飲食店向けの業務用洗剤やゴム手袋、ラップ、ポリ袋など厨房消耗品全般を販売する九州静光。福岡を拠点に、飲食店のニーズに応える約1000アイテムを取り揃えています。同社の課題は1日100件にのぼる留守番電話やFAXでの受注業務。類似した商品名が多く、商品の特定や伝票作成が煩雑になっていました。
そこで、LINEを使った受発注システム『TANOMU』を導入。取引先の8割が発注方法を『TANOMU』に切り替えたことで、受注業務が劇的に改善。さらに販促機能で注文数も増えているといいます。
ココがPOINT!
- 2時間超の受注作業が1時間未満に短縮
- 営業判断が必要な商品の受注でも事務員にて伝票起票が可能に
- 「おすすめ商品」カタログで、未取引商品の注文を獲得
オリジナル洗剤を中心に、飲食店が必要な厨房消耗品を幅広くカバー
事業内容について教えてください。
営業部 営業2課 課長(以下同):
当社は親会社の静光産業が製造するオリジナルの業務用洗剤や厨房用クリーナーを販売しています。卸を通さず直接取引を行うため、質の良い洗剤を低価格でご提供できるのが強みです。その他にも、飲食店様が必要とされるラップ、ポリ袋、ゴム手袋などの消耗品を幅広く取り揃えており、まとめて仕入れられるとご好評をいただいています。
取引先は九州全域と沖縄県の約600社で、その約8割が飲食店様です。一日100件ほどのご注文をいただき、繫忙時には200件ほどに上ります。
電話やFAX、手入力による煩雑な受注業務が課題
以前はどのような受注対応をされていましたか?
インフォマートの受発注システムなどを通じたデータ注文が約4割、FAXが4割、電話が1割、問屋さん専門の受注システムが1割ほどでした。他には、従業員の社用携帯に留守電やショートメールでご注文いただくこともありました。
特に、電話やFAX、メールでの注文は、処理の負担が大きいのが悩みでした。当社が取り扱う洗剤やゴム手袋などは、同じ商品名でもシリーズや規格が複数ある場合があり、商品の特定に手間がかかります。休日に従業員の携帯電話にご注文をいただくと、休み明けに対応を忘れてしまうこともありました。一度の電話で10品ほどご注文いただく際は、商品を書き留めるのが大変で、留守電は聞き取りづらいときに何度も再生していました。FAXでは、達筆な手書きで判読しづらい、あるいは差出人が記載されていないといった問題もありました。
不明な点があれば確認する作業が発生しますが、飲食店様は深夜まで営業しているところも多く、午前中は担当者が寝ているなど、連絡が取れません。そのため、夕方になって取引先から「発注書をFAXしたのに商品が届いていない」という連絡を受け、緊急で対応することもありました。
売上向上に向け、効率的なPR方法を検討していた
受発注システム『TANOMU』導入に踏み切った理由を教えてください。
当社はコロナ禍が終わっても、すぐには売上が戻りませんでした。さまざまなコストが高騰し、人件費も上がっているため、飲食店様も大変な状況が続いていたのです。
そこで、受注の課題解決と効率よくPRする方法を検討していたところ、インフォマートから、受注と販促の両方を改善できる受発注システム『TANOMU』についてお知らせをいただいたのがきっかけです。
煩雑な受注が改善し、一回の注文数も増加
『TANOMU』の導入によって、どんな変化がありましたか?
留守番電話やFAXによる受注の負担が劇的に減りました。導入当初、お取引先様に『TANOMU』による発注切り替えをご案内したところ、そのうちの8割が切り替えてくださいました。
さらに、一回に多くの商品を注文していただけるようになりました。お取引先様は、スマホで『TANOMU』の「いつもの商品」画面を見ながら、在庫と照らし合わせて発注されているようです。
また、『TANOMU』の『おすすめ商品』画面で、これまで発注されたことがなかった商品にも気付いていただけました。「九州静光はこれも取り扱っているのか」と、当社が多くの商品を取り揃えていることをご存じなかった飲食店様が、商品画像と価格を見て、ネットショッピング感覚で発注されるのです。
以前であれば5品程度だったお客様が、今では10品以上を一度にご注文してくださることもあります。発注のしやすさ、わかりやすさによって機会損失がなくなり、感覚値で月間30万円ほど売上が伸びていると感じています。
受注の業務では、FAXを読み解く作業や、留守電の聞き直しの作業がなくなりました。2時間以上かかっていた作業が1時間未満で終わるようになり、伝票に入力する項目もわかりやすいのでミスも減りました。以前は、商品知識が乏しい経理事務には難しかったため私ひとりで対応していた伝票の起票も、今は『TANOMU』のおかげで経理事務のスタッフでも対応できるようになり、私が不在の場合でも快く引き受けてくれます。
費用対効果を実感し、新規取引先の開拓にも貢献
取引先の反応はいかがでしたか?
デジタルは不得手という方からも「使ってみたら良かった」という感想をいただいています。LINEとメールの違いが分からなかった方が『TANOMU』をお使いいただき、LINEも使えるようになったと喜んでいらっしゃいました。
初期費用やランニングコストを考えても、費用対効果は十分にあると思います。受発注システムは、当社はもちろん、取引先にもメリットがあるので、営業する際にも強みのひとつになります。お取引先様が「九州静光は『TANOMU』を使っているよ」とお知り合いにご案内いただくこともあり、新規取引先の開拓にも繋がっています。まだご案内していない取引先にも、スマホ発注できる『TANOMU』を広げていきたいです。
『TANOMU』の情報整理は、自社のカタログを作る作業
今後の展望についてお聞かせください。
当社は取扱アイテム数が1,000品以上あります。多くのお取引先様に商品を知っていただくため、『TANOMU』の販促機能を活用して「おすすめ商品」カテゴリを作り込んでいます。そうすれば、お客様からの注文も増え、売上向上につなげていけるでしょう。
受発注システムをご利用のお取引先様の中には、納品書や請求書はシステム上で完結できるので、紙は不要といっていただける取引先も増えてきました。今後は、問屋さんからのFAX注文も受発注システムを活用して効率的に受注していきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。





