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雇用契約書の電子化で現場と本部、双方の負担軽減。うまれた余裕が、おもてなしの向上につながります

三笠会館|雇用契約書の電子化で現場と本部、双方の負担を軽減できました- BtoBプラットフォーム 契約書

株式会社三笠会館

業種 エリア 帳票の種類 従業員数 店舗数 サービス 創業

1925年6月

企業サイト

東京・銀座に本店を構え、フランス料理からイタリア料理、中国料理、会席料理など、多彩な25店舗※を展開する株式会社三笠会館様。年2回あるアルバイト従業員の雇用契約更新の時期には、約500名分の契約書の処理が発生。締結までの手間や書類の保管に課題を感じていました。電子契約書の導入にあわせフローを変えて現場の負担も減らした、人事総務部の取り組みを伺いました。

※2021年7月現在

ココがPOINT!

  • 1

    500名分の雇用契約の更新作業が1カ月→1週間に

  • 2

    従業員はスマホ操作で更新終了、店長の負担も軽減

  • 3

    ペーパーレスで一括管理、保管場所の悩み解消

半年に一度発生する、アルバイト約500名の雇用契約更新

銀座の老舗洋食店として知られ、様々な業態も展開されていますね。

人事総務部長 喜多 道生 氏
人事総務部長 喜多 道生 氏

人事総務部長 喜多 道生 氏(以下、喜多人事総務部長):

創業は大正末期、1925 年に遡ります。奈良出身の創業者が歌舞伎座前にかき氷を売る「氷水屋 三笠」として店を構えたのがはじまりです。現在の銀座並木通りに本店を置いたのは戦後間もない 1947 年で、以来、銀座中心に首都圏へ店舗展開し、増減はあったものの現在は25店舗を運営しています。フレンチやイタリアン、日本料理・鉄板焼きと幅広い業態がありますが、創業当初から戦後の復興期に提供していたのは当時まだ珍しかった「若鶏の唐揚げ」や「インド風チキンカレー」といった洋食を主体としたメニューです。商業施設などに出店しているメイン業態 AGIO(アジオ)も、その原点を引継いでいます。

所属されている人事総務部で、25店舗全従業員の雇用を管理なさっているのですね。

喜多人事総務部長:

はい、私自身は店舗での店長経験後、本部にて営業など様々なポジションを経て現職にあります。人事総務部は 4人で、アルバイト・パート勤務含めた従業員約 600 人の人事を担っています。

ご存じのように飲食業界は昨今のコロナ禍の影響が著しい状況で、複数回にわたる緊急事態宣言を受け、雇用維持のために休業手当を出して意図的に出勤を減らしていますし、学生アルバイトの卒業による自然減などもあります。営業自粛期間が明ければ人手不足は間違いないため、緊急事態宣言後を見据え採用を強化しているところです(2021年7月時点)。

全アルバイト・パートスタッフの雇用は6カ月の有期契約で、3月と9月に一斉に更新します。この雇用契約の更新は、『BtoBプラットフォーム 契約書』を使って電子化しています。

雇用契約を電子化した理由をお聞かせください。

喜多人事総務部長:

目的は大きく 2 つありました。ひとつは書類のペーパーレス化、もうひとつは雇用契約の締結から回収までの手間と時間の削減です。

アルバイト・パートのスタッフは、1 店舗あたり 20 名前後、多い店舗では 50 名ほど勤務しており、全体では約500名になります。半年に1度、雇用契約を更新するたびに膨大な書類が発生します。契約書は在籍している従業員は永年保存、退職後も2年は保管するため保管場所にも苦労がありました。本来は店舗ごとにファイリングしますが間に合わないと箱に入れて本社や倉庫で保管します。見返す必要がある場合は、エクセルの更新リストを確認するため、紙の書類が必要になることはほぼありません。保存のためだけに残している状態でした。

また、契約書は各店舗で配付・回収しますが、出勤予定がしばらくないスタッフは、いつ渡せるかわかりません。書類の受け渡しのためにわざわざ店舗に来てもらうのも負担になるので、手続きに時間がかかっていました。回収した契約書は最終的に郵送で本部に届きますが、不備があれば差し戻しますし、紛失のリスクもありました。契約更新は毎回1カ月ほどかかる業務だったのです。

1 カ月がかりだった更新作業が1 週間あまりに短縮

雇用契約更新の手順を教えてください。

喜多人事総務部長:

