株式会社河口湖第一ホテル掲載日 2022年11月14日

仕入れのCSVデータを会計ソフトにインポート。
請求書と納品書の金額確認作業が解消しました。

利用サービス 受発注(発注) | エリア 北陸・甲信越 | 
事業内容 旅館業 | 取材日 
株式会社河口湖第一ホテル

山梨県の河口湖温泉郷にある「風のテラス KUKUNA」は、南国リゾートをテーマにした客室65のホテルです。旅行代理店のアンケートでは入浴設備部門、客室部門など4部門で1位を獲得しました。この功績を作ったのが、平均年齢28歳という若手従業員たち。

同ホテルを運営する株式会社河口湖第一ホテルは、従業員が働きやすい職場を作るため勤務時間の見直しやジョブローテーション、『BtoBプラットフォーム 受発注』のITを導入しています。取組内容について同社幹部にお話を伺いました。

ココがPOINT!

若手中心の職場の作り方

―『風のテラス KUKUNA』について教えてください。

宿泊部 支配人 小嶋孝治氏(以下、小嶋氏):富士山の麓にある富士五湖のひとつ河口湖畔で、1953年に河口湖第一ホテルとして創業しました。その後、創業者の孫にあたる現社長の宮下明壽が、創業50年の節目に約1年間休業して全館大規模リニューアルを行い、2006年に『風のテラス KUKUNA』として生まれ変わりました。和風テイストから南国リゾートスタイルへの大規模な転換でした。

調理・料飲部 総支配人 牛王昭彦氏(以下、牛王氏):かつては旅行のスタイルも団体旅行が中心でしたが、時代も変わり、個人が時間やお金を自由に使う時代になりました。それに伴い、宿泊施設の在り方も変化しています。私たち調理・料飲部でも、季節ごとに社長以下、幹部を集めて試食会を開き、メニューを検討し、また料理を盛り付ける皿も入れ替えるなど、時代のニーズに合わせて柔軟に対応しています。

『風のテラス KUKUNA』ロビー

『風のテラス KUKUNA』露天風呂

―コロナ禍では、どのような取り組みをされたのでしょう?

小嶋氏:新型コロナウイルスが流行して休館せざるを得ない時期もありましたが、山梨県のコロナ対策モデルである「やまなしグリーン・ゾーン構想」が発表された2020年5月以降は、客室稼働率7割を守り、休むことなく営業しています。

おかげさまで、コロナ禍でもお客様からはたくさんのご予約をいただき、ハイシーズンに限らず、平日でも7割に達することもあります。

宿泊部 支配人 小嶋 孝治 氏宿泊部 支配人
小嶋 孝治 氏

―『風のテラス KUKUNA』は、若いスタッフの方が多いですね。

牛王氏:厨房では、入社1年目から3年目の社員が大半で、5、6年目が数人と料理長が3人という体制です。若い人材を確保するために、大学や高校、調理師専門学校などとのつながりを大切にしています。調理師学校では東京都内などの4校とのお付き合いがあり、10年に渡って学生の研修を受け入れています。

学校の先生との信頼関係を地道に築くことで、学校にとっては安心して生徒を預けられる研修先であり就職先であると認識してもらえますし、私たちにとっては若い方と一緒に働くことで新しい価値観をどんどん取り入れることができると思っています。

小嶋氏:現在、社員の平均年齢は28歳ですから、ホテル・旅館業界でも若いと思います。若い従業員に気持ちよく働いてもらうために、旧来の旅館業のような朝早く出社して、間に中抜けの時間があり、夜は遅くまで勤務するというスタイルはやめました。効率よく仕事ができるように、1人の従業員がフロントやレストラン、清掃など、さまざまな業務を行い、中抜けの時間を作らないマルチタスクシフトを行なっています。

働きやすい環境を作るために、若い従業員の意見も取り入れながら進められたことが一番の成果です。やはり笑顔で楽しく仕事ができなければ、お客様を笑顔にはできません。

社長室室長 ソムリエ 水本育男氏(以下、水本氏):職場づくりに関しては、各部の幹部を入れ替えるジョブローテーションも行いました。新しい発想が生まれ、職場の雰囲気も変わります。それに幹部が変わることで、あらためて若い従業員の得意不得意が見えてくるというメリットもあります。

調理・料飲部 総支配人 牛王 昭彦 氏調理・料飲部 総支配人
牛王 昭彦 氏

『風のテラス KUKUNA』メインダイニング MOONBOW:料理

専任の経理担当不在でも、月次決算の負担はなし

―事務作業ではどのような改革をされていますか?

