1957年創業、建築施工に強みを持つ扶桑建設株式会社様。紙のやりとりの多い建設業界にあって、協力会社から届く書類の手入力処理も多く、月末に処理が集中していました。効率化と法対応のために、『BtoBプラットフォーム 請求書』と『BtoBプラットフォーム TRADE』を導入し、見積から受発注、請求までをデジタル化。紙の書類はほぼゼロに、協力会社のデジタル化にもつながっています。
ココがPOINT!
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協力会社から届く請求書の99%デジタル化を実現
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見積~受発注業務もデジタル化し、月末業務を分散化
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紙で届く書類もデータ化し、紙の処理はほぼゼロに
工務店とのやり取りのデジタル化に課題
事業内容について教えてください。

代表取締役社長 今 氏(以下、今社長):
1957年に創業した建設会社で、不動産事業などは行わず、建築施工一筋で事業を続けてきました。個人や企業など多くのお客様の中でも、スーパーゼネコンをはじめとする主要顧客4社が事業の柱です。また、本社所在地である豊島区および新橋支店を置く港区においては、地域貢献として、同エリアの学校の工事に積極的に携わっています。
なお、創業翌年には当社の施工を担う協力会社組織・桑和会が発足し、49社(2024年12月現在)が当社とともに事業を推進しています。
2022年に請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入されています。導入の経緯について教えてください。
今社長:
毎月協力会社から送られてくる200から300通もの紙の請求書が、経理処理をする総務部のデスクに山積みされていました。当時は、不便に思いながらも「請求業務はそういうもの」と思っていましたが、今振り返ると請求業務の一連の流れも効率的ではありませんでした。

総務部 担当者(以下、総務担当):
請求書は毎月5日を締め日として、紙かエクセルで用意していた当社指定の書式で協力会社が作成して、各現場の当社担当者へ郵送されます。現場で確認後、本社へ送られてくるまでに締め日から15日ほどかかっていたため、月末に業務が集中していました。
今社長:
さまざまな業務がデジタル化していく世間の風潮は知りながらも、建設業界全体の遅れを逃げ口上にして、当社のデジタル化を先送りしていたんです。ですが、電子帳簿保存法(電帳法)の改正やインボイス制度のスタートで、法律に則ったやり方に変える必要が出てきました。
まずは紙ではなくPDFにしてメールで送ってもらうようにできないかと、会計事務所へ相談したところ「便利なサービスがたくさんありますよ」と、コンサルタントを紹介されました。これはのちに、『BtoBプラットフォーム 請求書』導入のサポートまでお願いする出会いでした。
話を聞くうちに、当社も見積から受発注まで、あらゆる業務をデジタル化していこう、請求書はその皮切りだとの決断に至ったのです。
インフォマートのサービスを選んだ理由についてお聞かせください。
今社長:
選定の理由はいくつかあります。まず、インフォマート社のサービスが大きなシェアを占めていたことがあります。さらに先々のデジタル化を視野に入れたときに、見積から受発注、請求書まで一気通貫で利用できるシステムであること。出来高報告の請求など、建設業界特有の商取引も配慮された作りだということも大きなポイントでした。
導入における課題と導入後の効果はいかがでしょうか。
今社長:
協力会社でもデジタル化が進んでいる会社もあれば、パソコンになじみのない会社もあります。少人数の工務店は、現場で合間を見て請求書を手書きして、近くにある郵便局から送ったり、現場で当社の担当者へ手渡したりと、何十年もアナログです。いきなり「パソコンの前に座って作業してください」といっても難しい。そこはかなり高い壁だと感じていました。
総務担当:
協力会社には操作マニュアルを作成して郵送しましたが、パソコンに不慣れな方にとってはマニュアルがまず難しいんです。導入から半年間は、パソコンの電源の入れ方など基本的な手順からサポートし、毎日電話でお問い合わせに対応していました。また、現場担当者など社内からも問い合わせがありました。そうした質問にしっかりと答えていくうち、半年もすると、ピタッと問い合わせが収まったのです。
協力会社のご担当者も操作に慣れ、現在では受け取る請求書の99%がデジタル化しています。残り1%は、ご担当者にパソコンでの作業を無理にお願いすることなく、従来通り紙で郵送いただいています。
