島根県松江市に本店を置き、山陰・山陽エリア、関西・東京と広域な店舗ネットワークをもつ株式会社山陰合同銀行様。地域企業の良き相談相手として、金融事業だけでなくコンサルティング事業にも注力しています。顧客への提案に欠かせない外部環境分析の効率化のために、『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』を導入。法人営業をサポートする生成AIへの活用という新たな展開も始まりました。
サービス導入の背景と効果
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課題
- 個人の裁量に委ねていた分析および提案の質を高度化したい
- 情報収集に時間がかかる事業性評価ツールの作成を効率化したい
- 人材育成に要する時間と負担を軽減したい
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決め手
- ネット環境があればどこでも見られ、図表も視覚的
- 専門家が分析・執筆した鮮度の高い内容が集約されている
- 経験の浅い行員でも利用でき、情報の二次利用が可能
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効果
- 企業の成長性等を測る際の外部環境分析が効率的に
- 集約された情報で事業性評価ツールの作成時間を短縮
- 提案ポイントをサポートする生成AIが参照するデータに活用
広域ネットワークとお客様の課題に応じたコンサルティングが強み
事業内容と、所属されている営業店支援グループの業務内容について教えてください。
ソリューション営業部営業店支援グループ 田中 純氏(以下、田中氏):
山陰合同銀行は「ごうぎん」の愛称で親しまれている、島根県松江市に本店を置く地方銀行です。島根、鳥取を中心に、山陽エリア、兵庫・大阪、東京など、本支店64店舗と44出張所という、地方銀行の中でも広域な店舗ネットワークを有しています。融資業務や預金業務を中心に、あらゆる金融ニーズにお応えしており、私たちが所管している法人向けコンサルティング業務も含め、地域の良き相談相手として頼りにされ続ける銀行を目指しています。
ソリューション営業部営業店支援グループ グループ長 矢田 哲也氏(以下、矢田グループ長):
当行は、銀行業務のメインである金融事業だけでなく、お取引先の課題に応じたコンサルティングサービスを強化しているのが特徴です。ソリューション営業部営業店支援グループは、各営業店におけるコンサルティング活動の活性化支援をミッションとしています。事業性評価制度の設計・運営、その他企画業務を担っており、私の役割はその統括です。
営業店支援グループは、銀行ではよく設置される部署なのですか?
矢田グループ長:
もしかすると、あまり一般的ではないかもしれません。私たちは銀行として金融事業には長年取り組んでまいりましたが、社会構造はデジタルシフトや価値観の多様化などで大きく変化しています。お取引先の経営環境を支え、成長軌道につながるサポートを充実させるには、より質の高いコンサルティングサービスの提供も必要ではないかと、新設した部署です。私たちは文字通り各店舗の営業担当者が行うコンサルティング活動の支援を行っています。
若手行員の提案を元に、法人営業活動の効率化に取り組む
『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』導入の背景を教えてください。
田中氏:
コンサルティングサービスを提供する上では、お客様やその業界を理解していないと、何に困っているのかという課題が見えてきません。そこで各店舗の営業担当者は、企業訪問や経営相談で得た情報に加え、PEST分析やファイブフォース分析といった外部環境分析も組み合わせた事業性評価ツールを使い、お客様の課題を掘り起こし、理解するようにしています。
従来、事業性評価ツールの作成に必要な情報収集は担当者個人に任せていました。特に外部環境分析に必要な業界情報は、新聞や業界団体のホームページなど様々な媒体から拾い集める必要があり、どうしても時間がかかります。また、融資業務で使う情報収集システムも行内ネットワークでしか利用できない制約がありました。
法人営業担当50人へ実施したアンケートでは、平均で1日1時間ほど調査に時間を費やしていると判明しました。簡単な事前調査であれば10分程度ですが、事業性評価に関わる調査では数時間を要しており、効率化の必要性が明らかになったのです。
『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』導入のきっかけは、若手行員による社内のビジネスアイデアコンテストです。「法人営業活動の効率化」をテーマに、同じ地方銀行ですでに導入している他行様の活用事例も参考にしながら、情報収集の効率化・省力化につながる施策として提案したところ、「面白そうだ」という評価を得て、営業店支援グループでの導入検討に進みました。検討から導入に至るまでは1カ月半ほどです。
導入の決め手になったのはどういったところですか?
