導入から短期間で請求書デジタル化率80%を突破。
インボイス制度対応で賛同する取引先が増えています。
食品製造用原材料、外食業界向け業務用製品、一般家庭用小売り製品まで、多彩なスパイス・ハーブの販売を手がけるヤスマ株式会社様。「mascot」ブランドには数多くのロングセラー商品もあります。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応を見据え『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入し、請求書の発行は短期間でデジタル化率80%に。電話やFAXに依存しないバックオフィス業務改革を目指します。
ココがPOINT!
- 1インボイス制度と電子帳簿保存法、どちらにも対応
- 2ペーパーレス化と工数減で年間100万円以上コスト減
- 3発行作業に費やしていた時間を営業サポートに活用
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基幹システムを刷新しても、紙ベースの請求書発行業務が続くと判明
― スパイス・ハーブ・乾燥野菜専業メーカーとして、長い歴史をお持ちですね。
営業本部業務部次長(以下、業務部次長):戦後間もない1947年に、ソースメーカーさんやカレーメーカーさんに原材料となるスパイスやカラメルなどを販売する、安間香辛料商店として創業しました。
以来、スパイスやハーブ、乾燥野菜などの多くを自社製造し、食品メーカー様をはじめとする加工食品業界へ販売してきました。販路は飲食店などの外食産業や一般家庭用の小売店舗にも広がり、スパイス・ハーブの小瓶入り製品「mascot(マスコット)」ブランドで、ご家庭に厳選した世界の香りをお届けしています。お取引先は加工食品メーカー様、外食系企業様、市販用の企業様です。
2019年に、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社のグループ会社として新しい経営体制となりました。新体制の下でも長年の技術とノウハウを活かしながら、豊かな食文化の創出に貢献できる製品開発を続けています。
営業本部業務部次長
― 食品メーカー向け原材料供給のお取引が大半を占めているんですね。
業務部次長:販路によって取扱量が違いますので必然的に比率は高まります。どの販売チャネルも15日、20日、25日と末日に締日があり、800件近く請求書を発行しています。請求書の発行と発送は営業本部内で対応しており、紙で請求書を発行していた時は最も件数が多い月末締は、部員6人が各4時間ほど時間を費やし印刷から封書詰、発送まで実施していました。他の締日を含めると月あたり延べ6時間くらいは費やしていました。
商品の特性上、SKU(Stock Keeping Unit:在庫保管単位)数も多く、販路によっては明細が10枚以上にのぼることもあるのです。当時の請求書は原紙と複写、A4サイズを2枚セットの仕様でしたから、発行印刷する事に対しても単純に倍の量の紙を消費します。
印刷された請求書をまず、原紙と複写に振り分け「かがみ」に印刷された金額と、基幹システムの売掛金額が合っているか確認して、差異があれば明細をチェックしなければなりません。問題がなければ三つ折りにし、封筒に封入していましたが、とにかく時間のかかる作業でしたし人件費や郵送料金までを含めると毎月合計16万円程度のコストでした。
― 請求書発行業務の見直しで、デジタル化を考えるようになったのでしょうか。
管理本部経理部長(以下、経理部長):きっかけのひとつにはコロナ禍の緊急事態宣言下での出社制限がありました。請求書に限らず注文書等もFAXのやりとりが多い業界なので、処理のためにどうしても出社せざるをえない状況でした。分散出社でコアタイムの数時間だけ会社で作業し、残りは在宅勤務でデータ処理をするよう取り組んでいましたが、それでも紙ベースの請求書発行業務は発送や印刷のために出社が必要でした。
もうひとつの理由として、基幹システムの刷新プロジェクトの中で、2023年10月にはじまるインボイス制度への対応を考える必要がありました。適格請求書が発行できるか、基幹システムのメーカーに確認すると「こちらで開発するので大丈夫ですよ」とのことだったのですが、話を進めていくうちに紙の請求書発行を前提にしていて、電子帳簿保存法への対応が難しい事がわかってきました。
管理本部経理部長
2020年に経費精算システムを導入し、ある程度の電子帳簿保存法への対応は進めていましたが、入れ替える基幹システムではタイムスタンプが押せないため、「請求書を電子データでほしい」という取引先からのご要望への対応が複雑化する懸念もありました。
ペーパーレス化とインボイス制度、電子帳簿保存法への対応、すべてを解決しみんながハッピーになれる仕組みとして、請求書クラウドサービスなら短期間に導入できそうと判断し、できることは先にやろう、それで後の工程も楽になるはずと、基幹システム入替より先に請求書業務のデジタル化に取り組みました。
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高まるインボイス制度対応への意識が業務のデジタル化を促進
― 『BtoBプラットフォーム 請求書』を選んだ決め手は何でしょうか。
