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【2026年最新】電子請求書で内部統制・監査対応を強化する方法を解説
最終更新日:2026年9月7日
企業の不正・不祥事が後を絶たない中、内部統制の強化は経営上の急務となっています。中でも請求業務は、起票から支払までを1人の担当者が担いやすく、不正の温床になりやすい領域といえるでしょう。
そこで今回は、請求業務がなぜ内部統制の対象になるのかを整理した上で、紙・メール運用に潜む弱点と電子化による統制強化のポイント、システム選定時に確認すべきセキュリティ要件について解説します。
請求書業務が統制対象になる理由
内部統制とは、組織内の業務の健全性を確保するために、役員から従業員まで全員が遵守すべきプロセスのことです。会社法や金融商品取引法にもとづき、上場企業には内部統制報告制度への対応が求められています。
金融庁は内部統制の目的として以下の4つを掲げており、経理部門はこれらすべての観点で統制の要となる部署です。
内部統制の4つの目的
| 目的 | 内容 |
| 業務の有効性及び効率性 | 事業目的の達成に向けて、業務を効果的かつ効率的に進めること |
| 財務報告の信頼性 | 財務諸表などの信頼性を確保すること |
| 事業活動に関わる法令等の遵守 | 事業活動に関係する法令や規範を守ること |
| 資産の保全 | 資産が正当な手続と承認の下で管理・処分されるようにすること |
なかでも請求業務が統制対象になる大きな理由を、2つの観点から見ていきましょう。
お金の流れに直結するから
請求業務が内部統制上で重視される理由のひとつは、金銭の流れに直結する業務だからです。
請求書の起票から承認、支払、記帳までを特定の担当者が一括して担う体制では、不正やミスが起こりやすくなります。実際に金額を動かせる立場にあるからこそ横領や粉飾といった不正の機会が生まれやすく、内部統制の観点でも特に注意すべき領域とされています。
会計不正の実例が多いから
請求・経理領域における統制の形骸化は、実際の会計不正の事例からも裏付けられています。
東京商工リサーチの調査では、2019年に不適切な会計・経理を開示した上場企業は70社・73件に達し、集計開始以来の最多を記録しました。
経理業務の属人化やチェック体制の不備が問題の背景として挙げられることがあり、内部統制は形式ではなく実効性が問われます。
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請求書業務に潜む統制上のリスク
請求業務には、どのような統制上のリスクが潜んでいるのでしょうか。ここでは、多くの企業に共通する代表的なリスクを取り上げます。自社の請求業務に当てはめながら確認してみてください。
属人化によるチェック機能の低下
請求業務に潜む代表的なリスクのひとつが、属人化によるチェック機能の低下です。
請求書の起票から承認、支払、記帳までを1人の担当者が一括して担う体制は、不正やミスが起きやすいだけでなく、発覚しにくい構造になりがちです。 特に、担当者の異動が少ない企業や、経理スタッフが少人数の企業ほど属人化が進みやすく、内部統制が機能しにくくなるリスクがあります。 日頃から複数人によるチェック体制を整えておくことが重要です。
承認プロセスの形骸化
続いて注意したいリスクが、承認プロセスの形骸化です。
確認漏れや入力ミス、名ばかりの承認といった問題は、属人的な運用では見過ごされやすく、改善されないまま定着してしまうことがあります。 不正は「動機」「正当化」「機会」の3要素が重なったときに起こりやすく、承認プロセスが形骸化した体制は不正の「機会」を与えやすくなります。
承認者が内容を精査せずに押印するだけの運用になっていないか、定期的に点検してみましょう。
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紙・メールでの請求書運用に潜む弱点

属人化によるチェック機能低下や承認プロセスの形骸化は、紙やメール・Excelを中心とした従来型の請求書運用において特に顕在化しやすいリスクです。 それぞれの運用に潜む具体的な弱点を見ていきましょう。
紙の請求書運用に潜む弱点
紙の請求書運用における最大の弱点は、改ざんや紛失の痕跡が残りにくい点です。
紙の請求書は、改ざんや差し替え、紛失が起きても痕跡が残りにくく、誰が・いつ・何を変更したのかを後になって検証することが困難です。 さらに、保管や検索に多くの時間を要するため、内部監査や税務調査で資料の提出を求められた際に迅速な対応ができず、統制上の負荷が高くなりやすいという課題もあります。
