
人口が減少していく日本
人口減少が課題と言われてずいぶん経ちます。各地域の人口の数の減少や構造の変化に対応し、自治体や企業はどんな人材を、何人確保し、どんな仕事をさせるのか具体的な検討や対策は進んでいるのでしょうか。特に地域の活性化のためには、地域の企業が優秀な人材を確保することが必要不可欠です。地域の企業も、自治体も、スリムで強靭な体制にすることが求められています。昨年12月に、国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」では、日本の総人口と生産年齢人口(15歳から64歳)は以下のように減少するとされています。
①日本の総人口と生産年齢人口の推計
【総人口】
- 2020年:1億2600万人
- 2030年:1億2000万人
- 2040年:1億1200万人
- 2050年:1億400万人
【生産年齢人口(15歳~64歳)】
- 2020年:6900万人
- 2030年:6500万人
- 2040年:5800万人
- 2050年:5100万人
②都道府県庁所在地別の総人口と生産年齢人口の推計(中央値)
【総人口】
- 2020年:40万人
- 2030年:38万1000人
- 2040年:35万7000人
- 2050年:32万6000人
- (※1)
【生産年齢人口(15歳~64歳)】
- 2020年:22万人
- 2030年:20万7000人
- 2040年:18万2000人
- 2050年:15万8000人
- (※2)
(※1)さいたま市、新宿区、福岡市以外の市は人口が減少します。
(※2)2030年までは、さいたま市、新宿区、福岡市を除き、2040年までは新宿区を除き、2050年まではすべての市区で減少します。
③市区町村別の総人口と生産年齢人口の推計(中央値)
【総人口】
- 2020年:2万4000人
- 2030年:2万2100人
- 2040年:2万人
- 2050年:1万7800人
【生産年齢人口(15歳~64歳)】
- 2020年:1万2000人
- 2030年:1万800人
- 2040年:9100人
- 2050年:7400人
①~③出典:「日本の地域別将来推計人口(令和5(2023)年推計)」(https://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson23/t-page.asp)
DXに取り組むスピードが地域間の大きな差を生み出す
2040年、2050年もあっという間に訪れます。機械ができることは機械に任せ、人間がやるべき業務に集中し、個人の能力を存分に発揮し多くの価値を創造する社会に一刻も早く移行することが必要ではないでしょうか。きっとそんな地域に多くの人々が惹かれ、大きく差が開いていくのではないでしょう。DXも活用し、少数精鋭が存分に活躍する地域を作ることが求められています。
本コラムの著者プロフィール

一般社団法人 未来創造ネットワーク 代表理事
松藤 保孝 氏
自治省(現総務省)入省後、三重県知事公室企画室長、神奈川県国民健康保険課長、環境計画課長、市町村課長、経済産業省中小企業庁企画官、総務省大臣官房企画官、堺市財政局長、関西学院大学大学院 法学研究科・経営戦略研究科教授、内閣府地方創生推進室内閣参事官等を歴任し、さまざまな政策の企画立案、スリムで強靭な組織の構築、行政の業務方法や制度のイノベーションを推進。一昨年退官後、地域の個性や強みを生かすイノベーションを推進する活動を行う。