まず、本部がエクセルで、全店舗の契約更新リスト一覧を作成します。各店舗の店長はスタッフと面談を行い、双方が了承し契約更新となったらリストに時給などの労働条件を店舗のパソコンから入力して更新申請します。本部が承認したら、サーバー上にある雇用契約書のフォーマットを店長が印刷し、店舗名や時給、勤務する曜日などの労働条件を手書きして1枚ずつ作成していました。ただでさえ忙しい店長業務にさらに負担がかかっていたと思います。

9 月に契約更新するには、8月に入ったら面談を開始し、8 月下旬には契約書を配りはじめないと間に合いません。回収に1週間はみる必要がありますし、契約書なしに働かせるわけにはいかないので店長は非常にやきもきするというのが 20 年以上続いていました。

2019 年 4 月に厚生労働省の省令が改正され、これまで書面による交付が義務付けられていた「労働条件通知書」の電子化が認められるようになりました。それに伴い、さまざまな電子契約サービスでも雇用契約の電子化を扱うようになったため、何社か比較した上で『BtoBプラットフォーム 契約書』を採用したのです。

『BtoBプラットフォーム 契約書』を選んだ理由は何ですか?

喜多人事総務部長:

弊社では以前から食材の発注を『BtoBプラットフォーム 受発注』でシステム化しており、サービス自体に馴染みがありました。余談ながら、発注を電子化する際には、パソコンに馴染みのない現場からは抵抗もあったのですが、慣れてしまえばFAXや電話での発注のような手間はかからずミスもなくなり、今では手放せないサービスになっています。

すでにある『BtoBプラットフォーム』の ID でシームレスに管理できるのは魅力ですし、社内承認のフローを改善して効率化をはかることも検討していたため、「ワークフロー機能」にも注目していました。何より大きかったのは低価格で利用できる点ですね。他社は様々な機能がセットになっていて割高感があったのですが、『BtoBプラットフォーム 契約書』は他社の 1/4程度の利用料です。「激安だな」と、決め手になりました。

導入の効果はいかがですか?

喜多人事総務部長:

回収率が圧倒的に高まりました。電子化にあたっては業務フローも見直し、本部で雇用条件などを入力したCSV ファイルをアップロードしたら店長は経由せず、直接従業員に一斉送信し、返信も本部で受け取るようにしました。電子契約書に切り替えましたが、契約書のフォーマットを新たに一から作るのではなく、マッピング機能で既存の書式を使えるため、見た目も違和感がありません。

テンプレートのマッピング
Word などの書類データを読み込み、CSV ファイルの各項目の表示位置を指定し、データを差し込めます。

若い人はスマートフォンやパソコンでやりとりするのが当たり前になっていますし、承認して送り返すだけの簡単操作なので、特に抵抗なく電子契約書に移行できました。やはり、半年に1 度ハンコを持参して捺印するのは面倒だと感じていたのではないでしょうか。パソコンやスマートフォンがなく、ガラケー(フィーチャーフォン)しか持っていないといった事情を除き、ほぼ電子契約で更新が完了しました。

初回はメールアドレスの収集といった事前準備は必要でしたが、次回以降はかなり楽になると思います。従業員に送信した契約書の多くは、すぐに戻ってきましたし、紛失リスクはゼロです。またタイムスタンプが付与されるため、不正や改ざんのリスクは書面の契約書より低いといえます。雇用契約書の発行から回収までこれまで1カ月かけていた作業がほぼ1週間で収まり、ペーパーレスも実現しました。

業務改善を進め、お客様に外食ならではの楽しみを提供したい

今後の展望をお聞かせください。

喜多人事総務部長:

『BtoBプラットフォーム 契約書』の導入で、半年に1度の本部にとっても店長にとっても憂鬱な作業がなくなりました。本部は契約書をスムーズに回収し一括管理できます。店長は業務負担が減ったことで、本来の役割である店舗運営やよりよい接客サービスに注力できますし、アルバイトスタッフもハンコを持ち歩く必要がありません。電子化、クラウドサービスの良さを実感する場面が増えていますし、まだ紙の処理が残っている業務も今後はデジタル化を進めていけたらと思っています。

コロナ禍で飲食業のビジネスモデルは大きな転換を迫られていますが、お客様への心を込めたおもてなしは不変です。現場の最前線でお客様に価値を提供する店長やスタッフがサービスに集中できる環境を整えるために、これからも業務改善をはかっていきたいです。

※掲載内容は取材当時のものです。

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