メール・Excel運用に潜む弱点
メールでの送付やExcelを使った請求書のやりとりにも、統制上の弱点があります。
メールやExcelを使った請求書運用では、送付履歴や承認履歴が個人のメールボックスやファイルに分散しやすく、組織として一元的に管理しにくいというのが課題です。 加えて、ファイルの上書き保存やメールの転送ミスによって最新版と旧版の請求書が混在し、どれが正式な承認済みデータかを特定できなくなるリスクもあります。
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請求書の電子化で強化できる統制
請求書の電子化は、メールでのPDF送付やExcelでの管理といった簡易な方法でも進められますが、統制上は限界があります。そこで有効なのが、電子請求書システムの導入です。
システムの導入効果を監査の観点から見ると、J-SOX(内部統制報告制度)では、統制を「IT業務処理統制(ITAC)」と「IT全般統制(GITC)」の2つに分けて評価します。 システム上で承認ワークフローが動く場合、その仕組みはITACに該当しますが、ITACが有効に機能するには、アクセス管理や変更管理などを含むGITCが適切に整備・運用されていることが前提です。
監査法人もこの両面から統制の有効性を評価するため、システムを選定する際は、承認ワークフローなどのITACだけでなく、それを支えるGITCの機能が備わっているかも確認しましょう。

承認フローによる相互チェック
電子請求書システムの導入によって得られる代表的な効果が、承認フローによる相互チェック体制の構築です。
システムにワークフローを組み込むことで、起票・承認・支払の各プロセスを担当者レベルで分離でき、1人が全工程を完結できない体制を実現できます。承認者・決裁者を役職や請求金額に応じて自動で振り分ける設定も可能なため、目視確認と多段階チェックを仕組みとして定着させられます。
さらに、承認状況がリアルタイムで可視化されることで、担当者の対応漏れや未承認の見逃しを防ぎ、迅速な是正対応につなげられるでしょう。
改ざん防止と監査証跡の確保
電子請求書は、紙ベースに比べて改ざん・差し替え・紛失のリスクを大きく低減できます。
また、操作ログや変更履歴が残るため、「いつ・誰が・何を変更したか」を追跡しやすく、不正抑止にもつながるでしょう。 実際に、通信・保存データを多層的に暗号化した上で、訂正・削除の履歴を改ざんできない形で保全するシステムも登場しており、証跡としての信頼性はますます高まっています。
電子帳簿保存法の要件対応
電子請求書を活用する際は、電子帳簿保存法の要件を満たしているかを確認する必要があります。同法では、改ざん・削除の履歴を残す「真実性の確保」と、取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索できる「可視性の確保」が必須要件とされています。
これらの要件に対応した電子請求書システムを利用すれば、改ざん防止の証跡を自動的に残せるほか、必要なデータをすぐに検索・抽出できるため、内部監査や税務調査にも迅速に対応しやすくなるでしょう。
電子帳簿保存法の詳細は下記の記事もご覧ください。
お役立ちコラム:電子帳簿保存法
「電子帳簿保存法の対象書類と保存要件をわかりやすく解説」
アクセス権限の一元管理
電子請求書システムでは、アクセス権限を一元管理できる点も統制強化に直結します。
ユーザーごとに閲覧・編集・承認権限を設定でき、退職者や異動者の権限をすみやかに見直せることは、統制強化に有効です。 また、権限設定の変更履歴自体も記録されるため、システム管理者による恣意的な権限操作を牽制でき、ガバナンスの実効性を高められます。
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電子請求書の監査対応でのメリット
電子請求書は、日々の統制強化だけでなく、監査対応の場面でも大きなメリットをもたらします。ここでは電子請求書の監査対応のメリットを3つの観点から見ていきましょう。
<電子請求書の監査対応での主なメリット>
- 内部監査を効率化できる
- 監査法人への証拠資料になる
- システムベンダーの統制も保証される
内部監査を効率化できる
電子請求書の活用は、内部監査の効率化に直結します。
内部監査では「定めた業務手順が実際に守られているか」の検証が中心となりますが、電子請求書の承認ログやワークフロー履歴を活用すれば、サンプリング調査の精度を大幅に高められます。 内部監査部門がシステム上でリアルタイムにデータを参照できる環境は、タイムリーな問題発見と是正にもつながり、年1回の監査を待たずに継続的なモニタリングが可能になるでしょう。
