見積書テンプレートの例、作成の流れや注意点を解説

本記事では、建設業で使う見積書のテンプレートの例や、作成するときのポイント、注意点などを紹介します。

建設業の見積書とは、建設工事の合計金額や内訳が記載されている書類です。主に表紙・内訳書・条件書で構成されています。見積書は、Excelのテンプレートを使って作成するのが一般的です。この記事では、建設業でテンプレートの参考になる標準的な書式や、見積書を作成する流れとポイント、注意点を解説します。

見積書の構成とテンプレートの参考になる書式

はじめに、建設業で用いられる見積書の構成と、必要な項目を紹介します。

国土交通省の「公共建築工事見積標準書式(建築工事編)(令和5年改定)」によると、見積書は大きく分けて以下の3つで構成されています。

  • 見積書表紙
  • 見積内訳書
  • 見積条件書

国土交通省の同資料では、見積書の標準書式が紹介されています。建設業の見積書に必要な項目が網羅されているので、それを参考にしながらExcelを使ってテンプレートを作成してみるのも一つの方法です。

続いて、上記3つの構成について、国土交通省の標準書式と項目を一つずつ解説します。

見積書表紙

出典:公共建築工事見積標準書式(建築工事編)(令和5年改定)|国土交通省

見積書表紙には、以下の項目を記載します。それぞれの概要を見てみましょう。

見積書表紙に記載する項目
見積金額 見積の合計金額
現場労働者に関する法定福利費
雇用保険、健康保険、介護保険、厚生年金保険に関する、法定の事業主負担額
対象工事に関する項目
工事名
工事場所
見積発行年月日
見積有効期限
受渡方法
支払条件
作成者に関する項目
製造業者または専門工事業者名
上記の所在地
見積作成者の氏名
見積作成者の連絡先

見積内訳書

出典:公共建築工事見積標準書式(建築工事編)(令和5年改定)|国土交通省

見積内訳書には、以下の項目を記載します。

  • 見積対象の品目
  • 工事の要求仕様
  • 適用及び項目(法定福利費の項目を含む)

見積内訳書には、後に発生しがちな「言った・言わない」のトラブルを避けるために、工種ごとに数量・単価を正確に記載しておく必要があります。その理由の一つとして、仕入れ時期によって建築資材の仕入れ値が変動した場合、工事にかかる原価率も変わることになる点が挙げられます。見積段階でできるだけ正確に原価を見通しておかなくては、「実際に工事が終わってみたら、赤字になった」「着工前に発注者へ提出した見積金額と、実際の請求金額に大きく差が出た」といった事態にもなりかねません。

また、一式表示は基本的に認められず、数量や単価を工種ごとに記載する必要があります。次の表で、書き方の悪い例と良い例を見てみましょう。

悪い例)


数量 単価 金額
工事A 一式
1,000,000円

良い例)


数量 単価 金額
工事A

1,000,000円
工事A-1 100m 2,500円 250,000円
工事A-2 100m 7,500円 750,000円

見積条件書

出典:公共建築工事見積標準書式(建築工事編)(令和5年改定)|国土交通省

見積条件書を作成する目的は、工事範囲に含める項目と、含めない項目を明確にするためです。これは、発注者側が作成し、発注者の意図する見積の対象範囲や施工条件を、受注者へ正確に伝える役割を持っています。

建設業法第19条第1項によると、発注者は見積条件を記載しなければならず、具体的な内容が確定していない場合、それを明示する必要があると定められています。

また、受注者は、見積書と合わせて見積条件書を提出する必要があります。それによって、「発注者が意図している見積条件を確認した」という意思表示が可能です。

建設業で見積書を作成する流れ

見積書は、建設予定の建物の設計図や、建設現場の情報(見積条件書)をもとに作成します。見積書を作成する基本的な流れは、次のとおりです。

  1. 発注者が、設計図や見積条件書を、実際に工事を行う受注者に対して提示
  2. 受注者が発注者へ見積書を提出する

なお、この見積書は前述のとおり、見積書表紙・見積内訳書・見積条件書で主に構成されることとなります。

発注者側の設計図や見積条件書が詳細に書かれているほど、実際にかかる工事費用との差分が生じにくくなります。また、正確な見積書は後のトラブルを防止し、社内外で工事内容を説明する際にも役立ちます。

