家具の卸売を主な事業とし、1995年からは直営店事業も開始している株式会社アスプルンド様。複数の仕入れ先から部門ごとに請求書を受け取り、支払業務が煩雑化していたという同社。『BtoBプラットフォーム 請求書』導入の効果について、取締役兼管理本部長・袖子田(そでこだ)圭一郎様、管理部財務経理のご担当者様にお話を伺いました。
ココがPOINT!
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1
月初に集中していた支払処理の負担が軽減
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2
支払通知書の送信作業が、1週間から1日に短縮
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3
請求書の保管がなくなり、省スペースに貢献
請求書の到着を待って始まる支払処理。月内で適切に処理する方法を模索
まず、御社の事業内容を教えてください。
袖子田取締役:
当社はもともと家具の卸売が主体の会社です。取扱商品はホテル、レストラン、など商業施設からのオーダーに対応する家具やインテリア、OEM製品など。また、卸売だけでなく直営店事業も展開し、ライフスタイルに合わせた家具や小物を販売する『タイムレスコンフォート』、キッチン用品を専門に扱う『212キッチンストア』など、全国で約90店舗運営しています。
支払いや請求書の業務について、どのような課題があったのでしょうか。

袖子田取締役:
当社は大きく分けて卸売部門と直販部門に分かれており、現在の仕入先は両部門あわせておよそ500社いらっしゃいます。そのうち定期的に取引をしている仕入先から、毎月約300通の請求書を受取っていました。
請求書は営業担当者が受取り、納品書と発注書を照らし合わせ、支払処理に必要なフォーマットに、金額、日付、部門コード、支払日などを入力していきます。それを印刷し、送られてきた請求書と合わせて上長へ提出し、承認印を押してもらいます。
毎月10日までにこの作業を終え、書類を経理に回す必要があるのですが、そもそも仕入先から納品書が届いていなかったり、月末にまとめて納品書が来たりすることもあります。すると入力や承認が遅れ、支払予定金額にズレが生じてきます。
また、請求書の到着を待ってしか支払処理を開始できないため、経理の業務も集中していました。ここを省力化したいという想いはありましたが、一連作業は繰り返し行われる中でルーチン化され、これ以上の時間短縮は望めない状況でした。あとは何らかの方法で、支払金額の確定を前倒しするしかなかったのです。
請求書を待たずに支払通知書で金額確定。変わったのはフローより社員の意識
支払金額の早期確定のため、具体的にどのような取り組みをされたのでしょうか。
経理ご担当者様(以下、経理担当者):
請求書の到着を待つのではなく、こちらで先に仕入れ金額を確定し、支払通知書としてPDFをメールに添付して送る取り組みを、2010年頃に開始しました。当社ではまず、直販部門から始めています。
直販部門は、小売向け商品のため仕入れ金額が明確で、支払いのフローもシンプルです。まず仕入先から納品書が届いたタイミングで、部署の営業担当者が販売管理システムへ仕入額を入力します。納品ごとの計上さえしっかりできていれば、月末で締めた金額と、支払通知書の請求額に差異はありません。あとは支払通知書をメールに添付して送るだけです。
この改善により、直販部門の200通分は請求書の到着を待たずとも、経理処理が進められるようになりました。
ただ、新たに支払通知書を作る作業と、仕入先1社ずつに支払通知書を添付してメールするという作業が発生しました。やはり手作業の場合は、金額が合っているか調べたり、紙の納品書と突き合わせたりといった作業を繰り返すため、すべて送り終えるには、事務の担当者がひとりで1週間くらい掛ける必要があったのです。
『BtoB プラットフォーム 請求書』を導入後、業務フローはどのように変わったのでしょうか。
経理担当者:
『通知書機能』を使い販売管理システムからCSVデータをアップロードすることで、支払通知の作成の手間がなくなり、メールもシステム上で一斉に送れるようになりました。1週間かけて行なっていた作業が、1日で完了できるようになり、業務的な負担はかなり軽減されています。
卸売部門の方は、どうなったのでしょうか。
袖子田取締役:
卸売部門では支払通知書の利用がなかなか進みませんでした。
卸売商品の中でも、特にオフィスなどで使う大型商品は、商品代とは別に配送費や、搬入設置費用がかかることがあり、発注時と納品時の金額に差異があります。また、店舗などに合わせて特注品を作る場合は、仕様変更によって金額が変わるため、そもそも最終の発注金額を決めないまま取引を進めることもありました。そのような事情から、卸売部門は、最終的な請求書を待ってから支払処理をしたい、という社内の意見が根強かったのです。
しかし今回の『BtoBプラットフォーム請求書』の導入を機に、卸売部門も支払通知書を送るフローに変えました。

経理担当者:
まず、確定していない請求書の金額を仮でもいいので、販売管理システムに計上します。修正があったら都度変更すればいいというフローに変えました。
納品書が届かないと、販売管理システムに金額を計上できないため、自然と営業担当者から仕入先へ、納品書未着や期日について促せるようになりました。いまでは卸売部門も販売管理システム上に、きちんと数字が計上されるようになっています。
『BtoB プラットフォーム 請求書』の導入によって、担当者の意識が変わり本来あるべき事務処理の流れが “標準” として根付いたことは大きな成果ですね。
フォーマットがバラバラだった請求書のファイリングから解放。省スペースにも貢献
そのほかに導入のメリットはありましたか。
経理担当者:
仕入先から送られてきた、請求書の保管も楽になりました。紙の請求書の場合、各社の請求書フォーマットがバラバラなので、ファイリングするだけでも大変です。量も多く、1年間で幅約2mの専用キャビネット3つ分が、ファイルで埋まっていました。
今では、紙の請求書自体が以前の半分以下に減ったため、経理部で保管することもやめて、各部署で保管しています。担当者がわざわざ経理部まで確認に来なくて済むようになり、作業時間短縮にもつながっています。
今後、御社で取り組みたい業務改善はどのようなことでしょうか。
経理担当者:
請求書の支払業務においては、長い間取り組むべきだった課題解決に本腰を入れるキッカケになりました。会社によって、どこをメリットと考えるかは違います。世の中もどんどん変わって行くので、会社もそれに合わせて変わっていかなければいけないと思います。
ですから、いまの形が完成形とは考えていません。もっと省力化できる部分や効率化できるところもあるでしょう。今回は支払側が改善されたので、今度は請求書の発行側も電子化を進めていきたいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。