全国にディスカウントストア「トライアル」を展開するトライアルグループで、店舗施設の開発、管理等を手がける、株式会社トライアル開発様。店舗の改装や修繕工事で施工業者とやりとりする膨大な紙の書類が課題となっていました。見積から請求まで、業務の進捗状況の可視化を目指し導入した『BtoBプラットフォーム TRADE』で、グループが目指すリテールDXの一翼を担います。
ココがPOINT!
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国も進める建設施工管理のDXにむけた基盤づくり
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ファイル3冊⇒1.5冊分のペーパーレスで業務効率UP
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取引先の経理業務の負担減、収入印紙代も0円に
月50件にのぼる工事に関わる 業務の進捗状況を把握したい
事業概要と、ご自身の業務内容を教えてください。

経理総務部 総務課長(以下、同):
福岡に本社を置き、全国に約280店舗を展開するディスカウントストア「トライアル」の、出店・建築・施設の管理に関する業務を行っています。
トライアルグループはITが祖業であり、小売店向けのPOSシステムの開発や、大手コンピューターメーカーから業務を受託していました。そして「小売を科学したい」という思いから1992年に小売業に参入し、ITで流通を変える事業に取り組んできました。
近年では、産官連携のまちづくりプロジェクト「リモートワークタウン ムスブ宮若」を進めています。宮若市の学校跡地等を利活用して取引先と共同で、流通業と「AI」技術を融合した「リテール AI」の推進を行い、最先端 IoT技術を導入した流通業の DX と省人化店舗の試験運用等にも取り組んでいるところです。
弊社はトライアルグループの店舗施設の改装工事などに携わっています。従業員は工事監理等の専門職・技術職が多く、一級建築施工管理技士等の有資格者も複数在籍しているのが特徴です。一方でバックオフィス業務は、私が一手に担っています。
経理総務業務をおひとりでなさっているのですか?
トライアルグループでは、総務や経理、品質管理やリスク管理といった本部事務業務は、株式会社トライアル・シェアードサービスに集約しています。私は、トライアル開発での、工事の見積依頼から発注、検収、請求や支払まで、施工業者との文書の管理、処理業務をすべて担当しています。工事は天井紙の補修工事のような15万円ほどの小さなものから、2億円を超える大規模なものまで様々で、エクセルを使って管理するのです。一覧にして色で分けるなど見やすくする工夫はしていますが、多い時には月に50件の工事があります。特に月末になると大量の請求書を受け取るので、企業ごとに振り分けるだけでも一仕事でした。
請求書は案件ごとに発行されるため、同じ施工業者でも並行する工事があれば別々に届きます。振り分けミスがあると、どこにまぎれてしまったかわからなくなるリスクがありました。
郵送での書類のやりとりは非常に時間がかかりますし、見積や発注を誰が担当し、どこまで進んでいるのかわかりづらいのが問題です。契約書や発注書を送ってなかなか返送がなく、どうなっているか問い合わせても、担当者が現場に出ていて書類がどこにあるかわからない状況でした。業務進捗状況の可視化は大きな課題になっていました。それが見積から契約、発注、請求まで Web 上で一元管理できる『BtoBプラットフォーム TRADE』を導入した背景です。
年間の印紙代相当の利用料で、業務進捗状況を可視化
どのようなきっかけで『BtoB プラットフォーム TRADE』を知りましたか?採用の決め手も教えてください。
つきあいのある施工業者から、弊社とは別の請負元とのやりとりを電子化して紙は不要なのだと聞き、「そんなシステムがあるのか」と興味をもったのがきっかけです。建設業界では今、国を挙げた業界のデジタル化が進められており、公共事業なども IT 技術を積極的に取り入れています。
調べてみたところ、グループの中核である株式会社トライアルカンパニーが導入しているクラウド請求書システム『BtoB プラットフォーム 請求書』のシリーズに、『BtoB プラットフォーム TRADE』が あるとわかりました。我々が既に利用しているサービスのシリーズで連携が可能なら導入も容易です。また、電子帳簿保存法への対応を考え、一旦紙に出力した書類を PDF などに電子化するよりも、はじめからデータでやりとりできるシステムを探していました。電帳法に対応したデータ保存が可能な『BtoB プラットフォーム TRADE』を選ばない理由はありません。
また、『BtoB プラットフォーム TRADE』は、見積から発注、請求までを一元管理できますが、電子契約書システム『BtoB プラットフォーム 契約書』を利用することで、各取引の発注書兼請書のやりとりがデジタル化し、法令に則った保存も可能になります。それに、電子契約では受注側の収入印紙が不要です。
我々は中核企業のトライアルカンパニーと工事の請負契約を交わすたびに収入印紙代が発生しており、その金額は年間90万円以上でした。『BtoB プラットフォー ム TRADE』は、『BtoBプラットフォーム 契約書』、『BtoB プラットフォーム 請求書』との連携で機能を最大限生かせます。3つのサービス利用料がこれまでの印紙代とほぼ相殺されると考えれば、費用対効果はすでに発揮されているも同然です。さらに案件が増えるほど効果が高まっていきます。
施工業者側も、我々との間の注文請書に印紙が不要になります。取引先にとってもメリットがあるのは大きなポイントでした。
導入の効果はいかがですか?
『BtoB プラットフォー ム TRADE』を利用した施工業者とのやりとりは劇的に効率化しました。工事案件が発生すると、まず施工業者に打診して現地調査、現地説明ののち、見積書を発行してもらいます。『BtoB プラットフォーム TRADE』で発行した発注書は即日先方へ届き、注文請書もすぐに返ってきます。郵送だと注文請書が戻ってくるだけでも1週間から10日はかかっていましたが、今は早ければ翌日に届き、承認にまわっています。今どういう状況にあるのか、画面を見るとひと目でわかるので、利用を増やしたいと業者にどんどんお声がけしています。月末締めなどの忙しい時以外は、週に何度か、1時間程度のオンライン説明会も開催しています。まずは使っていただきたいですね。
まだすべてをデジタル化できたわけではありませんが、紙のやりとりは最初の見積書くらいなので、保存書類の量は格段に減りました。これまで分厚いファイルで年間3冊分あった紙の束がほぼ半分になり、検索性も高まって業務効率も向上しています。
取引先はどのような反応でしょうか。
収入印紙代の負担がなくなっていますし、経理業務も楽になったと好評です。郵送だと、届いた発注書を確認して、請書に印紙を貼って社印を押印して弊社に送り返し、月末になったら発注書や納品書の控えを確認しながら請求書を作成して印刷してと、手間ですよね。ですから、事務所にいないことが多い現場担当者任せではなく、経理担当者が積極的に利用している取引先ほど、スピード感に圧倒的な差が出ています。
業界全体で高まるデジタル化の機運を牽引する未来へ
今後の展望をお聞かせください。
先ほども申し上げましたが、業界全体のDX推進は国を挙げた流れとなっています。また、トライアルグループとしても、データと IoT を駆使した最先端技術で、流通・小売でリテール DXの実現を目指しています。その根底にあるのは、より豊かな社会をつくり、お客様の役に立ちたいという強い思いです。
グループが「小売と IT の融合」を模索しつづけてきた知見を活かしながら、我々も建設業界のデジタル化を牽引し、世界を変えていければと考えています。『BtoB プラットフォーム TRADE』活用の輪を今後も広げていきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。