沖縄県で戸建て住宅から共同住宅、公共工事まで幅広く手掛ける株式会社新洋様。1つの現場で数十社に及ぶ協力会社との発注・発注請書回収業務は、紙と郵送を主体としたアナログな工程が担当者の負担となっていました。『BtoBプラットフォーム TRADE』の導入で作業時間は6分の1にまで短縮。基幹システムとの連携や、建設業界特有のIT化のハードルを乗り越え、効率化を実現しています。
サービス導入の背景と効果
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課題
- 1社あたり30分弱かかる郵送・手作業の負担を減らしたい
- 発注請書の回収にかかる時間や保管などの管理体制を見直したい
- 膨大な紙書類の保管コストを削減したい
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決め手
- 原価管理システム『どっと原価』とのシームレスなデータ連携
- ウェビナーに参加し、具体的な業務改善のイメージが描けた
- 業界内での高い普及実績と専任サポートによる安心感
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効果
- 作業時間が月20時間⇒3時間と、約8割以上の削減を実現
- 発注請書がタイムラグなしで回収可能へ、進捗状況の可視化も達成
- 書類保管量を大幅に削減し、心理的なミスへの不安も解消
入力は5分、でも終わらない。建設業の発注業務が抱える紙業務の負担
事業内容と、所属部署の業務内容をお聞かせください。
建設事業部 事務管理部 部長(以下、事務管理部長):
株式会社新洋は、沖縄を拠点とする総合建設会社です。設立は1952年と70年あまりの歴史があり、戸建て住宅の設計・施工を中心に、共同住宅や公共工事など、建設全般を幅広く手掛けてきました。
当社では、建物づくりの計画から建築資材販売、家具建具製作、保管・配送、工事まで一貫して対応しています。沖縄特有の、台風やシロアリ、湿気、塩害といった環境条件に対応した建築ノウハウが強みです。地元の協力業者とのネットワークも強固で、100社以上と取引があります。
建設事業部には40名弱が在籍し、現場の施工管理から事務まで一体で運営しています。私は事務管理部の部長として、売上管理や支払い関係の統括、事務全般のマネジメントを担当しています。
建設事業部 事務管理部 担当者(以下、実務担当):
私は主に、協力会社様への発注業務や請求書の処理、支払い関連の実務を担当しています。建築工事は工種が多く、1現場あたり延べ30社前後の協力会社様に発注する必要があるため、日々の業務では多くの業者様との書類のやり取りが発生します。
『BtoBプラットフォーム TRADE』導入前の発注フローを教えてください。
実務担当:
まずは現場監督である現場代理人から提出された発注依頼書を元に、事務部門で原価管理システム『どっと原価』(株式会社建設ドットウェブ)へ入力します。入力自体は1件あたり5分もかからないのですが、実際に負担になっていたのはその後の工程でした。データをExcel形式で出力した後、工種名を手作業で入力したり、必要な文言を追記したりと、帳票の体裁を整える作業が発生します。システムのデータだけではそのまま使えず、どうしても必要な状態でした。
その後、発注書と発注請書をセットで印刷し、内容に相違がないかを1件ずつ突き合わせて確認します。2枚を重ねて割印を押し、宛名ラベルを作成して封筒に貼り付けます。さらに、中身と宛先が間違っていないかを確認しながら封入して郵送します。一つひとつの作業は単純ながら、ミスが許されないため常に気を張る必要があり、1社あたり平均で30分ほどかかっていました。
1つの現場で複数の業者様に発注が発生するため、月平均で40件ほどの発注があり、トータルで見るとかなりの時間をこの業務に費やしていたと思います。
紙での発注業務では、他にどのような課題を感じていましたか?
実務担当:
まずコスト面です。年間で500件以上の郵送が発生していたため、切手代や封筒代などでトータル7万円近くかかっていました。
また、発注請書の回収も、郵送してから最短でも2週間ほどかかるため、どうしても確認や処理が後ろ倒しになってしまいます。これは紙でやり取りしている以上、改善が難しい部分でした。支払日が近づいても発注請書が戻ってこない場合は、Excelの管理表を見ながら1社ずつ電話で連絡し、返送をお願いする必要がありました。
回収した書類はファイリングして管理していましたが、ファイルは10センチほどの厚さになり、後から特定の書類を探すのも簡単ではありませんでした。
原価管理システムとの連携が決め手に。検討から短期間で導入を実現
『BtoBプラットフォーム TRADE』導入の経緯を教えてください。
事務管理部長:
ペーパーレス化自体は以前から検討していました。具体的に動き出したのは、2025年4月に開催された、インフォマート社主催のオンラインセミナーへの参加がきっかけです。実際の画面操作やメリットを確認して、導入後の運用イメージが明確になりました。
ちょうど5月決算を控えていたタイミングでもあり、次年度から一気にペーパーレス化を進めたいという方針を、事業部長を通じて役員会に提案し、承認を得ました。
今回、比較的スムーズな導入に至ったのは、社内でも紙業務の負担が以前から課題として認識されていたことに加え、世の中でもペーパーレス化や業務のデジタル化が進んでいる流れがあったことも大きかったと考えています。
どういった点が、導入を即断された決め手になったのでしょうか?
