愛知県に本社を置き、東海エリアでマンションや公共施設の大規模修繕工事等を展開する、株式会社マルコオ・ポーロ化工様。インボイス制度対応で請求書業務の見直しを進め、発注から請求書の受取まで一括管理できる『BtoBプラットフォーム TRADE』を導入しました。試験稼働を経て本格的にデジタル化が進み、属人化からの脱却と業務フローの可視化に期待が高まります。
ココがPOINT !
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入力業務がなくなり、業務進捗の可視化も進む
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Web上で完結する承認フローで待ちの時間を削減
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協力会社に負担をかけず書類のデジタル化を実現
業務デジタル化のきっかけはインボイス制度への対応
事業概要と、それぞれの部署での業務内容を教えてください。

専務取締役 兼 名古屋支店長:
愛知県豊田市に本社を、名古屋市に支店を置き、東海エリアのマンションや公共施設の大規模修繕工事や改修工事を展開しています。1975年に現社長の黒田が「まるこお塗装商事」として創業し、のちにイタリア建材の輸入・販売をきっかけに、冒険家マルコ・ポーロにちなんだ社名に変更しました。2021年からは、静岡を拠点にエネルギー関連事業等を展開するTOKAIグループの一員となりました。私は名古屋支店の統括とあわせ、顧客様に満足して頂きたく付加価値の付いた営業活動を日々行っています。
取引先は主要建設会社や主要マンション管理会社、また各市町村など民間から官公庁まで、幅広くおつきあいがあります。工事も数万円の小規模から大規模修繕のような数億円単位のものまでさまざまです。案件の数は年間300件ほどで、会社の事業拡大につれ案件の元請比率も高まり、全体で100社近い協力会社様へ工事を発注しています。
工務部部長:
工務部は、工事全般の管理が主な業務です。工程管理や予算管理、安全管理などすべてを担い、加えて協力会社との打合せ等も行うため施工現場にいることが多い部署です。

常務取締役:
私は現場にも出ますし営業も担当する立場ですので、営業担当の役割をお話しますと、担当者は工事を受注すると施工業者へ見積を依頼します。工事の内容や入札の有無等、案件によってその方法は変わります。当社が得意としている工種に関しては、単価を把握しているので、見合った単価で施工可能な業者へ正式な見積依頼をかけ、付帯工事や外構工事など現場の条件で変わるものは図面を提供して現地を業者さんに見てもらった上で見積をお願いすることもあります。見積は電話やメールでの依頼がほとんどです。見積を元に工務部の現場担当者が実行予算をエクセルで作成して印刷し、上長、営業担当、社長の承認・押印を経て最終的に経理に届きます。

