- 業務効率化・DX
【2026年最新版】「導入を決めたのに進まない」を解消!請求書の電子化に向けたロードマップ「90日」の全体像を解説【後編】
最終更新日:2026年9月30日
この記事でわかること3点
【フェーズ3】本番稼働に向けた「稼働準備」の実践的ステップ:システムを選定・契約した後のDay 61〜80に行う、初期設定や既存システムとのデータ連携テストなど、運用体制を構築するための具体的な手順を解説します。
最大の難関を突破する「取引先交渉」と「社内定着」のノウハウ:電子化の成否を分ける取引先情報のマスタクレンジングや交渉術、プロジェクトを「全社ゴト」へと引き上げる社内トレーニング手法を紹介します。
【フェーズ4】稼働後の効果測定と電子化率を底上げするアプローチ:運用開始(Day 81〜90)後に現場のモチベーションを維持するための数値の可視化(効果測定)や、優先順位をつけて効率的に電子化率を向上させるための取引先分析の手法を整理します。
請求書の電子化プロジェクトは、システムを選定・契約してからが本当の勝負です。
「導入を決めたのに進まない」状態を打破するための90日ロードマップを解説する本コラムでは、要件定義からシステム選定までを解説した【前編】に続き、今回の【後編】で本番運用に向けた「フェーズ3:稼働準備(Day 61〜80)」と「フェーズ4:稼働開始(Day 81〜90)」の実践的なステップを解説します。
ツールを導入して終わりにせず、社内外を巻き込んだ運用体制を構築し、「全社ゴト」として真の業務効率化を実現するためのノウハウをご確認ください。
請求書の電子化に向けたロードマップ~90日の全体像~
フェーズ1、フェーズ2はシステム決定前(前編)、フェーズ3、フェーズ4はシステム決定後(後編)の流れです。

STEP10★とSTEP13★はご希望に応じてインフォマートが伴走支援いたします。
システム決定前のフェーズは【前編】をご参照ください。
【フェーズ3】稼働準備(Day 61~80)
システム決定後となるフェーズ3では、システム設定や連携テストを行い、本番運用に向けた準備を進めていきます。
ステップ8 初期設定
利用開始に必要な情報登録やシステム連携などを行います。ここでの設定の精度は、本番稼働後の使いやすさと業務効率に直結するだけでなく、社内の内部統制にもつながるため、重要なプロセスです。
<チェックポイント>
- 会社情報、担当者ごとの権限、請求書のテンプレート設定を行う
社内の承認フローをシステム上に正しく構築し、スムーズかつセキュアな運用ルールで内部統制を確立。自社に合った使いやすいフォーマットを準備し、「誰が作成し、誰が承認するのか」という運用ルールをシステム上に再現します。 - 利用中の会計システム・販売管理システムなどと連携
他システムとのデータ連携(DtoD)を設定は、請求書業務全体の自動化・省力化の基盤です。システム間でデータをシームレスにつなぐことで、手入力による二重作業や転記ミスを防ぎ、大幅な時短を実現すると同時に、人為的なデータ改ざんや入力漏れのリスクを排除します。 - 取引先情報のマスタクレンジングを行う
取引先の最新情報を集約・整理します。重複や古い情報の整理は、次のステップである「取引先への案内」で電子化への移行を交渉する際の、成否を分ける最重要タスクとなります。
【重要】電子化の成否を決めるマスタクレンジングが必要な理由
システムを導入しただけでは電子化は進みません。システムへの移行をスムーズに行うためには、取引先データのクレンジング(整理・統合)が不可欠です。
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導入成功率の最大化
連絡先が「代表電話」や「会社の代表メール」のままでは、電子化の案内が担当者まで届かない、あるいは受付でブロックされる事態が多発します。担当者の「直通番号・個別のメールアドレス」を事前にしっかり整備し、初期の接触率(マッチング精度)を高めることがプロジェクト成功の鍵を握ります。 - 全社DXの土台作り