紙の請求書管理では保管場所の確認や目視での照合に膨大な時間を要しますが、電子化によって取引先名・期間・金額での絞り込み検索が瞬時に行えるようになる点も大きなメリットです。
監査法人への証拠資料になる
電子請求書の記録は、監査法人への提出資料としても直接活用できます。
J-SOXでは、経営者が財務報告に係る内部統制の有効性を自己評価し、内部統制報告書を作成します。この報告書は監査法人による内部統制監査を経た上で、電子開示システム「EDINET」を通じて、誰でも閲覧できる形で公開されます。 電子請求書の承認ログ・操作履歴・ワークフロー記録は、統制が有効に機能していることを示す証拠資料として、そのまま監査法人への提出資料に活用できる点は、経理担当者にとって大きなメリットでしょう。
システムベンダーの統制も保証される
電子請求書システムを選ぶ際にSOC1 Type2報告書を取得したベンダーを選べば、自社の内部統制評価・監査対応の負担を軽減できるというメリットがあります。
SOC1(サービス・オーガニゼーション・コントロール1)報告書とは、財務報告に関連する業務を委託している場合の受託会社の内部統制について、監査法人または公認会計士が第三者の立場から検証した保証報告書です。 このうち、一定期間の運用状況まで評価したものを「Type2」と呼びます。
SOC1 Type2報告書を取得したクラウドサービスを利用すれば、委託先システムの内部統制評価を監査法人が効率的に実施でき、自社の内部統制評価・監査対応にかかる負担を大幅に軽減できます。
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電子請求書システムを選ぶ際のポイント

内部統制・監査対応の強化を目的に電子請求書システムを導入するなら、機能面だけでなくセキュリティや法令対応の観点からも選定基準を持つことが欠かせません。 ここでは、電子請求書システムを選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。
<電子請求書システムを選ぶ際のポイント>
- セキュリティ認証の有無
- SOC1報告書の取得有無
- 法令対応の状況
- 既存システムとの連携性
- 導入実績とサポート体制
セキュリティ認証の有無
電子請求書システムを選定する際は、第三者認証の取得状況を必ず確認しましょう。
ISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマーク(Pマーク)といった認証の取得有無に加え、通信・保管データのエンドツーエンド暗号化、不正アクセスを防ぐ多要素認証、定期的な脆弱性診断の実施状況も評価項目です。 近年は、政府情報システムのためのセキュリティ評価制度であるISMAPへの登録有無も、選定基準のひとつとして注目されています。
『BtoBプラットフォーム 請求書』はISMS・ISMAP・SOC1 Type2・SOC2 Type2など複数の第三者認証・保証報告書を取得しています。詳細な取り組みと技術仕様はホワイトペーパーをご確認ください。
※『BtoBプラットフォーム 請求書』のセキュリティの詳細については、「お客様の大切なデータを守る、万全のセキュリティ体制 」をご覧ください。
SOC1報告書の取得有無
SOC1報告書の取得有無も、選定時に見落とせないポイントです。
SOC1報告書は、財務報告に関連する業務を委託している場合の受託会社の内部統制について、監査法人が第三者の立場で検証した保証報告書です。なかでも一定期間の運用状況まで評価する「SOC1 Type2」を取得したベンダーを選ぶことで、自社の内部統制評価・監査対応の負担を軽減できます。
SOC1報告書の取得有無は、IPO準備中の企業や上場企業が電子請求書システムを選定する際の重要な判断基準のひとつであり、取得済みのサービスを優先的に検討するとよいでしょう。
法令対応の状況
法令対応の状況も、長期的な運用を見据えて確認しておきたい項目です。
電子帳簿保存法やインボイス制度に対応した機能が標準搭載されているかを確認しましょう。 加えて、法改正が行われた際にシステム側で自動的にアップデートされる体制が整っているかどうかも、長期的な運用を見据えた選定ポイントとなります。 制度変更のたびに自社で対応を検討する手間を省けるかどうかは、運用負荷を左右する重要な要素です。
既存システムとの連携性
