毎月の請求・納品書照合、棚卸、原価計算を簡略化。
洋菓子の品質を高め、若手育成の環境を整えます。

洋菓子の世界大会クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2025で、日本代表チームが世界一に輝きました。チームリーダーとして活躍したのが、三重県湯の山温泉のリゾート施設アクアイグニスで洋菓子の統括責任者を務める籏 雅典シェフ。
店舗営業と大会両立のため、『BtoBプラットフォーム 受発注』などITを使って仕入れや棚卸、原価計算などの事務作業を削減し、クリエイティブな仕事にかける時間を捻出しました。
ココがPOINT!
- 1毎月の請求書・納品書突き合わせ作業が3時間から10分に短縮
- 2仕入品の発注履歴、納期が誰でも確認でき、属人化が解消
- 3棚卸機能で毎月の棚卸作業と原価計算が省力化
洋菓子界世界一の勝因
― 優勝につながった決め手は何でしょうか?
コンフィチュール アッシュ 統括責任者 籏 雅典 氏(以下同):どうでしょう。ひとつ言えるのは、今回の構成メンバーは選手3名と団長、サポートスタッフの5名。チーム内でアイデアを出し合い、支え合いながら、大会までの2年間を皆が全力で走り抜けました。このチームワークがあったからこそ、今回の結果につながったと思います。
今大会の総合テーマは「国家遺産」。自国の文化や歴史を7分間のショー形式で表現する部門が新たに設けられました。創作面だけでなく、観客も巻き込んだエンターテインメント性も求められるようになっていて、時代の変化を感じたところです。
そのなかで、私たちが意識したのは、日本らしさをどう表現するか。作品では、チョコレート細工で提灯や鳥居、太鼓といった和のモチーフを立体的に造りました。回転やライトアップの演出で光と影のコントラストを生み出し、コンセプトを「Land of the Rising Sun(日出ずる国)」として演出しました。
ショーのパートでは、太鼓のパフォーマンスや握り寿司、忍術、人気アニメの麦わら帽子を被る演出なども取り入れ、外国人向けに分かりやすく日本らしさを打ち出しました。作品とパフォーマンスの両面から、世界に伝わる日本をうまく表現できたことが、評価につながったと思います。
©Nicolas Reynaud
©Studio Julien Bouvier Coupe du Monde de la Pâtisserie 2025
©Studio Julien Bouvier Coupe du Monde de la Pâtisserie 2025
― どんな苦労があったのでしょう。
2年前の前回大会が終わったあと、今大会に向けてすぐに動き始めました。日々の店舗の営業もあるため時間が足りず、睡眠時間を削って制作に打ち込む日々。睡眠と食事以外は、ほぼ無休で仕事と大会準備に向き合っていました。
時間を作れた理由のひとつに、ITがあります。ビジネスチャットツールで情報共有し、自社の商品管理システムと連携させ、新商品などの情報が自動でチャットに届く仕組みを構築したことで、従業員同士の情報共有のスピードが格段に上がりました。
また、日々の業務が煩雑になりがちな発注、棚卸、原価管理などでは、インフォマートの受発注システム『BtoBプラットフォーム 受発注』が助けになっています。
本来業務でない事務作業を簡略化・時短化する仕組みは、本当に必要だと実感しています。頭を休めて、よりクリエイティブなことに集中できるし、結果的に仕事の質も上がります。
コンフィチュール アッシュ
統括責任者 籏 雅典 氏
発注・棚卸・原価管理のIT化で、クリエイティブな仕事に注力
― 仕入れの業務では、どのような課題がありましたか?
