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創業110年超、地域密着の老舗ゼネコン企業がDXへ着手。働き方改革関連法にも対応しうる業務改革が始まります。

小牧建設|創業110年超、地域密着の老舗ゼネコン企業がDXへ着手- BtoBプラットフォーム TRADE

創業が明治末期に遡る、鹿児島県の老舗ゼネコン企業、小牧建設株式会社様。20年以上前からITツールを積極的に活用していましたが、施工業者と多く書類をやりとりする発注や請求書の受取は書面の郵送のままでした。利用中の基幹システムと連携でき、見積から請求書処理まで一元管理可能な『BtoBプラットフォーム TRADE』の導入で、建設DXへ本格的な一歩を踏み出します。

ココがPOINT!

  • 1

    導入済の基幹システム「ガリバー」とスムーズにAPI連携

  • 2

    月30件の発注業務と200通の請求書受領をデジタル化

  • 3

    発注~支払のデータによるシームレスな一元管理が可能

積極的にデジタルを取り入れる老舗企業で、ネックとなっていた見積・発注業務

創業から110年超と、長い歴史をお持ちですね。

専務取締役  川上洋昭 氏
専務取締役  川上洋昭 氏

専務取締役 川上洋昭 氏(以下、川上専務):

創業は1909(明治42)年、今年で114年を迎えています。郷土誌には、創業者の祖父が江戸時代末期に石工棟梁として甲突川五橋や川内川改修に関わった記録が残っています。正確に調べたわけではありませんが、県内の建設業としては最も古いのではないでしょうか。

本社は鹿児島市内に、その他に福岡と鹿児島各所にあわせて6カ所の営業所と出張所を配置しています。長い歴史で培った信頼関係で、官公庁の公共工事、民間でも九州電力株式会社や九州旅客鉄道株式会社といった地域のインフラ企業と昔からの取引が続いています。事業展開は県内が中心ですが、2016年に発生した熊本地震の際は、国の要請を請けて重機や作業員、社員を派遣して復興支援にあたりました。

従業員の約8割は建築・土木の技術者で、圧倒的に男性が多い業界ではありますが、近年は女性技術者も積極的に登用しています。建築部門に一級建築士、土木部門でも一級土木施工管理技士の女性がそれぞれ活躍中です。

また最近、建設業界で注目されている「建設ディレクター※」という新職域があります。これまで技術者が現場で行っていた多岐にわたる書類業務をワークシェアし、現場とオフィスをつなぐ専門的な職種で、現場の業務効率化や女性活躍の創出が期待されています。当社もこの建設ディレクター制度を取り入れ、各部署にICT業務を任せる人員の配置を試みているところです。

※「建設ディレクター」は、一般社団法人建設ディレクター協会の登録商標です。

建設DXは国も推進していますが、御社が業務デジタル化へ取り組みはじめたのはいつからですか?

執行役員 兼 経営管理本部 経営管理部長 脇園幸一郎 氏
執行役員 兼 経営管理本部
経営管理部長 脇園幸一郎 氏

執行役員 兼 経営管理本部 経営管理部長 脇園幸一郎 氏(以下、脇園執行役員):

実は、社内へグループウェアや電子掲示板を導入したのはかなり早い方で、もう20年以上利用しています。ただ、完璧な運用だったわけではなく、社内申請にワークフローを活用するようになったのは7年ぐらい前からです。

書面でのやりとりはコピーの枚数も増えますので、経営方針として積極的にペーパーレス化を進めてきた背景があります。近年は従業員にタブレットを貸与して、出先でも承認が可能な体制にしています。

労働人口の減少等で業界の人材不足が常態化している中、働き方改革関連法の改正で2024年4月以降は時間外労働時間に罰則付きで上限が設けられます。業務効率化、作業時間短縮は当社だけにとどまらない、業界全体の課題です。

ただ、社内のデジタル化を進めても、工事を発注する協力会社とのやりとりは紙ベースで、かつ多岐にわたる取引は書類の枚数も多く、ずっとネックになっていました。今回、見積から発注、請求書業務まで一気通貫に管理できる『BtoB プラットフォーム TRADE』の導入で、業務デジタル化が大きく進むものと期待しています。

月30件の発注業務と取引業者から届く200通あまりの請求書処理のデジタル化を目指す

『BtoB プラットフォーム TRADE』の導入前には、どのような課題があったのでしょうか。

経営管理本部 経理課長 玉利洋行 氏
経営管理本部 経理課長
玉利洋行 氏

経営管理本部 経理課長 玉利洋行 氏(以下、経理課長):

協力会社は土木・建築に関わる専門業者ですので、非常に細かく業種が分かれます。建築だけでも基礎工事から仕上まで付随する工事も含め24業種、土木は業種は少ないですが、取引のある企業数は全体で400社近く、工事の発注件数は月に30件近く発生してしています。また、請求書については工事関連だけでも月に200通あまり届きます。これまでそのやりとりは紙ベースでした。

