“売り買いの数〟だけにとどまらず、“社員の数字〟にも効果を発揮。経営戦略になくてはならないパートナー。
『やきにく萬野』『焼肉萬野ホルモン舗』『にくや萬野』など、大阪を中心に超人気店を8店舗展開する株式会社萬野屋。他社からの仕入れだけでなく、和牛生産農家から一頭買いした牛肉をさばくセントラルキッチンを持ち、各店舗へと納品するという、いわゆる「社内受発注」も発生していることから、業務の簡素化を図るため『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入。日々の受発注だけでなく、あらゆる視点からシステムをフル活用されています。
ココがPOINT!
- 1本部の事務処理時間が大幅削減。時間の有効活用が可能に
- 2数値化された具体的な購入実績をもとに、有利な値交渉が可能に
- 3スタッフ自身の数字に対する意識が変化、やる気を引き出す要素のひとつに
『BtoBプラットフォーム 受発注』
を含む3大システムで、業務の効率化を図る
祖父の代から続く創業1930年の精肉卸会社に23歳で入社。抜骨の捌き職人として修行を重ね、肉の知識、技術を学びました。そして、36歳の時に大阪市天王寺区に「やきにく萬野」の1号店をオープン。現在、それぞれスタイルの違う8店舗を展開しています。
当社の強みは、この修業期間で得た食肉の正しい知識と高度な技術力、そして、家業として長年培ってきた酪農家さんとの太いパイプです。丁寧な飼育法で本当に美味しい牛を育てていらっしゃるトップクラスの酪農家さんを選ぶこと。私たちのこだわりはそこから始まります。こうして選ばれた牛を「萬野和牛」と位置づけ、素材を最大限に活かした高度な技術により、自らの手で1本1本骨から捌いていくのです。こうして選別された牛肉部位は、約70種類のメニューとなって店舗へ出荷。お客様の卓上に並びます。
このように匠の技を語るイメージからは少々遠いかもしれませんが、当社では創業当初からシステム化に力を入れています。最初に導入したのは、「萬野屋ご意見番様」という制度。まず、店舗スタッフが初めて来店してくださったお客様の中から一日10名だけを厳選、「私の笑顔のつ~しんぼ」という用紙をお渡しし、スタッフの笑顔を採点していただくというものです。こうして「ご意見番様」になっていただいた方にのみ特典を用意することで、プレミアム感を持っていただくだけでなく、お客様の注文履歴を各店舗間でデータ共有し、どの店舗でもご意見番様の趣向を社員だけでなくアルバイトまで全スタッフがいつでも確認することができますので、来店時に「お飲み物はいつものワインで宜しいでしょうか?」といったホスピタリティの高い接客サービスをご提供しています。このシステムで月300名、年間3,600名の顧客情報を獲得。これを約20年間継続して続けているのですから、今では膨大なデータ量となり、会社の大きな財産となっています。
代表取締役
萬野和成様また、12年前にはグループウェアも導入し、社員との情報共有だけでなく、給与面、人事異動、役員会議など、あらゆることに活用。業務の効率化を図ってきました。
このように、システムにはあまり抵抗なく進んできた当社ですが、受発注に関しては手付かずでした。電話、FAX、メールを通信手段とし、帳簿はエクセル出力と、まさに「アナログ」。しかし、ある方から「インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』なら受発注業務だけでなく、棚卸や前月比の算出など管理面も楽だ」と聞き、2014年2月に導入しました。
当社の場合、ほとんどの焼肉屋さんと同じように、セントラルキッチンを持ち、各店舗がセントラルキッチンに肉を発注するという、社内での受発注が発生しています。つまり、買い手としても売り手としても活用しています。当時5つあった店舗を一気にシステム化しましたが、とてもスムーズに導入できましたね。
買い手としては、セントラルキッチンからは枝肉や調味料など、各店舗からはお酒、野菜など3,238アイテムを58社のお取引先様に発注しています。このシステムを活用する場合、そのお取引先様にも導入していただかなければいけませんが、現在約97%のお取引先様とこのシステムを介してお取引をしています。
実は導入時、約70%のお取引先様はすでに他社さんからの依頼で導入されていましたので、問題は残りの30%。今後のシステム化の可能性を確信していた私は「私たちもアナログの世界やったけど、これからは一緒に勉強していきましょう!」と声をかけていきました。すると、ほとんどの方が同調してくださいましたね。こうして当社きっかけで導入されたお取引先様も、今では「その後いろんな得意先から導入依頼があったので、先手を打っておいて助かった」という声を聞くので、結果として互いに良かったなと思っています。