都度の処理で月末の残業から解放
翌年には『BtoBプラットフォーム TRADE』を導入されています。
今社長:
協力会社のデジタル化への理解が深まるのを待つだけでなく、当社からも働きかけることも必要だと判断して、当初のスケジュール通り、請求書の翌年に見積から受発注までをデジタル化するために、『BtoBプラットフォーム TRADE』を導入しました。
先に『BtoBプラットフォーム 請求書』の導入でパソコン作業に慣れていたこともあってか、以前のように毎日お問い合わせが殺到する状態にはならず、マニュアルを見ながら操作を進めていただけたのは良かったです。
『BtoBプラットフォーム TRADE』導入前の課題について教えてください。
今社長:
まず見積から発注までの一般的な流れですが、当社が顧客から依頼を受けた後、協力会社とともに現場を調査した上で見積書の作成を依頼します。1週間ほどで見積書が協力会社からFAXかメールで届き、各現場担当者が内容を確認した後、本社へ送ります。その間、顧客から依頼内容の変更もしばしばありますので、都度、見積は修正が発生します。
本社で見積内容を確認して、正式に発注となります。月毎の件数は200件程度ですが、廃棄となった見積書を含めると300件ほどとなります。
その後、協力会社から発注請書を送ってもらいますが、少人数の会社では事務作業をする担当者がいない場合も多く、書類作業をまとめて行うこともしばしばです。そのため、発注請書が請求書などとまとめて郵送されるケースも多く、業務が月末に集中することにつながっていました。
導入にあたり苦労されたことはありますか。
総務担当:
協力会社からは、「現場での仕事が終わった後で、操作に慣れたとはいえパソコンに向かって見積書や発注請書を作成するのは面倒」、という声もありました。その際には、デジタル化すれば、発注請書の収入印紙が不要になりますし、わざわざ郵便局へ収入印紙を買いに行く手間も省けますとお話しして、理解を得るようにしました。案外、この話をすると「そうなの!」と納得してくださるケースも多かったです。
導入によって業務にはどのような変化がありましたか。
総務担当:
以前は月末に発注請書と請求書をまとめて処理することが多かったため、残業も当たり前の状況でした。今は送られてきた都度、手の空いた10分15分といったスキマ時間を利用して処理できています。月末の残業もなくなりました。毎月、あれだけ大量に山積みされていた紙の書類がなくなったことは、心理的なストレスの軽減にもなっています。
また、『BtoBプラットフォーム』と基幹システムをデータ連携しているので、以前は請求書を受け取った際に必要だった基幹システムへの手入力が不要になり、CSVデータで処理しています。
加えて、『BtoBプラットフォーム 請求書』導入後も紙で送られてくる請求書をデータ化するために、AI-OCRサービスの『BP Storage for 請求書』と、電帳法に則った文書管理ができる『BP Storage』も導入し、紙の処理はほぼゼロになりました。
業界全体で進むデジタル化の波に乗る
インフォマートのサービスを導入いただいた感想をお聞かせください。
今社長:
当社の業務が改善されたことは、大きなメリットです。それだけでなく、協力会社の各社がデジタル化に接した点も大きな変化です。パソコンの前に座ることすら大きな障壁でしたが、今では操作にも慣れ、使いこなしています。
今後、建設業界でも大手をはじめどんどんデジタル化が進むはずです。その際、デジタル化に対応できない会社は残念ながら置いて行かれてしまう可能性もあります。当社とともに事業を行ってくれる協力会社は、デジタル化への一歩を進めることができました。今後、当社以外のクライアントのデジタル化の要望にも応えていけるということは、とても大切なことです。
今後の展望について教えてください。
今社長:
まずは『BtoBプラットフォーム 請求書』と『BP Storage for 請求書』をさらに使いこなす必要があります。いろいろな機能がありますから、業務に応じてうまく使えるようにしたいですね。
一方でデジタル化の課題として、紙では気づけていた見積内容や請求内容の誤りが、デジタル化による流れ作業のなか見落としてしまうのではと懸念しています。どのように担保していくかは、業界全体で考えていかなればいけないと感じています。
当社でのバックオフィス部門のデジタル化はひと通り終わりましたので、今後は建設現場でのデジタル化を進めていきたいと考えています。さまざまなツールを見極めより良いものを使っていきたいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。