クラシックマネジメントグループ株式会社掲載日 2022年6月27日

発注のIT化で作業時間30%、棚卸60%、経理業務30%削減。従業員のムダをなくし、本来のサービス業に専念させます。

利用サービス 受発注(発注) | エリア 九州 | 事業内容 ゴルフ場運営事業、スポーツマーケティング事業、スタジオ開発事業 | 取材日 
クラシックマネジメントグループ

福岡を本拠に60年以上にわたってゴルフ場を運営するクラシックマネジメントグループ株式会社。メジャートーナメントを開催するほか、ゴルフスタジオやプロゴルファーの育成支援やマネジメントも手がけています。
同社では、レストランで使用する食材などの仕入れ伝票と請求伝票の金額確認に人手と時間がかかっていたため、作業をIT化することで生産性を向上させました。代表取締役 谷水利行社長にIT化の経緯から業務改善、経営理念について伺いました。

ココがPOINT!

    

取引先どうしの強固なつながりでWIN-WINの関係に

クラシックマネジメントグループ株式会社 代表取締役 谷水利行氏(以下同):当社の事業は、日本女子オープンゴルフ選手権などのメジャー大会でも使用された「ザ・クラシックゴルフ倶楽部」がフラッグシップのゴルフ場運営です。2021年12月には福岡で室内練習場を開業しました。プロのアスリートのマネジメントをする部門もあります。

私自身は、一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会の副理事長と、福岡県ゴルフ協会の副会長も勤めています。

クラシックマネジメントグループ株式会社 代表取締役 谷水利行氏クラシックマネジメント
グループ株式会社
代表取締役 谷水利行 氏

    

従業員による帳票類の“神経衰弱”に絶句

― レストランの仕入れに課題があったと伺いました。

食料品の注文は小ロット多品種で、それが毎日のように発生します。当社のメインの仕入れ先からも仕入れ業務の効率化を図れないかと相談を受け、IT化を進めることにしました。その背景には、私も課題を感じていたからです。

ある時レストランのバックオフィスを覗いてみたのです。そこでは、たたみ1枚ぐらいのテーブルに納品書や請求書などの帳票類をトランプの神経衰弱のように並べ、調理スタッフみんなで必死に伝票合わせをしていました。

これは衝撃でした。こんなことに時間を費やして、神経をすり減らしている場合じゃないぞと。そういう細かい作業から解放して、本来やるべき仕事に集中できるような環境を作らないといけません。

そこで、仕入先からインターネットの受発注システム『BtoBプラットフォーム受発注』の話があり、内容もわかりやすくサポート体制もしっかりしていたので、2021年12月に導入しました。現在は仕入れ先の7割はデジタル化できましたので、全体的な人的労力は非常に合理化できたと感じています。

 

時間をお金で買う、という経営の発想を

― 厨房スタッフの“神経衰弱”の課題は解消されたのでしょうか?

はい、神経衰弱から解放されて飲食の経理関連が一番恩恵を受けたと思います。もっとも大きなメリットは、やはり発注に関する時間の削減です。私どもはほぼ年中無休で営業していますが、業者さんによっては土日に対応していないこともあります。そういう業者さんに商品を発注しようとすると、電話かFAXかインターネットになります。

電話はもちろん、FAXだと相手がお休みのときに受信ができているのかわからないことが少なくありません。注文したくても、月曜日にならないと発注できないとなるとストレスを抱えたまま持ち越すことになります。24時間いつでも発注できるというのは、現場では非常に役立っていると感じます。

結果として、1日の仕入れにかける人員と時間を30%ほど削減しています。それだけでなく、仕入れに関連した業務で棚卸の時間が60%、経理業務で30%ほどの作業時間が減り、生産性が上がりました。それに、ペーパーレス化に伴う伝票の保管場所や保管作業に付随するコストの削減も進みました。電子帳簿保存法にも対応していますので、法律が変わったからといって、大きく準備する必要もなくなりました。

「お金で時間を買う時代」といわれますが、コストの比較には、作業時間をどれだけの費用でペイできるか比較するという視点が重要になってきます。地方のサービス業は、これまで人海戦術で賄ってきた過去があります。都会に比べて労働力もそれなりに確保できたので、システム化するより人数をかけて対応するという体質が染み付いています。ITより電卓があればいい、という傾向がありました。

当社でも週40時間の労働時間のルールの中で、完全週休2日制に移行いたしました。それには時間をかけて人数を投入すればどうにかなる、という考え方から根本的に脱却する必要があります。費用が多少かかったとしても時間が短縮できるのであればITに投資しようという判断です。

― その背景にあるのは経営理念ということになりますか?

そういっていいかもしれません。京セラ稲盛さんの経営哲学も、時間あたりの採算性を大事にしています。1時間でどれだけの付加価値を生み出したかということが大事で、そのために投入する労働時間をとにかく減らす前提でものごとを考えないといけないと思います。

当社では企業経営の目的や意義として「全従業員の物心両面の幸福を追求する」ということがあります。サービス業だから土日休めなくて当たり前とか、朝から晩まで働くのが当たり前とか、そういうことからの脱却が必要です。ワークライフバランスを考え、ご家庭での時間も大切にしてもらいたいし、何も朝から晩まで会社に詰めて生産性の低いことを長時間やらなくていいと考えています。

  
 
    

より魅力的な飲食業・サービス業になるために

― その経営理念の結集と思いますが、御社は「健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)」に認定されています。

この認定には、「残業が少ない」「休日がきちんと取れるか」「有給が正しく取れるか」など、いくつかの指標があります。ただし、当社は認定を取るために業務の改善をしてきたのではありません。ITツールを取り入れ、お金で時間を買うという発想もあって、結果として認定いただいたのです。サービス業にしても飲食業にしても、この業界に入りたいという人が増えるような状況ができるといいと思います。

  

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クラシックマネジメントグループ株式会社

設立1959年12月
事業内容ゴルフ場運営事業、スポーツマーケティング事業、スタジオ開発事業
本社所在地福岡県宮若市倉久1-3
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