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NYのミシュラン1つ星店から大衆居酒屋まで。国内外への店舗展開を、システム活用で加速します。

東京レストランツファクトリー|システム活用でミシュラン店や大衆居酒屋を展開- BtoBプラットフォーム 規格書

東京レストランツファクトリー株式会社

「鳥幸」「ぬる燗佐藤」などの高級な和食業態から、「やきとんエイト」といった大衆酒場まで、27業態64店舗を展開している東京レストランツファクトリー株式会社様。ニューヨークに出店した寿司店「sushi AMANE」が2017年から2年連続でミシュラン1つ星を獲得して話題となりました。3年で30店舗増と成長する背景には、システムを利用した “守り” の運営があるといいます。

ココがPOINT!

  • 1

    仕入れデータと自動連携して、メニューごとの原価率を管理

  • 2

    調理スタッフへレシピを共有して、料理の品質を維持

  • 3

    商業施設への規格書の提出が、クリックひとつで可能に

和食の技術とおいしさを国内外に向けて発信

店舗運営の方針を教えてください。

常務取締役
常務取締役

常務取締役:

飲食業として “JAPAN QUALITY” を発信し、日本のファンを国内外につくることを、弊社のミッションとしています。

店舗での例をあげれば、焼き鳥専門店「鳥幸」では肉の部位によって串の打ち方や焼き方を変え、複数の塩やたれによる味付けで提供しています。また、「ぬる燗佐藤」では、日本酒の温度を11段階に分けて、味の変化を楽しんでいただいています。

ミシュラン1ツ星獲得『sushi AMANE』
ミシュラン1ツ星獲得
『sushi AMANE』

こうした取り組みの中で、2017年ニューヨークに出店した寿司店「AMANE」が、2年連続でミシュランの1つ星をいただきました。料理人の繊細な技術が冴える和食業態をつくる一方で、日本国内では大衆酒場「やきとんエイト」や九州料理の居酒屋「神屋流 博多道場」などのカジュアルな業態も展開しています。

ここ数年、店舗展開を加速していますね。

商品管理購買部 衛生管理責任者(以下、衛生管理責任者):

2011年に業態開発した「鳥幸」と「ぬる燗佐藤」で、転換期を迎えました。ハイクラスな和食業態を求める駅ナカや大型商業ビル、百貨店などを手がける大手デベロッパーから、出店のお声がけをいただくようになったのです。

商業施設の進出で全体の店舗展開が加速し、2014年には30店舗となり、現在27業態で64店舗(国内59店舗、海外5店舗 ※2018年11月現在)を出店しています。

急成長される中で、気をつけていることはありますか?

常務取締役:

ブランドの品位を保つため、食の安心・安全に対する意識はいっそう配慮するようになりました。特に、出店先の商業施設が求める基準は厳しく、メニューの表記ひとつとっても、あいまいな表現は許されません。たとえば地鶏を使用する場合も証明書の提出が必要ですし、「厳選」の表示根拠も求められます。しっかりした商品を提供することに加え、従業員にも食品衛生や食物アレルギーに対する知識を、研修などを通じて身につけてもらっています。

衛生管理責任者:

百貨店や商業施設への出店では、メニューの改変があるたびに使用する食材のアレルギーや原材料の産地を証明する商品規格書(※)の提出が欠かせません。これには規格書の情報を回収するシステム『BtoBプラットフォーム規格書』を使って対応しています。

以前は食材の取引業者に、メールや電話で情報を何度も確認する手間がかかっていました。今はシステムを使って回収した規格書をそのままプリントアウトして、メニュー表と一緒に百貨店へ提出するだけでよくなり、スムーズになって助かっています。

(※)商品規格書:食品のアレルギーや原料産地などの情報をまとめた仕様書。

常務取締役:

これまで事業拡大をしてきた当社は攻めの一手で、気がつくと“守り”が手薄でした。衛生管理や食物アレルギーへの対応など、売上に直結するわけではない部分です。しかし、今後のさらなる成長のためにも、リスク対策で守りを固めていく必要性を強く感じています。

仕入れデータと連携して、メニューごとの原価を毎日管理

現場ではパソコン操作が苦手な方もいらっしゃるのでは?

商品管理購買部 衛生管理責任者
商品管理購買部 衛生管理責任者

衛生管理責任者:

実は私も元々現場あがりの料理人で、すごく苦手(笑)。ただ、最初に導入した食材を発注するシステム『BtoBプラットフォーム 受発注』を使っていって、徐々に慣れていきました。発注したい食材の数量を入力するだけなので、操作しやすかったんです。

常務取締役:

発注業務をシステム化したことで、それまでのFAXや電話での注文というアナログな作業や、月初に請求書と納品書を照合する煩わしさから解放されました。

焼き鳥

衛生管理責任者:

今後はメニューごとのレシピの管理も、システムを活用していこうと考えています。全店舗で取り扱うメニューの品数は1千を超えていて、管理がとても煩雑でした。現在は『BtoBプラットフォーム受発注 メニュー管理』で、多店舗展開している業態のグランドメニューや、他業態で共通して使う焼き鳥のたれ、様々な仕掛品の原材料や分量を登録しています。各店舗の調理スタッフがレシピを見られるようにして、仕上がりの品質を保っていきます。

9店舗展開する焼き鳥業態『鳥幸』
9店舗展開する焼き鳥業態
『鳥幸』

常務取締役:

また、原価管理は『BtoBプラットフォーム 受発注』の仕入れデータと『メニュー管理』を連動させて、メニューごとに原価率も管理しています。以前はエクセルをひとつずつ作って、食材の使用量や歩留まり率から原価を計算していたのですが、生鮮品などは価格変動があり、更新の手が追いついていませんでした。今はシステムで最新の仕入れ値が自動的に反映されるようになり、メニューごとの原価率をすぐに把握できるようになっています。

原価率が高くなったメニューがあると、そのメニューをセーブしたり、ABC分析をした結果から原価率の低い他のメニューの出数を増やしたりといった対策をしています。また、これからは仕入れ値も見直したいです。たとえば同じ鶏の部位なのに業態ごとに仕入れ先が違うといったケースもあります。システムの取引履歴を使って多店舗展開のスケールメリットを生かした単価交渉をすれば、月間の取引額は100万円単位で節約できるとみています。

今後の展望を教えてください。

常務取締役:

現在、弊社は2020年に上場する準備を進めており、企業として過渡期にあります。システムの利用は、本部機能を強化するための基盤づくりなのです。同時に、新業態の出店も考えています。国内だけでなく海外も、さらに展開していくでしょう。

2018年8月には、ニューヨークに『鳥幸』をオープンしました。現地では、焼き鳥は寿司ほど認知されていません。開店時、「ミシュランの1つ星AMANEの東京レストランツファクトリーが、新しい店を出す」とニューヨークタイムズなどで取り上げていただいたんです。現地のお客様にも「アメージング、こんなのは初めてだ」と。これまでの海外進出で我々がプライドをもってやってきたことは、間違っていなかったと体感し、和食の品質の高さを改めて感じました。

これからは次の世代に、日本の技術は世界中で戦えるんだよと伝えていきたいです。特に若い職人さんにはグローバル化してほしいですね。海外に目を向けることで、和食の価値や自分の仕事を再認識できますから。

※掲載内容は取材当時のものです。

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