水本氏:2018年に経理担当者2名が同時に退職することとなり、経理作業が手薄になってしまい、作業の効率化、簡略化が必要になりました。そこでインフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入して、経理作業でも負担の大きい食材に関する伝票のデジタル処理に取り組みました。

社長室室長 ソムリエ 水本 育男 氏社長室室長 ソムリエ
水本 育男 氏

―受発注システムの導入効果はありましたか?

水本氏:食材の取引先71社のうち69社に協力いただき、伝票のデジタル処理はほぼ達成できています。一番大きな効果が仕入れ伝票のやりとりが楽になったことでした。以前は、月次決算のために毎月一週間近くかけて、納品伝票を1枚1枚確認しながら、請求内容と突き合わせる作業をしなければなりませんでした。

現在は毎日の業務として、納品データをCSVにして会計ソフトに流し込む作業だけです。月末にはすでにデータが揃っていますので、紙の伝票をひっくり返して突き合わせる作業をしなくて済みます。

以前は、経理担当2人体制でしたが、現在は私とパート社員2人、合計3人で行います。3人とも経理専任ではありません。私は社長室長の業務とソムリエとして接客も行いますし、パートの2人もそれぞれ別の専任業務があります。経理専門の従業員がゼロでも十分に業務が回せています。

―調理・料飲部では、導入の効果はいかがでしょうか?

牛王氏:料飲部門では週に5回は発注しますし、取引先によって午前、午後と1日2回行うこともあります。以前はFAXか電話での発注で、FAXだけでも毎日10枚、月に200枚ほどの量です。それにFAXが送れなかったり、裏表を逆に送ってしまい、翌日になって取引先から「真っ白でした」と連絡が来たりすることもありました

BtoBプラットフォーム 受発注』を導入してからは、まず厨房で紙に必要なものを書いて、パソコンのある部屋で入力・発注作業をしています。FAX送信の時間に縛られることもなくなり、パソコンに打ち込むだけなので作業そのものも楽になりました。発注内容の記録が残るので安心感があります。

というのも、食材が届くとすぐに用度担当が納品伝票と届いたものに間違いがないか検品します。その後、厨房に食材を移動して、料飲部で改めて検品して、自分たちが欲しかった食材が、ちゃんと入っているか、発注時のメモ書きを見ながら確認します。もしメモ書きを失くしても、システムに記録が残っています。取引情報が残るため、発注忘れなのか、取引先の納品漏れかがすぐに分かります。

『風のテラス KUKUNA』メインダイニング MOONBOW:料理4種

『風のテラス KUKUNA』メインダイニング MOONBOW

アレルギー対策での活用も視野

―受発注作業のデジタル化をされましたが、今後の展望についてもお聞かせください。

牛王氏:現在は発注機能のみ使用していますが、今後は仕入れ情報をもとにしてアレルギーのある方や海外の方でも安心して食事を楽しんでもらえるような、アレルギー対策やハラルフード対策などにも利用できないかと考えています。

水本氏:私も経理作業の負担が少ないので、ソムリエとしての仕事に時間を割くことができます。今後は、現在もプロジェクトを進めている、弊社独自のワイン作りにも注力していきたいですね。

『風のテラス KUKUNA』ワイン

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株式会社河口湖第一ホテル

設立1953年
本社所在地山梨県富士河口湖町浅川70
代表者代表取締役社長 代表取締役社長 宮下 明壽
事業内容旅館業
企業サイトhttps://kukuna.jp/
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