事務管理部長:
最大の理由は、長年利用している基幹システム『どっと原価』と直接連携できる点です。発注業務においては、既存のデータをそのまま活かせて二重入力の手間を省ける『BtoBプラットフォーム TRADE』が最適だと判断しました。
また、当社が参画する案件で元請企業が利用しており、業界内でも広く活用されている印象を持っていました。
実務担当:
私は導入直前のタイミングで前任者から引き継ぎを受け、最初は「自分に使いこなせるか」という不安もありました。しかし、実際のデモ画面を見ると直感的に操作できることがわかり、次第に「これであの手間がなくなる」という期待に変わっていきました。インフォマート社の専任サポートの支援も心強かったです。
導入後、実務の流れはどのように変化しましたか。
実務担当:
現在は『どっと原価』からCSVデータを出力し、『BtoBプラットフォーム TRADE』に取り込んで送信ボタンを押すだけです。印刷、割印、宛名書き、封入といった物理的な作業が一切なくなりました。以前は月間で20時間近くかかっていた作業が、今ではまとめて行っても3時間程度で完了しています。削減率にすると8割以上、作業効率は7倍近くに向上した計算です。
初めて利用した際、送信からわずか2、3日で発注請書が戻ってきたときは驚きました。先方の「未開封」「完了」といった進捗がシステム上のアイコンで一目瞭然なので、Excelの管理表を手入力する必要もなくなりました。
事務管理部長:
郵送代や封筒代が削減されたのはもちろんですが、保管スペースの縮小も大きなメリットです。以前は無理やり押し込んでいた10センチ厚の請書ファイルが、今では半分以下の厚さで済んでいます。何より、宛先間違いなどのミスを心配する必要がなくなったことで、心理的な余裕が生まれました。残業もほぼゼロになり、他の業務に注力できる環境になっています。
『BtoBプラットフォーム TRADE』導入に対する取引先の反応はいかがでしたか?
実務担当:
全取引先のうち、取引の多い約85社へ最初に案内を出しました。現在はそのうち約7割の業者様が電子化に対応してくださっています。「他社との取引でも使っているから助かる」「印紙代がかからなくて良い」と、好意的に受け止めてくれる業者様も多いです。
事務管理部長:
一方で、建設業界にはまだ「パソコンが苦手」「何でもITにすれば良いわけではない」という考えの方もいらっしゃいます。そういった業者様には、発注書を郵送する際に改めて案内チラシを同封したり、現場でお会いした際や電話で直接メリットを説明したりと、丁寧なコミュニケーションを心がけています。
一度使っていただければその便利さは伝わるはずなので、今後もインフォマート社のサポートを受けながら、100%の電子化を目指して粘り強く働きかけていきたいです。
請求書からAI活用まで。新洋が描く「建設事務DX」の未来図
今後の業務デジタル化の展望をお聞かせください。
実務担当:
個人的には生成AIの活用にも興味があります。現在はトラブル時の対処や、業務上の最善策の比較などに活用していますが、こうしたツールを使いこなすことで、より質の高い事務サポートを提供できるようにしたいです。
事務管理部長:
『BtoBプラットフォーム』の機能でいえば、次は電子請求書を本格的に検討したいと考えています。現在、月に300件以上の請求書を紙で受け取っており、その処理負担は発注業務を上回ります。発注と請求をシステム上で紐付けることで、さらなる効率化を目指していきたいですね。
また、個人のお客様との契約書についても、銀行融資の電子化といった流れを踏まえると、今後検討の余地があると感じています。加えて、安全管理書類の有効期限チェックなどもデジタルで管理できれば、事務負担のさらなる軽減につながるはずです。
今回の発注業務の電子化をきっかけに、業務全体のデジタル化に対する手応えも得られました。今後も段階的に取り組みを広げ、継続的に業務の最適化を進めていきたいと考えています。
※掲載内容は取材当時のものです。