デジタル時代の経理・財務パーソンB
変わるために、今やるべきこと

2019年9月19日

デジタル時代の経理・財務パーソンB〜変わるために、今やるべきこと

第1回は、アンケートをもとにデジタル時代の経理・財務部門が抱える課題を可視化し、第2回は、経理・財務の仕事を4つに分類し、具体的にシフトチェンジすべき役割・機能を示した。今回は、価値を生み出す経理・財務パーソンとして、一人ひとりが組織の中でどのような役割を担っていくべきかを紹介する。

階層によって変化する4つの役割と機能

経理・財務部門が担う4領域の機能すべてにおいて、今後は単純作業が自動化され、人材が担う業務は高度化していく。そうなると、経理・財務は経験豊富な少数のハイスキル人材だけのポストとなり、そうでない人材は、はじき出されるイメージを持つ人もいる。山岡氏はこれを「よくある誤解」と指摘する。

「若手から部長クラスまで、幅広い階層で人材は必要です。例えばビジネスパートナーは数字を武器に経営意思決定に介在しますが、現場レベルでの意思決定も含まれます。例としては、製品の売れ行きと生産コストを秤にかけ、限界利益最大化のために販売・在庫・生産の計画調整の意思決定に介在するケースなどが挙げられます」

山岡 正房 氏

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社
アソシエートパートナー

山岡 正房 氏

米国ソフトウェア企業の日本法人を経て、1999年に日本アーンストアンドヤングコンサルティング(当時)に入社。財務・会計コンサルティングやERP導入支援など多くのプロジェクトをリードした後、2014年より現職。デジタル技術を活用したCFO部門の変革をテーマに活躍している。

【 階層ごとの役割と機能 】

階層ごとの役割と機能

ビジネスパートナーは経営に近い存在で、スコアキーパーが末端のような解釈も生まれやすいが、それも誤解だという。今の数字を出すだけのスコアキーパーではなく、企業内外にどのようなデータが存在しているかを把握し、それを経営に活用・分析するといったデータの専門家としての役割を担うポテンシャルがある。

また、櫻田氏は事業部門でも、経理・財務スキルを持つ人材は必要になると説く。

「例えば購買が半年前に決まるのであれば、今の購買を見れば半年後の仕入コストが予測できる。環境やマーケットの変化が激しい現在、こうした先行指標などの各種データの活用や将来予測に基づく複数の事業シナリオの検討などが重要となり、ビジネスパートナーとしてのスキルはあらゆる部門で貢献できると言えます」

櫻田 修一 氏

一般社団法人日本CFO協会 主任研究委員
デジタルテクノロジー部会幹事
株式会社アカウンティング アドバイザリー
マネージングディレクター/公認会計士

櫻田 修一 氏

世界5大会計事務所の一角だったアーサー・アンダーセンで監査や経営管理コンサルティング、システム導入支援に従事。2010年にアカウンティング アドバイザリーを創業メンバーとして設立、マネージングディレクターに就任。IFRS導入支援やシステム導入支援を手がける。

ビジネスパートナーの機能

1 イノベーションの事業化とKPIの展開イチ早くお金に換える仕組みを構築し組織目標:KPIを展開
財務指標⇒ 先行指標へ

2 将来予測・事業ストーリー過去分析から予測重視へシフトし、将来シナリオを確定

3 バリューチェーンの外部・内部情報の収集蓄積事業部門と共にマーケット・顧客の情報と企業内部の情報を収集・整理・蓄積

【 ビジネスパートナーの将来予測:購買の例 】

ビジネスパートナーの将来予測:購買の例

変わるために、今やるべきこと

業務の一部が自動化されても、グローバル化や外部環境の変化により、経理・財務部門が対応を求められる役割はむしろ増える傾向にある。ファイナンスの観点から企業価値の向上を後押しし、リスクを適切にコントロールできる組織へと成長するため、経理・財務のリーダーとスタッフはどう行動していくべきなのだろうか。櫻田氏は、第一にリーダーの意識改革が必須であると説く。

「決算数値を作る組織から、企業価値向上をリードする組織へ変えていこうとするのですから、リーダーが危機感と覚悟を持って役割を変えるべく、業務プロセスを整理し、組織改革と人材育成に取り組むことは不可欠です。

特に、スコアキーパーとして経理・財務の基礎を身に付けた人材を、どのようにビジネスパートナーへと育成していくかは、今後の経理・財務部門が直面する最も大きな課題のひとつです。上層部はそのための、明確なキャリアパスを設定することも求められてきます」

一例としては、データの専門家としてのコメンテーターやカストディアンの役割のほか、事業部やマーケティングなども経験させることで、多様な視点から自社ビジネスを俯瞰し、分析できるスキルを磨くようなキャリアパスが考えられる。こうした意味では、日本企業のジョブローテーションのしくみは、ビジネスパートナーを育成する土台になり得ると山岡氏は言う。

当然、一人ひとりのスタッフにも、自らが進むべきキャリアを描くとともに、実現に向けた行動が求められる。

「業務の自動化や働き方改革で残業が減ったなら、浮いた時間をスキルアップに使いたい」(山岡氏)

スコアキーパーに残るならIT、コメンテーターならデータ分析の専門性を高めたい。ビジネスパートナーにはステークホルダーの利害を調整し、合意形成に導く人間力も求められる。会計の専門家として公認会計士や税理士に匹敵するスキルを身に付けたり、データ分析のための機械学習の知識を得るといったことも有望だと櫻田氏は言う。

今後も、経理・財務の仕事自体がなくなることはない。将来も価値を生み出せる人材と組織であり続けるため、常に視野を広く持つことが求められる。

本コラムの監修

本コラムの監修

一般社団法人日本CFO 協会

「市場・社会対応型の経営モデルをリードするCFOを育て、日本における企業経営のグローバルスタンダードを確立する」をミッションに掲げ、経営・財務に関する最先端の概念・手法を調査・研究し、CFOの育成に努めると共に、CFO機能強化のための支援活動を行う。

EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング株式会社

世界5大会計事務所であるアーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドの日本におけるメンバーファーム。クライアントの業績向上に向け、長期的な取り組みを提案する。

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