既存システムとの連携性も、統制上のリスクを減らす上で欠かせない確認事項です。
すでに利用している会計システムやERPとAPI連携できるかどうかは、請求データの手入力・二重入力を防ぎ、統制上の入力ミスリスクを減らす上で確認することが大切です。 加えて、取引先が使用している他のシステムとの連携実績が豊富なベンダーを選ぶことで、導入後の運用がスムーズになります。
例えば『BtoBプラットフォーム 請求書』では、会計システム(弥生会計、MFクラウド会計など)や販売管理システム(商奉行、kintoneなど)はもちろん、経費精算・AI-OCR・ビジネスチャットツールなど幅広い外部サービスとの連携に対応しています。
※『BtoBプラットフォーム 請求書』と連携可能なシステムの一覧については、「連携可能なシステム一覧」をご覧ください。
導入実績とサポート体制
導入実績とサポート体制も、電子請求書システムを導入する前に確認しておきましょう。
同業種・同規模企業での導入実績や、上場企業・IPO準備企業における採用シェアは、信頼性を判断する材料になります。 また、導入時の初期設定支援や、トラブル発生時の問い合わせ対応体制が整っているかどうかも、長期的に安心して運用するための重要な確認ポイントです。
電子請求書システムのセキュリティリスクやガバナンスについて、下記資料で7つの評価基準で解説しています。こちらもぜひご覧ください。▼ 請求書DXにおけるセキュリティリスクとガバナンスの最適解 ▼
内部統制・監査対応を電子請求書で強化しよう
請求業務は属人化しやすく、内部統制上のリスクを抱えがちな領域です。電子請求書を導入すれば、承認フローの自動化や改ざん防止、アクセス権限の管理によって統制を根本から強化でき、監査対応の効率化にもつながります。
電子請求書システムを選ぶ際は、セキュリティ認証やSOC1報告書の有無、法令対応の状況まで確認しておきましょう。
自社の選定基準を整理したい方は、セキュリティホワイトペーパー「請求書DXにおけるセキュリティリスクとガバナンスの最適解」をご確認ください。認証・権限管理・監査ログなど7つの評価基準とベンダーへの確認質問をまとめており、比較検討の土台として活用できます。
そのうえで、「属人化した請求業務を見直したい」「監査対応の負担を減らしたい」といった課題をお持ちの方には、国内シェアNo.1※の『BtoBプラットフォーム 請求書』がおすすめです。 ISMS・ISMAP・SOC1 Type2・SOC2 Type2など複数の第三者認証・保証報告書を取得しており、 承認フローの自動化や改ざん防止、アクセス権限管理によって、内部統制の強化と監査対応の効率化を同時に実現できます。まずは資料をダウンロードし、詳細をご確認ください。 ※東京商工リサーチ調べ
※『BtoBプラットフォーム 請求書』のセキュリティの詳細については、「お客様の大切なデータを守る、万全のセキュリティ体制 」をご覧ください。
電子請求書システムのセキュリティリスクやガバナンスについて、下記資料で7つの評価基準で解説しています。こちらもぜひご覧ください。▼ 請求書DXにおけるセキュリティリスクとガバナンスの最適解 ▼
よくあるご質問
中小企業やIPO準備中の企業でも、電子請求書による内部統制・監査対応の強化は必要ですか?
請求業務は属人化しやすく不正の温床になり得るため、企業規模やIPO準備の有無にかかわらず統制強化は不可欠です。特に上場を目指す企業では、監査対応として業務の健全性を証明する体制が求められます。電子化によるフローの透明化と不正機会の排除は、経営上の急務といえるでしょう。
詳細は「請求書業務が統制対象になる理由」をご覧ください。
電子請求書システムを導入すれば内部統制は強化されますか?
はい、強化されます。システム上で承認ワークフローを構築することで相互チェックが機能し、操作ログにより改ざん防止や証跡管理が可能になるためです。その際、システム導入だけでなく、アクセス管理や変更管理といったIT全般統制(GITC)を適切に運用することが前提となります。
詳細は「請求書の電子化で強化できる統制」をご覧ください。
SOC1報告書を取得していない電子請求書システムでも内部統制・監査対応はできますか?
利用自体は可能ですが、自社の内部統制評価や監査対応の負担は大きくなります。SOC1 Type2報告書を取得したベンダーを利用すれば、委託先システムの統制状況が第三者機関により保証されるため、自社の監査対応コストを大幅に軽減できます。IPO準備企業は取得済みのサービスを優先検討するとよいでしょう。
詳細は「電子請求書の監査対応でのメリット」をご覧ください。
