- 請求書
【2026年最新】連結決算はどうすれば効率化できる?非効率になる原因と解決策を解説
最終更新日:2026年10月8日
この記事でわかること3点
- 連結決算が非効率になる原因
Excel管理の属人化や会計基準の不統一などが、連結決算を停滞させる主な要因です。 - 効率化の具体的な対策
提出フォーマットの標準化や連結会計システムの導入で、手作業を削減し自動化を実現します。 - 効率化のメリット
決算早期化による迅速な経営判断や、ヒューマンエラー削減といった組織的メリットがあります。
決算のたびに子会社からのデータ提出を待ち、Excelでの手作業による組替や内部取引の消し込みに追われている経理担当者・経営企画担当者の方は多いのではないでしょうか。
上場企業には決算日から45日以内の開示という時間的制約があり、グループ会社が増えるほど、この非効率さは経営判断のスピードにも直結する課題になります。
そこで今回は、連結決算が非効率になる主な原因を整理した上で、効率化の方法と、子会社の管理体制タイプ別のポイントを解説します。
連結決算とは?

連結決算とは、親会社と子会社を一つの企業グループとして捉え、グループ全体の財務状況をまとめる手続きです。個別の会社ごとに作成する決算とは異なり、グループ内の取引を相殺した上で、グループ全体としての経営状況を開示する点が特徴です。
上場企業には開示義務があり、決算日から45日以内の開示が適当だとされているため、グループ会社が増えるほど効率化が求められます。連結決算で作成する主な財務諸表は、以下のとおりです。
<連結決算にまつわる主な財務諸表>
- 連結貸借対照表
- 連結損益計算書
- 連結株主資本等変動計算書
- 連結包括利益計算書
- 連結キャッシュ・フロー計算書
連結決算の流れ
連結決算は、大きく以下の5つのステップで進みます。
それぞれの工程で何を行うのかを把握しておくと、自社のどこに時間がかかっているかを可視化しやすくなります。
■連結決算の主な流れ
| ステップ | 工程 | 内容 |
| 1 | 個別財務諸表の作成 | 親会社・子会社がそれぞれ、自社の会計基準にもとづいて個別の決算書を作成する |
| 2 | 連結パッケージの回収 | 各子会社から、連結決算に必要な情報を「連結パッケージ」としてまとめて回収する |
| 3 | 単純合算表の作成 | 回収した子会社ごとの財務諸表を、項目ごとに単純合算する |
| 4 | 連結修正仕訳 | 親子会社間の売買や貸し借りといったグループ内取引、およびグループ内でまだ確定していない利益を相殺・消去する |
| 5 | 連結財務諸表の完成 | 連結修正を反映した最終的な連結財務諸表を完成させる |
このうち、特に時間を要しやすいのが、子会社から情報を集める「2 連結パッケージの回収」と、グループ内の取引を相殺する「4 連結修正仕訳」の2つの工程です。
子会社ごとにデータのフォーマットが異なっていたり、内部取引の突き合わせを手作業で行っていたりすると、この2つの工程がボトルネックになりやすくなります。
この記事を読んでいる人が 注目している機能
連結決算が非効率になる3つの原因
連結決算が非効率になる背景には、主に3つの原因があります。それぞれ見ていきましょう。
Excel管理による属人化とヒューマンエラー
連結決算の際に、連結パッケージや組替作業をExcelで行っていると、数式の不整合やリンク切れ、バージョン管理の混乱が起こりやすくなります。ファイルが増えるほどどのシートが最新版かわかりにくくなり、確認作業そのものにも時間がかかってしまいます。
さらに、こうした複雑な運用は特定の担当者しか管理方法を把握していない状態を生みやすい点にも注意が必要です。その担当者が異動・退職すると、業務の引き継ぎが難しくなり、決算そのものが滞る大きなリスクにつながります。
子会社ごとの会計システム・会計基準の不統一
子会社が異なる会計システムを使っていると、データ形式の違いをそろえる作業に手間がかかります。フォーマットがそろっていなければ回収したデータをそのまま連結処理に使うことができず、担当者が手作業で変換・入力し直す工程が発生してしまうでしょう。