受発注システムを使う以前は、発注はすべてFAX、商品管理はエクセルでやっていました。毎月シートを更新し、新しい行を追加して、とにかく手作業が多くて大変でした。この材料は今も使っているのか?といった確認も都度発生し、公休中のスタッフに「この仕入れ、いつ届く?」「発注は済んだ?」など、いちいち連絡しなければならないことも多く、大きなストレスになっていました。
特に大変だったのが、月末の請求書と納品書の突き合わせ作業です。仕入れ先は50社ほど、毎月の発注金額は数百万円にのぼり、量がとにかく多いのです。そのすべてをエクセルで1行ずつ確認していく作業は、目が回るほど大変でした。作業は眠くなるし、次第にエクセルを開くのすら嫌になってきます。あれはもう、人間がやる仕事ではありません。
また、製菓業界では、包材、箱、シールといった資材の発注形態が複雑です。たとえば、包装紙10枚×100セットの束が1箱20束入りなど、ややこしいロットが多く、ルールを覚えないと発注ができない。これが謎のノウハウとして属人化し、若手は覚えなきゃ仕事を任されない。覚えたところで褒められないけど、間違えれば怒られる。そして、そのノウハウを知る人が、なぜか店の中では偉くなる。そんな妙な構図もありました。
こうした無意味な業務や属人化した運営方法をなんとか解消し、全体の仕事の質の向上につなげたいと常々思っていました。いまの時代、働く時間が他社と比較され、プライベートの時間が大事にされます。一刻も早く着手すべきと感じて、以前から知っていたインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入したのです。
― 導入後の変化や効果について教えてください。
まず、発注の手間が劇的に減りました。スマホから発注できることが、仕事全体の時短につながっています。また、FAXと違って納期や発注履歴が画面上で誰でも分かるので、誰がいつ何を頼んだのかといった確認のやりとりが一切不要になりました。さらに、発注方法を全社共通にしたことで、事務所や各現場で個別に仕入れていたものを共同購入できるようになりました。
月締めの請求書・納品書作業も格段に減りました。システム上で請求書と納品書の金額を自動照合できるので、間違いがありません。以前は毎月3時間ほどかかっていた照合作業が、いまでは10分程度です。これは導入効果のなかでも特に大きいと感じています。
さらに、以前は50社近くに毎週3回程度FAX発注していたので、注文書だけで週に100枚近くになることもありました。今では10分の1程度です。紙の削減効果も大きいです。
― そのほかに便利さを感じる機能はありますか?
棚卸機能は、月1回の棚卸を円滑にしてくれるだけでなく、原価を把握するためのツールとしても重宝しています。特に、今はあらゆる原材料の単価が頻繁に変わる状況なので、メリットを強く感じます。もし、エクセル管理のままだったら、更新漏れで古い情報のまま業務が進んでしまう。想像するとゾッとします。
原材料のリアルタイムの原価がワンクリックで把握できるので、常に最新の情報をスタッフ全員が把握できます。その結果、分業できる協力体制が整い、有給休暇の消化も進みました。何より、みんなに仕入れや金額の責任感が生まれています。
ITを土台に、次世代が主役になる時代へ
― 今後、注力したいことは何でしょうか?
今の時代、ただ商品を並べておけば売れる時代ではありません。お客様に商品の魅力をどう見せるか、どんな体験を提供できるか、どうお楽しみいただくか。そういった技術以外の付加価値が求められていることは、大会を通じて強く感じました。
発注業務などのシステム化で仕事はどんどん平準化され、その分、専門性を磨いたり、自分の強みを伸ばしたりする時間が増えています。だからこそ、若い世代にはもっと積極的に前に出て、私たちの世代とは違う視点で人を惹きつける新しい価値をつくっていてほしい。これからは彼らが先頭に立って引っ張っていく時代です。
もちろん私も日々勉強し続けますし、店舗を統括する立場として仕事をもっとシンプルに、効率的にしていきたい。そして、若い世代一人ひとりが自分のやりたいことに集中できるような環境を整え、その先に、世界の華やかな舞台で活躍できる人材が育っていけばうれしい。そんな裾野を、これからもっと広げていきたいです。
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BtoBプラットフォーム 受発注
- 受発注・請求書業務を最適化
株式会社アクアイグニス
設立 | : | 2005年9月 |
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代表者 | : | 代表取締役 立花哲也 |
本社所在地 | : | 東京都中央区京橋1-14-9 依田忠ビル7階 |
企業サイト | : | https://aquaignis.jp/ |
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