施工業者への見積依頼は、建築や土木などの各部署が電話等で行っていました。受領した見積に基づき各部署がエクセルで作成した実行予算を、管理部で基幹システム『ガリバー NEXT』(あさかわシステムズ株式会社)に、決裁書類を見ながら手入力して注文書と注文請書を作成し、郵送で施工業者宛てに送っていました。

建築部 発注業務担当 濵崎里咲 氏
建築部 発注業務担当
濵崎里咲 氏

建築部 発注業務担当 濵崎里咲 氏(以下、発注業務担当):

注文書の作成・郵送自体は1件あたりさほど時間はかかりませんが、それでも件数が多いとやはり手をとられてしまいます。でも大事な書類なので紙でやりとりするのが当然なのだと思っていました。

それが『BtoBプラットフォーム TRADE』でデジタルデータのやりとりになると聞き、むしろ紛失などのリスクもなくなるし、紙じゃなくてもよいのかもしれないと感じました。それに、社内の承認フローも、ワークフロー機能を利用するため、1日中には終わりますし、今どこでどんな状態なのか可視化されるのも良いですね。

経営管理本部 経理係長 窪田嘉代子 氏
経営管理本部 経理係長
窪田嘉代子 氏

経営管理本部 経理係長 窪田嘉代子 氏(以下、経理係長):

工事が終わったら請求書が届きますが、その請求書は当社のホームページからエクセルのひな型をダウンロードしていただくか、紙の場合はご購入いただいていました。また、先方が指定するフォーマットの場合もあります。

請求書は現場に直接届くものと、管理部に届くものとあるため、本社に届いたものは一度スキャンしてメールで現場担当者に送っていました。現場では、それを印刷して1カ月分まとめて処理し本社に持ってきて、こちらで課長、部長、常務、専務と回覧・承認した上で『ガリバー NEXT』に手入力して支払処理をする流れです。

件数が多くて忙しい現場では、内容確認にも時間がかかるため本社に届くのが月初から10日過ぎになることもあり、そこから承認に数日かかるため時間がない時は先に入力を済ませて、承認の際に訂正があった場合はあとで修正する時もありました。

経理課長:

業務デジタル化の目的は手入力などをなくし作業時間を短縮することでしたが、見積から発注、請求処理まですべてをデータ化したいという希望に合うシステムは『BtoB プラットフォーム TRADE』以外ありませんでした。それに、私たちが利用している建設業向けの基幹システム『ガリバー NEXT』とスムーズに連携できることが重要で、『BtoBプラットフォーム TRADE』はAPIによる連携ができ、すでに実績もあったのが大きな決め手となりました。

当初の狙いであった作業負担軽減や、郵送業務のコスト減はもちろん、データをシームレスに引き継ぐので入力ミスもなく、修正も履歴が残るのもメリットですね。

発注業務担当:

本格的な運用はこれからですが、今後は『BtoB プラットフォーム』シリーズでのやりとりをお願いしますと協力会社さんにお願いしたところ、何社か「実はもう使っています」と早速『BtoB プラットフォーム』で請求書データを送ってこられました(笑)。まだ運用前だったので印刷して処理しましたが、利用企業の多さと、使っている人はすぐにでも移行したいほど便利に感じているのだなと驚きました。

今まで、郵送での注文書などのやり取りに時間を費やしていましたが、『BtoB プラットフォーム』に慣れたらその時間が削減できるので他の事務作業にあてられたらいいなと思っています。

 

建設DXへの足掛かりとなる業務デジタル化の本格始動

今後の展望をお聞かせください。

現場ごとにまとめて保管している書類
現場ごとにまとめて保管している書類

経理係長:

帳票類の整理が楽になりそうなのがとても嬉しいです。保管に場所も取りますし、過去の帳票が必要になって埃まみれになってひっくり返しながら探すこともあるので、それが簡単に検索できれば楽だなと思います。現場別に請求書を全部保管していて、1つの現場でものすごい厚さの帳票類になります。日々の伝票はともかく、1期ごとに完成した工図を1つにまとめてファイリングするのが結構大変なんです。

これからは税務調査で「ここ見せてください」って言われても探しに行く手間もなく、『BtoB プラットフォーム』の画面を開いて「どうぞ」ってお見せできるのが楽しみです。

脇園執行役員:

『BtoB プラットフォーム TRADE』の導入にあたって電子契約書システム『BtoB プラットフォーム 契約書』もあわせて利用しています。せっかくですから、今後は得意先企業との契約締結も電子契約にしていけたらと思っています。各部署で説明会を開いて、理解を深めていきたいです。

川上専務:

2024年4月の働き方改革関連法の改正を前に、ワークライフバランス重視の多様性のある働き方を展開していけるよう、経費精算や勤怠管理のシステム化なども検討しています。

今回の『BtoB プラットフォーム』シリーズ導入により、ひととおりの業務デジタル化と組織改革の仕上げを目指していきたいです。導入検討のきっかけであった従業員の残業削減に加えて、デジタル化によるデータの一元管理の実現を期待しているところです。

※掲載内容は取材当時のものです。

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