経理部門の台帳情報だけでなく、営業部門が保有する最新の名刺・連絡先情報を取り込みます。部署間の壁を越えてデータを統合することで、請求書の電子化を「経理だけの業務」から「全社ゴト」へと昇華させるきっかけになります。
<マスタクレンジングのチェックポイント>
- 取引先の直通の電話番号・メールアドレスなどの連絡先を整理し、正確性・網羅性を確保
- 経理情報に加え、営業・関連部署が保有する最新の名刺・連絡先情報を統合
- 企業名・担当者・住所・電話など必須項目の表記ルールを統一し、高いマッチング精度を確保
- メール・郵送・ハガキなど複数の招待手段を想定し、招待漏れを防止
- 取次ブロック回避のため、請求書発行・営業担当者の「直通・携帯番号」をリスト化
「BtoBプラットフォーム 請求書」では、導入前の設計提案、導入時の設定・登録サポート、運用開始後のアフターフォローまで充実したサポート体制を提供しています。
専用トレーニングツールで自己学習しながら、自社でセットアップできる点が特長です。チェックリストがあり、抜け漏れなく進められます。
また、ユーザー同士で交流できるコミュニティ「infomart Cafe Online」や、経理業務のお役立ちコンテンツもご利用いただけます。
ステップ9 既存システムとの連携テスト
基幹システム/販売管理システム/会計システム/ワークフローシステムなど、請求書の発行・受取両面でのデータ連携テストを実施します。
<チェックポイント>
- 発行した請求書データが正しく連携・送信されている
販売管理システムなどと連動し、意図した通りの宛先・金額で請求書データが生成されているかをテスト環境で確認します。「値引き」や「消費税の端数処理」など、実務で起こりうるイレギュラーなケースでも正しく処理されるかチェックしましょう。 - 受領した請求書データが正しくアップロードされている
取り込んだデータが自社の会計システム上の適切な勘定科目や部門コードに紐づき、エラーで弾かれないかのチェックです。仕訳データとして正確に認識され、二重登録などの不具合が起きないかを検証します。 - 内容(レイアウトや値など)に問題ない
文字化けやレイアウト崩れがないか、インボイスの必須項目が正しく表示されているかなど、細部の出力結果を実物データで確認します。自社の印影の表示や、備考欄の文字切れがないかなど、取引先の目に触れる最終的な見栄えもチェックポイントです。
ステップ10 取引先への理解促進と通知
電子化への切替協力を取引先へ依頼します。ここがプロジェクト最大の難関になることも多いため、戦略的に進めましょう。
<チェックポイント>
- システム変更の単なる依頼ではなく、会社の方針・目的を伝える
「なぜ今、電子化が必要なのか」という背景を丁寧に説明し、紛失防止や処理の迅速化など、取引先にとってのメリットも合わせて提示します。業界全体のDXやペーパーレス化といった展望を描いた経営層からのメッセージを添えた案内状を作成し、会社としての公式な方針としてアプローチします。 - 対話履歴を残してコミュニケーションを継続し、自社の「本気度」を伝える
いつ、誰が案内し、どのような反応(検討中、NG理由など)だったかを顧客管理ツール等に記録し、期日を決めて粘り強くフォローする仕組みを作ります。 - 一度NGと言われても紙を承諾しない姿勢を貫くための社内体制を築く
断られて終わりにするのではなく、NGの理由をヒアリングし、プロジェクトリーダーから再度アプローチして不安要素を解消する体制を整えます。取引先の「今まで通り紙で」という要望に安易に妥協しないよう、断られた場合の対応フロー(エスカレーションの手順)をあらかじめ定めておきます。
協力を依頼する交渉術
| 会社の方針・目的の明示 | 「単なる作業のお願い」ではなく、会社としてデジタル化を進める背景や思いをトップダウンで明確に伝える。 |
|---|---|
| トークスクリプトの活用と反応の蓄積 | 電話口での取引先の反応(賛同・検討理由・NG理由)を顧客情報として記録。次回連絡時に「前回〇〇と仰っていましたが~」と引用し、対話をスムーズにする。 |
