1957年に創業し、全国に312店舗(2023年10月現在)のパチンコホールを展開する株式会社マルハン様。アミューズメント、ゴルフ事業などレジャー関連事業も運営しており、受領する請求書は毎月膨大な数です。また、昔ながらの業務フローが残る発行業務にも課題がありました。請求も支払も電子請求書システムによるデジタル化で業務改善が実現、業務時間を大きく削減しました。
ココがPOINT!
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1
受け取った紙の請求書の保管負担と紛失リスクを低減
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2
1件あたり15分の発行業務が2分に短縮
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3
請求の見える化で、内部統制も強化
課題は膨大な紙の請求書の保管と、手書きによる請求書の発行
事業内容と、所属されている部署の業務についてお聞かせください。

経理部 経理二課 チーフ(以下、経理二課チーフ):
パチンコホールの運営をしており、2023年10月現在、全国に312店舗を展開しています。よりスピーディーな事業経営、意思決定をするべく、2021年4月からは組織体制に社内カンパニー制を導入しました。「北日本カンパニー」、「東日本カンパニー」、「西日本カンパニー」と、金融サービスを担う「金融カンパニー」、本社管理部門の一部機能を担当する「グループユニット」という5つの組織です。
経理部は子会社の管理をメインに行う経理一課と、私が在籍するマルハン単体の決算が中心の経理二課にわかれています。

経営企画部 情報システム課 チーフ(以下、システム課チーフ):
情報システム課では、店舗へのネットワークシステムの導入から各店舗のインフラの手配やパソコンの導入など、幅広い業務を担当しています。パチンコホールの運営は、通信ネットワークが重要です。店舗のコンピューターを経由して、売上などを毎日集計し、経理が売上を確認した上で、経営陣に毎日、売上の日計表を報告しています。
請求書の受取業務において、以前はどのような課題があったのでしょうか。
経理二課チーフ:
最も大きな課題は、膨大な件数の請求書類の保管コストでした。弊社では支払い方法が2種類あります。一定の契約に基づいた経費支払いと、都度見積りをいただき発注する購買発注への支払いです。いずれも各部門担当者および発注者本人が弊社独自のワークフローシステム(以下、WFシステム)を通じて申請します。
経費支払いは主に保守費やメンテナンス費などで、月末から月初にかけて届く請求書を月初3営業日までにWFシステムに入力する流れです。入力の際には、紙やPDFで届く請求書を添付します。PDFはそのまま添付できますが、紙の場合は各店舗や部署でスキャンしていました。もう一方の購買発注は、店舗での広告やチラシの印刷、修繕や細かな設備など都度必要なもので、年間20万件ほど発生しています。WFシステムへの入力は、取引先から受領した見積りを元に各店舗・部署が行っており、請求書はすべて本社経理部へ直接届きます。
各店舗や部署に届く経費支払いの請求書も本部へ届く購買発注の請求書も、紙の原本は保管を義務づけている法令に則って、段ボール箱に入れて倉庫へ送っていました。
請求書の発行業務では、どのような課題があったのでしょうか。
経理二課チーフ:
請求書の発行は、グループ間への出向労務費請求、また一部テナント様の賃料や光熱費などです。件数自体は多くないために業務フローが昔のままで、決して効率的とはいえず気になっていました。
同じ本社ビル内ではあるものの、請求書を発行する本社間接部門の担当者が別の階から経理部まで、複写式の請求書の綴りを取りにきていたんです。上長の押印が必要なため一旦部署に持ち帰り、手書きで記入・押印の上、複写部分を切り取り、控えを残した請求書の綴りを経理に返却、という流れです。請求書を発行したら、「入金連絡表」という別の書式を経理部に提出します。件数は少ないとはいえ発行の都度必要ですし、担当者は面倒だったと思います。
高い導入実績が決め手に。発行業務は86%の時間削減を実現
2021年8月に『BtoB プラットフォーム 請求書』を導入された経緯を教えてください。
経理二課チーフ:
まず、コロナ禍におけるテレワークでは紙の請求書の運用に限界があり、出社しなくても請求書発行ができる仕組みが必要でした。
システム課チーフ:
『BtoBプラットフォーム 請求書』の、国内シェアナンバーワンという高い導入実績は、選ぶ上で大きな理由になりました。弊社でデジタル化した際も、多くの取引先様で受け入れてもらえそうだと思えたからです。実際、マルハングループ内でもゴルフ場運営会社の株式会社太平洋クラブがすでに『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入しておりました。
また、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も『BtoBプラットフォーム 請求書』で解決できます。従来のように請求書の発行を手書きのまま続けるのは担当者の負担増が予想され、さすがに無理ではないかと感じていました。
導入後には、受取と発行でそれぞれどのような効果を感じていますか?
経理二課チーフ:
受取については、まだ一部での利用ではありますが紙の請求書の保管の負担および紛失リスクの低減です。
システム課チーフ:
大きな効果を感じているのは、発行部分です。これまで1通の請求書を発行するのに、各部署と経理部を行き来して、手書きをした上で上長の押印をもらっていた一連の作業がすべてなくなりました。1件処理するのにも15分から10分はかかっていたのが、2分程度で終わります。
懸念していたインボイス制度と電子帳簿保存法についても、『BtoB プラットフォーム 請求書』で対応できています。
請求書の発行業務が圧倒的に早くなり、試算ではその削減効果はおよそ86%です。また、発行実績が履歴として確実に残り、いつでも閲覧できるのが電子請求書の利点です。内部統制という観点でも導入して良かったと思います。
導入は心理的な抵抗感をやわらげながら。業務負荷を減らし内部統制強化にもつなげたい
今後のデジタル化など、展望についてお聞かせください。
システム課チーフ:
デジタル化を含めたDX推進の一方で、長年馴染んだプロセスを変える心理的な抵抗感があるのもわかります。実際に、『BtoB プラットフォーム 請求書』導入にあたって、「手書きのままでもいい」という声は社内にありました。しかし、デジタル化に慣れると「やっぱり発行が楽になって良かった」との声が増えていますから、導入にあたっては、不安な気持ちによりそい、いかに心理的負荷をなくしていくかも大事だと感じています。
できる限り人手を介さない処理を進めれば業務負荷は減り、さらに正しい処理が進んでミスも減る、内部統制の強化にもつながる理想的な状態になると思います。
※掲載内容は取材当時のものです。