総務部 経理課 課長(以下、経理課長):
私は経理業務全般と、注文書の発行を担当しています。工務部より提出される実行予算を元に原価管理ソフトへの反映・実績更新を行っています。
社内承認を経た実行予算を原価管理ソフトへ手作業で入力、施工業者へ注文書・請書・請求書を作成し、注文書・請書を郵送、請求書の配信を行っています。全ての社内承認が完了し注文書が発行できるまで最短で1週間程度時間を要し、申請書類の紛失等の問題も発生しておりました。注文書がなければ施工業者は請求書を発行できません。注文書発行の遅れが原因で請求締め日に間に合わなくなるケースも散発しておりました。また、施工業者との注文書・請書の郵送にも日数を要し、行政へ提出する際に請書の返却がされていないといった事態も発生していました。
工事に関わる請求書は月次で受け取っており、平均すると月60件ほどのやりとりが発生しています。請求書はPDFでメールに添付してもらったものをサーバーにおいて各担当者が印刷・確認し、実行予算と同様の承認ルートで経理に届きます。毎月第5営業日までに決算をまとめる必要がありますが、承認作業が停滞していると、どの承認者の手元にあるかわからず、数字の掌握に支障をきたしておりました。
それらの課題を解決するために『BtoB プラットフォーム TRADE』を導入されたのでしょうか。
経理課長:
発端はインボイス制度への対応です。これまで請求書はエクセルで業者コードを割り振って管理していましたが、制度改正では適格請求書発行事業者の登録番号の入力・確認が必要になります。請求書自体、インボイス制度に対応したフォーマットへ変更しなければならないなら、システムそのものを変えたほうがいいと2020年の1月くらいから検討をはじめました。『BtoB プラットフォーム 請求書』は、お客様から「これで発行してください」と依頼されたことがあり知っていました。
加えて、同じ頃TOKAIグループの傘下になったことで、施工業者との取引基本契約書の締結と保管に、より厳密さを求められるようになりました。書面交付では限界があると考え情報収集していたところ、同じシリーズで電子契約書システム『BtoB プラットフォーム 契約書』があるとわかり、話を伺おうとなったのです。その際に見積から発注、支払まで一括管理できる『BtoB プラットフォーム TRADE』が新サービスとしてリリースされると提案いただいたという経緯です。
SDGsの観点からもペーパーレス化は進めたいですし、工数削減になるだろうと期待が持てました。それに、注文書発行業務は私だけが担当していたので、システム化で属人化の脱却が図れるのではと考えました。場所を選ばず働ける、在宅勤務可能な会社作りにもつながります。
常務取締役:
検討にあたっては同様のサービスも探してみましたが、やはり協力会社の利用があるものがスムーズに浸透するのではと思いました。また、先方のご負担にならないものであることも大事で、専用ソフトなどを必要とせず、無料でご利用いただける点はポイントでした。実際に基本契約締結のために、『BtoB プラットフォーム 契約書』のご案内をするとすでにIDをお持ちの取引先も多く、みなさん使っているんだなと感じました。そこで、弊社協力業者会『緑栄会』の役員を中心にご協力いただき試験的に『BtoB プラットフォーム TRADE』を導入してみることにしたのです。
試験稼働に手応え。本格始動に高まる期待
導入により、業務に変化はありましたか?

工務部担当者:
私は新任で書面のやりとりを経験しないまま、『BtoB プラットフォームTRADE』を使うことになりました。現在15社ほどの施工業者とやりとりしています。最初は双方とまどいがありましたが、すべて移行したらどちらもすごく楽になるんだろうなと思います。今はまだ書面も混在していますが、電子に切り替えることで施工業者が請書へ貼付する収入印紙も不要になりますので先方の負担も減らせると考えています。
工務部部長:
ワークフロー機能を使って承認するようになったため、紙が不要で移動中などでも確認できるようになりました。書類が今どこでどういう状態にあるか可視化された点はいいなと思います。
経理課長:
これまで使っていた原価管理システムに『BtoB プラットフォーム TRADE』を連携させ、注文書のデータを自動で取り込めるようになりました。また支払金額の入力を現在、原価管理システムと会計システムそれぞれに入力していますが、今後『BtoB プラットフォーム 請求書』の連携でその入力も不要となります。私以外でも受け取れるようにしておけば属人化からの脱却もはかれると期待しています。
建築DXの推進力のひとつに『BtoBプラットフォーム TRADE』を
今後の展望をお聞かせください。
常務取締役:
建設DXは進められていますが、建設工事はまだアナログな部分が多い領域です。10年前主流だったFAXから、現在はメールへと移行しつつありますが、ペーパーレス化にはまだ課題もあります。建設業は現場事務所がオフィスの機能をもつ部分もあり、実際の本社事務所とのやりとりをいかにスムーズにできるかが重要です。労働人口の減少で働き方も効率化させ、少しでも移動時間によるロスのない方法を見出していかないと次の世代へつながりません。そのためにDX、デジタル化はどうしても進めていかねばならないと考えています。『BtoB プラットフォーム TRADE』の導入をきっかけのひとつとし、デジタル化の普及を推進していきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。