書を回収後、封を開けて中身を確認し、ファイリングする作業が大変でした。人事グループのキャビネット一面が、約1,000名分の雇用契約書で埋まっているのが当たり前でしたが、すべてデータで管理できるようになって本当に助かっています。まだ過去分の紙契約と電子契約が混在しており、照会時には期間を確認してどちらにあるかを確認する必要がありますが、今後すべての電子化が進めば、検索性も飛躍的に向上するでしょう。
今後の展望をお聞かせください。
チームリーダー:
契約書関連の作業がスリムになったことで、年度末でも他の仕事に手が回るようになりました。たとえば、人事諸制度の見直し検討といった、本来注力すべき企画・立案業務に時間を充てられるようになりました。余裕が生まれれば業務の質も高まります。以前は年度末の心理的負担が高く、他の業務に手が回せない状況でしたが、これが大きく改善しました。
グループ長:
非常勤講師の契約作業が大幅に軽減されたのは非常に大きな効果です。大学全体としてもDXを推進する流れの中で、今回の契約書の電子化は人事部門で大きな成果だと感じています。今後は、業務委託契約など、個人との契約が増えている領域にも展開していくことを考えています。
※掲載内容は取材当時のものです。