矢田グループ長:
インターネット環境があればどこでも見られて手軽ですし、図表も視覚的です。必要な情報が1カ所にまとまっているので、経験の浅い若手でもしっかり情報収集ができます。
行員の経験に差がある中でも、できるだけ誰でも使いやすいことは重視していたポイントです。法人営業の教育ツールとしても活用できそうだと思いました。
田中氏:
特に、これまでWeb上で集めていた情報は出典のエビデンスを逐一確認する必要がありましたが、『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』の「業界レポート」は、経営コンサルタントが最新データをもとに分析・執筆している点が安心材料になっています。
各業界のトレンドや動向、課題、提案ポイントといった情報が正確で鮮度高く網羅され、あちこち遷移しながら探す手間がなくなりました。これが大きな時間短縮につながり、従来1時間ほどかけていた外部環境分析も、10分程度で出来るようになりました。
導入後は本支店、出張所全体で9割近くと、高いご利用率で驚いています。
矢田グループ長:
導入にあたっては、行内向けに「『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』という便利なサービスがあり、このたび導入します」と発信し、間髪入れず勉強会を開催、操作方法などを実際に見てもらい、営業担当に使い方を把握してもらいました。
また、これまで個人のやり方に任せていた外部環境分析については、PEST分析やファイブフォースがまとまっている『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』を参考にして、事業性評価ツール作成時の一助とするようにアナウンスしています。
「業界レポート」や「特集レポート」が更新された際は行内のポータルサイトで周知したり、年に一度支店長が集まる会議の際も活用を促したりしているので、そういった継続的な活動の効果かもしれません。
田中氏:
営業店によっては有志で集まって、『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』を使った事業性評価ツールの作成などの勉強会を実施しているとも聞いています。勉強会の後などに集中的にログインすることで利用率も高まり、積極的な利用につながっているのだと思います。
今後の展望をお聞かせください。
矢田グループ長:
これを機に法人営業活動の効率化を進め、お客様へのご提案のクオリティをますます高めてほしいですし、特に若手行員に積極的に活用してもらいたいと思っています。レポートのボリュームが適量で更新頻度も高く、日々の忙しい営業活動の中でも最新動向をつかめるのは大きなメリットです。
経験の浅い若手行員は、そもそも何をどう見たらいいのかがわからないとの声もよく聞きます。法人営業の教育ツールのような展開で、行員のスキルアップにつなげていければと思っています。
※ここまでの内容は2024年2月の取材に基づいたものです。以下では、2026年4月から本格始動した生成AI活用の新たな取り組みについて紹介します。
生成AIをはじめとしたソリューション活用による提案力向上と、人材育成への期待
2026年4月より法人営業担当の人材育成に生成AIを活用しているとお聞きしました。
法人ソリューション部 営業店支援グループ 副企画役 安達 尚吾氏(以下、安達氏):
当行では、法人営業担当者育成の高度化を目指し、①「企業分析におけるAIサポート」、②「法人営業AIナビ」、③「AI営業ロープレ」の3つの人材育成施策を本格展開していく予定です。
従来、自分たちで分析していたものを一部自動化したものが①「企業分析におけるAIサポート」で、③「AI営業ロープレ」は、法人営業が顧客提案するにあたって想定課題やヒアリングを練習する場に外部製品の生成AIを活用します。
私が主に普及推進を担っている②「法人営業AIナビ」は、営業活動に必要な情報の整理や提案ポイントの抽出を生成AI がサポートする取り組みです。その仕組みは、外部製品のAI法人営業支援ツールが顧客情報や財務情報、業界情報をセキュアに集約し、過去の交渉履歴や提案内容などをもとに、取引先ごとの提案素案を作成するというものです。掲載レポートの二次利用が可能な『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』は、提案仮説や経営課題の整理に活用する情報源のひとつとなっています。
「法人営業AIナビ」はどのような取り組みでしょうか?
安達氏:
これは、2年ほど前から検討をはじめ、1年前から本格的に進めてきたプロジェクトです。外部製品であるAI法人営業支援ツールを導入する構想時点から、どんな情報を流し込めばより効果的か、検討を重ねてきました。銀行は数字に表れている情報を持っていますが、それだけでは業種固有の論点が弱いのが課題です。顧客が置かれている状況やトレンドも組み込みたい発想がありました。
そういった情報はWeb上から収集するよりも、できるだけ同一のソースが望ましく、それには、すでに利用していた『BtoBプラットフォーム 業界チャネル』の業界レポートが有効そうでした。経営コンサルタントが作成し、幅広い業界のトレンドや課題、展望がシンプルにまとまっており、このレポートの活用が最適ではないかと考えたのです。
法人営業人材の育成に、生成AIをはじめとするデジタルツールを活用する狙いをおきかせください。
安達氏:
法人営業では、どうしても経験年数や知識量によってヒアリングの深度や課題把握の精度に違いが生まれ、ノウハウが属人化しやすい状況にありました。このプロジェクトを通じて提案仮説を整理し、経験の浅い行員でも一定水準以上の顧客理解や提案品質を獲得し、コンサルティングに集中できる環境づくりを目指しています。
今後も、デジタルを活用した営業活動の効率化と提案品質の向上を進めるとともに、行員一人ひとりの自律的な成長を支援し、人材育成の高度化につなげていきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。