業務部次長:弊社では、以前より外食企業との一部の取引を『BtoBプラットフォーム 受発注』でシステム化しており、使い方に関しある程度は把握していました。国内トップの圧倒的なシェアを獲得している請求書クラウドサービスである優位性も、決め手の判断に至った大きな理由です。
経理部長:多くの企業で導入しているクラウドサービスですので、お得意先が選び易い、納得いただき易いだろうとの判断もありました。実際に調達部門では取引先からの要望ですでに使っている事例もあり、使い勝手が良いという声も聞いていました。
また、同じサッポログループのサッポログループ物流株式会社が、『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入し、請求書業務をデジタル化した事例を見知っていたのも理由のひとつです。
業務部次長:導入当初、デジタルデータで受領いただいた取引先は半数以上で、3カ月後には80%以上のデジタルデータ受領へ伸張出来ました。残りはオプション機能の「郵送代行サービス」を利用しており、先方指定のフォーマットが存在する一部の請求書を除いて、ほぼ発送にかかる業務時間は無くなりました。現在では月間のコストは約7万円弱となっていて、9万円程度の月間経費の削減ができています。
また、これまで発行から発送の業務にかかっていた時間を、カタログやサンプルの手配といった販売部門サポート業務にあてられて、営業本部内で一人一人が歩みより、助け合い、協力する事で業務効率の底上げにも繋がりました。
コロナ禍以前は、販売は販売、事務は事務みたいな考え方が浸透していましたが、本部内全員が、少しでもテレワーク可能な環境にするにはどうすべきか、感染リスクから身を守るにはどうすべきか等、人に対しての思いやりを持ち、協力する事で乗り越えていこうという意識付けによって個々のモチベーションを保ちながら取り組んだ結果だと感じます。
― 短期間で8割以上のデジタル化が実現するのはすごいですね。
業務部次長:我々だけでなく請求書業務のデジタル化に取り組まれている取引先もそれなりに多く、賛同を得られ易い状況でした。やはりインボイス制度や適格請求書のスタートが迫っており、そこに向けて企業各社もデジタル化へ切替えていくべきという意識があったのが、いちばん有難かったですね。
私自身は初動3割程度のデータでの受領でスタートすれば良いほうかなと正直思っていました。しかしながら予想を上回るデータ受領の数値でのスタートでしたから「あ、これはいけるんじゃないかな」と。初動時はログインされていないお取引先には意識的にお声掛けするようにしたり、未だ郵送代行で紙の請求書を受け取っているお取引先には、注文書の納期回答時にデータ受領のご案内を添付したり、細かなお願いを継続していたところ、2、3カ月後にはポンポンとデジタル化されるお取引先が増えていきました。営業本部として一丸となって取組んだ結果がデジタル化率向上の一番の要因と思います。もちろん管理部の後押しや多くの協力もある事も事実です。
― 御社や取引先のインボイス制度対応の進捗状況はいかがですか?
経理部長:弊社は適格請求書発行事業者の登録申請を済ませており、フォーマット変更は『BtoBプラットフォーム 請求書』で対応してもらえるので安心感があります。システムの仕様が整い次第、もし変更点を取引先にご案内する必要があれば発信していこうと思っています。取引先からは、登録番号の照会が増え始めました。早いところでは2022年春の時点でお問い合わせいただいたところもあります。
受発注から請求まで、紙やFAXに依存しないシステムによる一括管理を
― 今後の展望をお聞かせください。
業務部次長:パソコンがあれば会社でも自宅でも、どこでも仕事ができる環境が社会的にも整いつつある今、多様な働き方ができるのは、企業の魅力の1つです。一方でまだ紙を処理する業務が多い現状もあります。弊社は販売側ですので、受発注業務のデジタル化を業界的にも促進する事も課題として残っています。卸企業様等はEDI受発注システムなどである程度は進化していますが、その波に乗れずにいるお取引先に対し、いかに歩み寄ってお手伝い出来るかですね。
経理部長:食品メーカーは、我々含め中小企業が多く、どうしても電子化、デジタル化が進みにくい面があります。例えば、受発注でFAXが未だ多く残っています。我々も請求書のデジタル化は進みましたが、請求が発生する前段階の見積書や発注書、納品書といった文書類のデジタル化はまだできていません。基幹システムの刷新やインボイス制度対応が落ち着いたら、企業間商行為で発生する文書類を一括管理できる『BtoBプラットフォーム TRADE』の導入も視野に入れ、さらなる業務のデジタルシフトを進めていきたいです。
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創業 | : | 1947年4月1日 |
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事業内容 | : | スパイス・ハーブ類や乾燥野菜の輸入・加工・販売 |
代表者 | : | 代表取締役社長 松尾 貴仁 |
本社所在地 | : | 東京都品川区西五反田5-23-2 |
企業サイト | : | https://www.yasuma.co.jp/ |
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