加えて、親会社と子会社の会計方針が統一されていない場合は、連結処理のたびに個別の調整が必要になります。子会社数が増えるほど、この調整に割かれる時間も比例して増えていく点が課題です。
内部取引消去などの手作業による負担
グループ内の取引データを子会社から集めたレポートと基幹システムの出力を突き合わせる作業は、手作業で行うと数日単位の時間がかかることがあります。取引件数が多い企業では、この突き合わせだけで決算スケジュールの大半を占めてしまうケースも少なくありません。
さらに、試算表の異常値を発見するための検証作業も、手作業では時間を要しやすい業務です。目視でのチェックに依存していると異常値の発見そのものが遅れ、修正対応が決算間際になってしまうこともあります。
この記事を読んでいる人が 注目している機能
連結決算を効率化する3つの方法

連結決算を効率化するには、決算業務の一連のフローを書き出し、どの工程に時間がかかっているか、属人化・手作業が集中している箇所はどこかを可視化することが出発点になります。
その上で、自社の課題に応じて以下の方法から取り入れるとよいでしょう。
データ提出のフォーマットと会計基準を標準化する
最初に見直したいのが、子会社から提出されるデータのフォーマットです。提出フォーマットを標準化しておけば、回収後に担当者が形式をそろえ直す組替作業そのものを減らせます。
併せて、親会社と子会社の会計方針をできるだけ統一しておくことも重要です。会計方針がそろっていれば、連結処理のたびに発生していた個別調整の手間も減らせます。
外部の専門家に相談する・アウトソーシングを活用する
フォーマットの標準化だけでは解決が難しい場合は、連結決算に詳しい公認会計士やコンサルタントに相談するのも一つの手です。
また、データ収集や確認といった定型的な作業そのものを外部にアウトソーシングすれば、社内の担当者は判断や分析など専門性の高い業務に集中できるようになります。
連結会計システムを導入してシステム化・自動化する
より抜本的に効率化を図るなら、連結会計システムの導入が有効です。クラウド型の連結会計システムを導入すれば、子会社からのデータをオンラインで一元的に収集・管理できるようになります。
さらに、組替ロジックや内部取引消去のルールをあらかじめシステムに落とし込んでおくことで、担当者ごとの判断のばらつきをなくせます。
残高増減分析などの自動チェック機能を使えば、異常値の発見にかかる時間も減らせるでしょう。
加えて、RPAやAPI連携を組み合わせれば、請求書発行システムや会計システムなど既存の基幹システムとのデータ連携も自動化でき、二重入力や転記ミスの防止にもつながります。
この記事を読んでいる人が 注目している機能
子会社の管理体制タイプ別に見る効率化のポイント
実際にどこから効率化に着手すべきかは、子会社の個別決算業務を「誰が行っているか」という管理体制によって変わります。
まずは自社がどのタイプに近いかを把握した上で、該当するポイントから着手するとよいでしょう。
■管理体制タイプ別に見る実務を行う主体と効率化のポイントの一覧表
| 管理体制のタイプ | 実務を行う主体 | 効率化のポイント |
| 親会社主導で会計処理を統一している会社 | 入力作業自体は子会社が行うが、ルールやシステムは親会社が統一・主導している | 連結パッケージの収集・集計を自動化する |
| 子会社に運用を委ねている会社 | 入力作業だけでなく会計システムの選定も子会社が担っている | データ提出のフォーマットをそろえる |
| 親会社が子会社の決算業務を代行している会社 | 子会社の入力や個別決算の作業そのものを親会社の担当者が代行している | システムを活用して親会社側の作業負担を分散する |
この記事を読んでいる人が 注目している機能
子会社の属性によっても効率化のポイントは変わる
子会社の管理体制のタイプに加えて、子会社そのものが持つ属性も、効率化を考える上で見逃せない要素です。
子会社の特性によって発生しやすい課題は異なるため、管理体制タイプ別のポイントと併せて確認しておきましょう。
■子会社の属性別に見る課題と対応策の一覧表
| 子会社の属性 | 起こりやすい課題 | 効率化のポイント |
| 海外子会社がある場合 | 時差や言語の壁により、データ収集や確認に時間がかかりやすい | 現地でのサポート体制を整備する |
