長年の課題だった理論原価・実原価の乖離原因を解決。日々の売上・FL集計を『FLARO』で自動化しました。
北陸・東北・信越エリアで老舗のステーキ・ハンバーグ業態「さる~ん」と「石焼ステーキ贅」27店舗を展開する株式会社サルーン。同社は売上管理システムの刷新を契機にIT活用を加速させ、インフォマートの仕入れデータを店舗管理システム『FLARO』に連携し、即座に全店舗のFL(原材料費、人件費の合計)コストを把握。長年の課題であった理論原価と実原価の乖離について、原因追求の効率化と経営管理を同時に実現しています。
ココがPOINT!
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仕入先のインフォマート受発注システム利用率が高く、スムーズに稼働
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『FLARO』に売上、FLデータを集約し、全店舗の利益状況を即座に把握
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日々の発注数量をAIが算出し、閉店後の作業短縮と正確性向上を両立
北陸・東北・信越でステーキ・ハンバーグ専門店を27店舗運営
「さる~ん」は老舗のステーキ店ですね。
代表取締役社長 石丸 真太郎氏(以下同):
当社は1979年に新潟県で「ステーキとハンバーグのさる~ん」を創業し、現在は「石焼ステーキ贅(ぜい)」と合わせて2ブランド27店舗を展開しています。
創業時から続く「さる~ん」は洋風の佇まいで、鉄板を用いたステーキやハンバーグをリーズナブルにご提供しています。「贅」は和風の店構えで、お座敷を多く設けています。こちらは溶岩石を器に使用して、お箸で食べられるようにカットしたお肉を好みの焼き加減で召し上がっていただきます。どちらも気軽にステーキをお楽しみいただけるのが特徴です。
アナログには戻らない。複数システムを連携して全店舗と本部の工数を削減
店舗運営で利用しているITツールについて教えてください。
元々、インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を使って仕入れ品を発注しています。仕入先の利用率が高く、導入した2007年当時は取引先の8割がすでに利用していて、スムーズに始められました。今では新規取引をする際、取引先にインフォマートの受発注システムを使った仕入れができるか必ず確認しています。
他にも、店舗管理システムを導入していますね。
全店舗の売上とFL(原材料費、人件費の合計)の推移を毎日確認するため、売上管理システム『FLARO』を使ってPOSの売上データやインフォマートの仕入れデータ、勤怠データを自動集計しています。毎日必要になるデータをひとつのクラウドシステムで自動的に収集することで、圧倒的に業務効率が上がるしリアルタイムに状況把握できるのです。
以前から売上管理システムを使用していたのですが、そのサービスが提供終了になってしまったため、2025年に『FLARO』を導入しました。このシステムはインフォマートの受発注システムや勤怠システムで蓄積していた過去のデータをスムーズに取り込めて、さらにPOSなど他社システムともデータ連携しやすかったのがきっかけです。
もし全店舗の売上や仕入、勤怠シフトのデータをエクセルファイルなどで個別にやり取りしていたら、各店舗の作業工程が増えるのはもちろん、本社でも全店舗のデータを取りまとめる人員が必要で、時間もかかってしまいます。手作業でもできることですが、全社的な負担を考えるとアナログに戻す考えはありませんでした。
原価乖離のズレを食材単位で追究
原価管理ではどのような問題がありましたか?
当社では、理論原価と棚卸しによる実原価の乖離が、長年の課題でした。同一業態であっても、適正な原価に収まる店舗とそうでない店舗があり、年間を通じて変わらぬ状況なのです。エリアマネージャーや店舗責任者にヒアリングを行っても、値引きの影響やポーションの過多、ロスの発生が増えたのではないかなど、憶測の域を出ず原因が明確になりませんでした。以前のシステムではレシピ単位や仕入れ単位で「何がどれだけ不足しているか」を突き止める術がありませんでした。
そのため、『HANZO原価管理』を導入し、実際の仕入れ量と販売数からあるべき在庫を導き出す仕組みを構築しました。棚卸し時の不足分を原材料単位で可視化できれば、盛り付けの超過や廃棄などの原因を特定できます。憶測の指導から脱却し、根拠のある数値に基づいてピンポイントで改善を促せる環境を整えました。
AIで営業終了後の発注作業が激減
店舗運営では、どのような課題がありましたか?
様々な業務が特定の個人に依存していることが大きな課題でした。特に発注業務では、店舗の営業終了後に在庫を確認して、売上予測をして、発注数を割り出し、システムに入力する作業に、人によって30分から2時間の時間差が生じていたのです。
必要数を算出する能力に個人差があり、入社して日が浅い社員にとっては精神的な負担となっていました。食材の不足が発生した際は、近隣店舗への借り入れやスーパーでの買い出しといった無駄な動きも発生します。人手不足の中で安定した営業を維持するため、業務の標準化と労働時間の短縮を目指して『HANZO自動発注』の導入を決めました。
システム導入後、店舗運営はどのように変化しましたか?
自動発注システムのAIが、過去のデータからベースとなる発注数を提示するため、現場は微調整を行うだけで済むようになりました。店舗によっては自動発注率が70から80%に達しているところもあり、在庫が適正化されたことで管理が容易になったという声が届いています。発注にかける時間が大幅に減少し、退社時間が早まるなどの成果が出ています。さらに、経験の浅い従業員でも短期間で発注業務を習得できるようになりました。
本部ではペーパーレスを推進していると伺いました。
請求書など保管すべき帳票類は日々増え、年単位の保管の手間やコストが必要です。そこで、本部の経理部門で『BtoBプラットフォーム 請求書』を利用して、ペーパーレス化を進めました。インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているし、会計事務所や会計ソフトと連携でき、経理業務の効率化と管理の円滑化が定着しました。
IT活用は人が人でしかできない接客業務への原点回帰
運営体制をスリム化した先に見据えていることは何でしょう?
現場の作業負担を減らした分、今後はお客様へ意識を向ける時間を増やし、手厚いサービスや確かな商品提供といったQSCの向上に繋げていきます。
現在、フロア掃除を自動化するロボットの活用や、一部店舗でお客様によるセミセルフレジの導入を進めています。レジ業務におけるミスや小銭の過不足が発生すると、原因追究や報告書作成に多大な時間と精神的負担がかかります。会計をお客様自身で行っていただくことでヒューマンエラーをなくし、社員の負担を排除しています。
ただ、店舗でのIT導入については、私は目的を明確に持って慎重に進めるべきだと思います。一部の店舗でタッチパネルオーダーを試行していますが、現在は導入を一時停止して検証を行っています。単なる省人化や効率化の目的だけで導入を進めるべきではないと考えているからです。
注文を取る手間が省けた分、従業員がお客様をしっかりと見て、本来あるべき接客に時間を割くことができるかどうかが重要です。ITツールは、人間が人でしかできない業務に没頭するために存在するものと捉えています。導入の目的や意味を社内で十分に協議した上で、次の展開を進めていく方針です。
※掲載内容は取材当時のものです。