値上げは最終手段。原価率1%の改善で年間1,200万円の利益を創出。遊彩が選んだ“データを活かす”店舗経営とは

値上げは最終手段。原価率1%の改善で年間1,200万円の利益を創出。遊彩が選んだ“データを活かす”店舗経営とは

遊彩株式会社

業態
焼肉
エリア
北海道
店舗数
5〜19店舗

北海道で焼肉店「GAJA」など13店舗を展開する遊彩株式会社は、食材高騰下でも“日常で通える価格”を守るため、『BtoBプラットフォーム 受発注』による徹底した原価管理に着手しました。

取り組みの核心は、理論原価と実原価のズレの可視化。わずか1%の改善で年間1,200万円もの利益を生み出した同社に、データを武器にした現場改革の全貌を伺いました。

ココがPOINT!

  • 1

    値上げは最終手段。ブランド価値を守るための徹底したデータ活用

  • 2

    理論原価と実原価の“1%のズレ”を可視化し、利益の源泉を発掘

  • 3

    「なぜ棚卸をするのか?」5段階の教育ピラミッドで現場の数字意識を改革

止まらない食材高騰。値上げではなく原価是正を選んだ理由

昨今の食材価格高騰に対し、どのような方針で向き合われましたか?

常務取締役
常務取締役

常務取締役(以下同):

この数年、あらゆる食材の価格が上がり続けています。データを見ても、多くの企業様が売価の引き上げやメニュー構成の見直しで対応されています。

しかし、私たちは、値上げはあくまで最終手段だと捉えています。

食材価格高騰時代における原価管理の実態比較調査:2025年8月インフォマート調査

私たちが守りたかったのは、“日常で通える焼肉店”というGAJAのブランド価値です。お客様にとって手頃にご利用いただける価格を維持するために、まずは自分たちにできる努力、つまり原価のコントロールを徹底することを選びました。具体的には、390円以下の低価格メニューの開発などの努力もしつつ、裏側ではデータに基づいた緻密な原価管理を行っています。

利益を蝕む“1%のズレ”。理論原価と実原価の乖離を可視化する

具体的に、どのようなデータを重視して管理されているのでしょうか?

最も重視しているのは、理論原価(レシピ上の理想値)と実原価(実際にかかった原価)の差異の分析です。

理論原価とは、レシピ通りにミスなく作った場合の“ロボットが作ったような理想の数字”です。しかし現実には、オーバーポーション(盛り付けすぎ)や廃棄ロス、歩留まりの悪化などが必ず発生します。この「理想と現実のズレ」を、インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』や棚卸機能を使って徹底的に可視化しています。

そのズレは、経営にどれくらいのインパクトがあるのでしょうか?

たかが1%と思うかもしれませんが、そのインパクトは甚大です。例えば、1店舗あたり月商1,000万円の店が10店舗あったとします。原価率のズレを1%改善できれば、1店舗あたり月10万円、全店で年間1,200万円もの利益が生まれます。

1%を軽く見ない 利益の差は気づきで生まれる。

以前はこの“1%”が見えておらず、不明金として処理されてしまうこともありました。現在は、日々の廃棄量(ロス)や歩留まりをグラム単位で計測し、システムに入力することで、“なぜズレたのか”を論理的に説明できる状態にしています。

データ入力は“作業”ではない。現場の意識を変えた5段階の教育ピラミッド

緻密なデータ管理を現場に定着させるのは難しかったのではないでしょうか?

おっしゃる通り、システムを入れるだけでは意味がありません。“データを入力するのは人”だからです。かつては現場も、棚卸=面倒な作業という認識で、なぜやるのかを理解していませんでした。そこで私たちは、現場教育のための“5段階のピラミッド”のような順番で取り組みました。

1.棚卸の目的理解(なぜやるのか?)
2.社員教育(テストや面談による基礎知識の習得)
3.原価管理の重要性の理解
4.現在地(原価率)の把握
5.数字を見る体質がつく

遊彩の理想とする、顧客思考の店舗経営

具体的に、どのようにスタッフの意識を変えていったのですか?

「原価率が1%ズレているよ」と伝えるのではなく、金額に換算して伝えるようにしました。「このズレは年間で〇〇万円の損失になるんだよ」と伝えると、現場の目の色が変わります。自分たちの給与やお店の利益に直結していると理解することで、棚卸が作業から経営参加に変わりました。今ではアルバイトスタッフも「これくらいロスが出ました」と自発的にメモを残してくれるようになっています。

成果:「原価率1%改善」の達成と、数字に強い組織へ

原価改善への取り組みの成果を教えてください。

最大の成果は、理論原価と実原価の乖離を1%以内に抑えられるようになったことです。以前は2%〜5%ほどのズレがありましたが、現在はほぼコントロール可能な範囲に収まっています。

また、デジタル化によって集計作業の時間が大幅に減り、考える時間が増えました。以前は紙の棚卸表を回収・集計するだけで数日かかっていましたが、今は自動計算で即座に結果が出ます。その分、店長たちは「なぜロスが出たのか?」「次はどう対策するか?」という改善のアクションに時間を使えるようになりました。

データを武器に、次は「FL」から「PL」管理へ

最後に、今後の展望をお聞かせください。

原価(Food)と人件費(Labor)の管理はかなり精緻にできるようになりました。今後はこれらを統合し、店長が日々の営業利益(PL)まで把握できる仕組みを作りたいと考えています。

“今日の営業でいくら利益が残ったのか”が感覚的にわかるようになれば、現場の経営意識はさらに高まります。あらゆるデータの活用と教育の両輪で、スタッフ全員が当事者意識を持ってお客様と向き合える、強い組織を目指していきます。

※掲載内容は取材当時のものです。

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