| 設立から間もない子会社がある場合 | 経理担当者の経験が浅く、対応に時間がかかりやすい | 親会社からのサポートを強化する |
| 業種特有の会計処理がある場合 | 製造業の在庫関連取引や金融業特有の処理など、業界特有のルールが複雑になりやすい | 業種別のガイドラインを用意する |
この記事を読んでいる人が 注目している機能
連結決算を効率化するメリット

連結決算の非効率な部分を解消できれば、決算業務のスピードと質の両方を高められます。
具体的にどのようなメリットが得られるのか、3つの観点から見ていきましょう。
決算早期化と経営判断のスピード向上
データ提出フォーマットや会計基準の標準化、連結会計システムによるシステム化によって決算にかかる日数そのものを短縮できれば、経営層への情報提供が早まり、意思決定のスピードも上がります。
さらに、リアルタイムに近い形で経営状況を可視化できれば、市場や競合の変化への対応も早くなるでしょう。
ヒューマンエラーの削減
連結会計システムの導入などによって組替や内部取引消去といった手作業が減ることで、入力ミスや確認漏れのリスクを抑えられます。
その結果、手作業に起因するミスの検証・修正にかかっていた時間も減らせます。
業務負担・属人化リスクの軽減
データ提出フォーマットや会計基準の標準化、連結会計システムの導入、アウトソーシングの活用によって担当者一人あたりの作業負荷が減ることで、属人化のリスクそのものも小さくなります。
加えて、特定の担当者に依存しない体制になるため、異動や退職があっても業務が滞りにくくなります。
この記事を読んでいる人が 注目している機能
システム連携でボトルネックを解消し、連結決算を効率化しよう
連結決算の効率化は、単独のシステムを導入するだけでは完結しません。グループ各社の請求書発行・会計システムをどう連携させ、データ収集の土台を整えるかによって、効果が大きく変わります。
そのため、請求書の発行・受取を電子化し、グループ各社でフォーマットを標準化しておくことが、連結決算の情報収集を効率化する土台になるでしょう。
例えば、インフォマートの『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入すれば、会計システムなど既存の基幹システムとの連携により、グループ全体の請求データを一元管理しやすくなります。
各子会社の請求データがあらかじめ統一されたフォーマットで集まるため、連結パッケージの回収時に発生しがちなフォーマットの不統一や提出の遅れを抑えられます。
さらに、内部取引の消去にあたって子会社のレポートと基幹システムの出力を手作業で突き合わせる負担も軽減可能です。
連結決算のボトルネックをより詳しく知りたい企業は、下記もあわせてご確認ください。
よくあるご質問
連結決算の効率化はどこから始めればいいですか?
まずは現在の決算業務フローを書き出し、どの工程に時間や手作業が集中しているか(ボトルネック)を可視化することから始めましょう。その上で、課題に合わせて子会社からの提出フォーマットの標準化や会計基準の統一、連結会計システムの導入などを段階的に進めるのが効果的です。
詳細は「連結決算を効率化する3つの方法」をご覧ください。
連結決算にExcelを使い続けるとどんなリスクがありますか?
Excel管理では数式の破損やバージョン混乱によるヒューマンエラーが起きやすくなります。また、複雑な関数やファイル構造を担当者しか把握できない属人化が進みやすく、担当者の異動や退職によって決算業務が途絶えるリスクが生じます。手作業の増加により決算早期化を妨げる原因にもなります。
詳細は「Excel管理による属人化とヒューマンエラー」をご覧ください。
連結決算を効率化するのにどんなシステムを選べばいいですか?
子会社のデータをオンラインで一元管理できるクラウド型の連結会計システムが有効です。内部取引の相殺や組替ロジックの自動化、異常値チェック機能を備えたものを選びましょう。その際は既存の会計・請求書システムと連携できるツールを選ぶとデータ連携も自動化でき、入力ミス防止や二重手間の削減に直結します。
詳細は「連結会計システムを導入してシステム化・自動化する」をご覧ください。