『BtoBプラットフォーム 受発注』の利点は、まずは何と言っても業務の効率化が挙げられます。例えば、棚卸額が増えてきた場合、データ分析により素早くわかること。私たちは特に生ものを扱っているので、情報の鮮度は商品の鮮度に関わりますからね。また、本部の事務処理時間が大幅に削減できたことも大きいですね。空いた時間を店舗企画や各店舗のフォローなどにシフトできるようになり、時間の有効活用が可能になりました。
数字の明確化で見えた社員評価への活用という利点
また運用してみて肌で感じるのは、数字の明確化がもたらす利点の大きさです。例えば、お取引先様と値段交渉する際も、ファジーな言葉よりも購入実績の具体的な数字で話をできるのは非常に有利です。
また、売り買いの数字だけではなく、社員評価にまでその影響力が存分に発揮されています。当社では、売上高だけでなく予算達成率や原価率、人件費率の適正な数値などのポイントを追い、その数値によって副店長以上のスタッフの給与が変わるシステムを採用しています。ですから明確な数字により誰が見ても平等で、かつ明確な評価が可能になりました。
例えば、過去2年間のデータベースをもとに各店舗の基本軸(原価率)を設定し、そこからブレているかいないかが評価の指標となります。わかりやすく言えば、「何キログラムのお肉を発注していくら売れたのか?」原価率32%と35%の店舗だと店長のフィーは変わってくるわけです。導入前は概算でしたが、今では小数点以下までシビアに数値化されているので、良い仕入れをし、良い店舗運営をしたという結果がはっきりわかるため、スタッフ自身の数字に対する意識も大きく変化し、このシステムがやる気を引き出す要素のひとつになっています。
また、ひと切れからでも食せるという「ひと切れ売り」メニューを提供している当社にとって、ひと切れのグラム数が3gでもオーバーすると、この積み重ねにより原価率に響いてくる。だからこそ数字にはシビアにならざるを得ないのです。ここをカバーするのは「いかに正確な分量を切り落とせるか」という高い技術力によるものではありますが、損失の元となるこのような小さな数字を見逃さないためにも、システムで数字管理ができる『BtoBプラットフォーム 受発注』は、今や当社に欠かせないシステムとなっています。
戦術〈アナログ〉と戦略〈デジタル〉を使い分け
システムをより強固に
焼肉店はアナログな世界で、システムに弱い方が多い、それが実情です。今の環境を変えることが面倒くさい、だからシステム化なんて面倒くさい、となってしまうのでしょうが、実際に活用している私にしてみれば、システム化していないことのほうが面倒くさいですね(笑)。
しかし、アナログな部分も大切だと思っています。例えばお客様へのお手紙は、メールやSNSよりも心のこもった手書きが断然いい。私たちはあくまでも接客サービス業ですから、お客様の顔を見て、雰囲気を見て「美味しい」「安い」だけではない空気感を大事にしなければなりません。これは、さきほどご紹介した「ご意見番様」制度で生まれるホスピタリティに通ずるものがありますが、アナログ、デジタルそれぞれの利点を活かし、使い分ければ良いのです。戦術はアナログ、戦略はデジタル。私はそう考えています。
現在、このシステムに大きな不満はありませんが、戦略を練る上で使いこなせばこなすほど、現場レベルでは使い勝手など少しずつ改善していただきたい点が出てきているようです。そういった細かな部分は、インフォマートの担当者の方にご相談すれば、フレキシブルに対応してくださるので頼もしく思っています。これから東京、そして世界へと戦略の目を向ける当社にとって、このシステムはなくてはならないパートナー。ぜひ今後も、ともに成長していければと思っています。
ご担当者様
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BtoBプラットフォーム 受発注
- 受発注・請求書業務を最適化
株式会社萬野屋
設立 | : | 1997年9月 |
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事業内容 | : | 食肉卸・小売販売、ネット通販、飲食店経営(焼肉店等の直営店舗 計8店舗) 、食肉の捌き、調理技術研修指導、飲食店プロデュース (焼肉、肉料理、鉄板焼)、食肉アドバイザー |
代表者 | : | 代表取締役 萬野 和成 |
本社所在地 | : | 大阪府大阪市天王寺区勝山4-10-25 ガード下番号116-117 |
企業サイト | : | http://www.mannoya.com/ |
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