| 「検討中」の先への期限付きフォロー | 具体的な開始時期を確認し、その時期にまだ紙の請求書が届いた場合は、「開始時期と伺っていましたが、何かお困りごとはありますか?」と寄り添う確認電話を入れる。 |
| 「NG」に対する組織的アプローチ | 対応困難と言われてもその場で理由を聞き取り、不安要素を解消するためにプロジェクトリーダーから再連絡を行う。 |
「自社で取引先に交渉を行うのが難しい…」自社だけのアプローチに限界を感じたとききは、インフォマートのBPO(テレマーケティング)サービスをご利用ください。
インフォマートの膨大なプラットフォームデータと洗練されたトークスクリプトを組み合わせ、取引先への電子化切替依頼を代行するサービスです。
取引先が電子化に消極的な理由の多くは、「1社のためだけに対応するのが手間」という感覚です。
インフォマートのBPOサービスは、「すでに多くの企業がこのプラットフォームを導入しており、業界全体でデジタル化が進んでいます」という流れを示して取引先の前向きな検討を引き出し、承諾率を大きく高める強力な選択肢になります。
取引先からの協力を得るには、交渉術に加え、「諦めないマインドセット」が重要です。ご希望に応じてインフォマートが伴走支援いたします。

ステップ11 全社トレーニング(受取側)
経理部門以外の承認者や発注部門へ教育プログラムを実施します。電子システムの導入は、現場から「新しい作業を覚えさせられる」と敬遠されがちです。現場の混乱を防ぎ定着を促すために、心理的なハードルを下げる工夫を行いましょう。
<チェックポイント>
-
経理以外の承認者・発注部門へのトレーニングが完了
操作手順だけでなく、「このシステムを使うと現場の負担がどう減るのか」という目的も併せて伝え、新しい変化を受け入れてもらう研修(チェンジマネジメント)を実施します。 -
操作マニュアルを全関係者へ配布済み
分厚いマニュアルを配るだけでなく、適切な人数・スケジュールで説明会を開き、ムラなく知識が定着するよう配慮します。全機能が網羅されたマニュアルとは別に、部署ごとの「よくある操作」だけを抜き出した簡易手順書や動画を用意しておくと効果的です。 -
問い合わせ・トラブル時の社内窓口を決定
トラブル発生時に「誰に聞けばいいか分からない」という事態を防ぐため、社内のヘルプデスクをあらかじめ明確にしておきましょう。初期設定のミスや操作の疑問で行き詰まった際に、現場の業務がストップしないよう、すぐにつながるサポートルートを確立します。
現場の混乱を防ぎ定着を促すために、「チェンジマネジメント」を実施しよう
まずは、取引先との関係変化に対応する研修を実施。適切な人数・スケジュールで進めることで、知識が定着しムラのない職場環境をつくります。さらに、「問題発生時に誰に連絡すべきか」を明確にして、指示を出す側・受ける側の双方が迅速に動ける体制を整えます。
この記事を読んでいる人が 注目している機能
【フェーズ4】稼働開始(Day 81~90)
フェーズ4では、運用開始後の定着化を図り、効果測定や利用拡大に取り組みます。
ステップ12 効果測定
数字を可視化し、現場のモチベーション維持を図ります。導入直後は現場に一時的な負荷がかかるため、「苦労した分、どれだけ業務が楽になったか(コストが減ったか)」を具体的に示すことが、不満を解消し定着を促すカギとなります。
<チェックポイント>
- 進捗状況を数値で把握・共有
・郵送・印刷コストの削減額/請求書処理にかかる人件費の削減額
「全社でこれだけの無駄をなくせた」という明確な成果として、プロジェクトに関わった全関係者に定期的に共有して労いましょう。
・請求書1枚あたりの処理時間
「1件あたり〇分短縮=月間〇時間の余裕が生まれた」と現場が体感しやすい表現に変換して伝えることで、新しいシステムへの不満を払拭します。
・入力ミス・転記ミスの発生件数/支払い遅延・漏れの件数
数字に表れるミス件数だけでなく、「絶対にミスできない」という経理担当者の精神的なプレッシャーがどれほど解放されたかも高く評価すべきポイントです。
数字としての成果はもちろん、業務負担の軽減といった目に見えにくい効果も拾い上げることで、新しいフローへの適応に努めた従業員の努力を労い、さらなるモチベーションアップにつなげます。
ステップ13 電子化率をさらに上げるためのアプローチ先選定(受取側)
稼働開始後、すべての取引先がすぐに電子化に応じるわけではありません。データ分析に基づき優先順位の高い取引先から段階的にアプローチし、電子化率の向上を図ります。
<チェックポイント>
- 「取引金額・件数が多い」「すでに何らかの電子プラットフォームを利用している」「ITへの抵抗が少なそう」といった基準で分析を実施
取引件数が多く効果が大きい、ITに慣れていてハードルが低いなど、クロス分析でターゲットを絞り込みます。経理のデータだけでは見えない「相手の社風」や「担当者のITリテラシー」は、日頃からやり取りしている営業や発注部門にヒアリングして分析精度を高めます。 - 電子化の可能性が高い取引先から切り替え協力を依頼
まずは関係性が良好で協力的な取引先から優先的に依頼を行い、その際に得られた「断り文句」や「懸念点」をストックして、次のアプローチの精度向上に活かします。「〇割の取引先が電子化に移行しました」と成功確率を高めてから、難易度の高い先へアプローチします。
ステップ13-2 取引先分析の詳細
取引先分析とは、単に「紙か電子か」で現状を把握するだけでなく、取引先をいくつかのレベルに分類して、攻め方の優先順位を決める手法です。
レベル1最優先
・システム登録済みだが、紙・PDFで請求書を受け取る取引先
・年間取引高や月間請求書受取枚数が、上位20%の取引先
レベル2優先
・他支店/営業所でシステム活用実績がある取引先
・システムにログイン実績のある取引先
レベル3中優先
・IT親和性が高いと思われる取引先
レベル4低優先
・過去に招待を断られた取引先
電子化へ移行しやすい取引先の特定から着手すると、プロジェクトの成果が出やすくなります。インフォマートの膨大なデータ網を照合すれば、「理論値で 80.29%の取引先がデジタル化できる可能性が高い」といった分析が可能です。
この記事を読んでいる人が 注目している機能
90日で請求書の電子化を達成するための秘訣
請求書の電子化は、ツールの導入が目的ではありません。重要なのは、構想策定・選定・稼働準備・稼働開始の4フェーズを踏まえ、現場を巻き込みながら進めることです。成功のカギとなる4つのポイントを整理します。
複雑な処理はツールに集約し、品質を一定に
煩雑な受領・発行処理をツールに集約することで、人的ミスを減らし、誰が対応しても品質が安定する仕組みをつくります。
あらゆる形式を一元管理
紙・PDF・電子が混在する請求書を一元管理し、ハイブリッド運用による工数増加を防ぎます。
現場を巻き込み「全社ゴト」に
経理だけで抱え込まず、経営層へのビジョン共有と全社トレーニングで現場の納得感を高め、定着を促します。
取引先との連携を粘り強く推進
取引先への丁寧な交渉と継続フォローで電子化率を段階的に高め、導入効果を最大化します。

90日のロードマップを着実に実行することで、「導入を決めたのに進まない」状態から抜け出し、確実な定着までたどり着きます。まずは「フェーズ1:構想策定」の第一歩となる現状把握から取り組んでみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介した「あらゆる形式の一元管理」や、難関となる「取引先への交渉」をスムーズに実現し、確実な電子化・業務効率化を目指すなら、電子請求書サービス「BtoBプラットフォーム 請求書」がおすすめです。
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本コラムの内容をまとめた各フェーズのチェックリスト付きの資料は、下記よりダウンロードできます。業務改革の一助にご活用ください。