ところが、見積書にミスがあると、請求書の合計金額との差が大きくなるケースも想定されます。そのため、金額や数量など数値の入力ミスや漏れを無くすことが重要です。

建設業で見積書を作成するときのポイント

ここからは、建設業で見積書を作成する際のポイントを紹介します。

内訳を階層ごとに分ける

見積内訳書を、工事の階層ごとに分けて整理することで、工事内容を把握しやすくなります。

たとえば、左官工事の場合、モルタル工事、吹付工事、洗い出し工事などのカテゴリーが考えられるでしょう。「左官工事」と一式で書くのではなく、内訳を詳細に記載することで、視認性が高まり信頼性も向上します。

見積作成日と見積有効期限を記入する

見積書の作成日と、見積有効期限を明記しましょう。

見積有効期限とは、提示した金額で契約ができる期間のことです。契約まで時間が空いてしまうと、資材価格や工期が変動する可能性があるため、見積有効期限を設定する必要があります。一般的に、見積有効期限は2週間から6カ月で設定します。

建設業で見積書をExcelのテンプレートで作成するときの注意点

一般的に、建設業において見積書はExcelのテンプレートを活用して作成することが多いといえます。

2024年2月に当社が実施した調査によると、建設業における見積書の受け渡し方法は、「Excelやスプレッドシート」がもっとも多いことがわかりました。

しかし、Excelのテンプレートで見積書を作成し、PDF化して発注者にメール添付などで送信する作業が伴います。

発注者側で、合意した見積書をもとに発注書を作成する際、PDF形式の見積書の金額をシステムに手入力する必要があります。これは、手間がかかるばかりか、入力ミスや漏れが発生する恐れもあるでしょう。とくに、大規模工事の場合には、数量が大きくなりやすく、ミスや漏れによって数万円〜十数万円単位で損失が出てしまうケースも想定されます。

また、発注書を受け取った受注者側も、見積書と発注書を照合する作業が必要になるなど、双方にとって労力がかかり、担当者の負荷が大きくなりがちです。さらには、取引先ごとにテンプレートの書式が異なり、確認作業が煩雑になりやすいという問題点も挙げられます。

そこで、ITツールを導入して見積書を電子化する方法がおすすめです。次章では、見積書を電子化するためのITツールの特徴を見てみましょう。

見積書の電子化におすすめ:テンプレート対応の「BtoBプラットフォーム TRADE」

建設業において、取引先と共通のテンプレートを活用しながら、見積書を電子化したい場合には、「BtoBプラットフォーム TRADE」の活用がおすすめです。ここでは、「BtoBプラットフォーム TRADE」の代表的な機能や、導入事例を紹介します。

代表的な機能

BtoBプラットフォーム TRADE」の代表的な機能のポイントとして、以下の3つが挙げられます。

テンプレートを作成し取引先と共通の書式を利用できる

見積書のテンプレートをあらかじめ作成しておくことで、すべての取引先と共通の書式を利用できるようになります。

取引先によって書式が異なると、書類確認に手間がかかってしまいます。しかし、テンプレートを統一することで、業務効率化につながります。


複数の書類を連携して作成できる

「見積書から発注書」「発注書から出来高報告書」「出来高報告書から請求書」のように、一連の書類を連携して作成可能になります。この方法ならばデータの入力工数を大幅に削減でき、担当者の負担が軽減されるでしょう。また、見積書と発注書、請求書とそれぞれのデータが連動しているため、一つひとつ目視で照合する作業も必要なくなります。

また、取引のすべてがWebで完結し、内部統制を行いやすい点もメリットです。


転記作業が不要になる

受発注者間で同一のデータを参照してやり取りできるようになるため、転記作業が不要になります。

紙やPDFの見積書を扱っている場合には、転記ミスや漏れが生じやすいリスクがありますが、データでのやり取りに切り替えることによって、ミスを低減できるでしょう。

【導入事例】見積から請求までの流れを可視化|株式会社トライアル開発

BtoBプラットフォーム TRADE」を導入したことで、見積から請求に至るまでの業務を効率化できた事例を紹介します。

全国にディスカウントストアを展開する「トライアル」グループ企業の「株式会社トライアル開発」では、店舗改装・修繕工事で施工業者とやりとりする膨大な紙の書類が課題でした。

そこで、課題解決の目的で「BtoBプラットフォーム TRADE」を導入。その結果、紙の量を半減させることができ、取引先の経理業務の負担も軽減できたといいます。

>>株式会社トライアル開発様の導入事例はこちらから

まとめ

本記事では、建設業で用いられる見積書のテンプレートを紹介するとともに、電子化によって業務効率化をするための方法について解説しました。

建設業における見積書を電子化したいとお考えの企業様には、建設業の商習慣に対応したITツールの選定をおすすめします。

BtoBプラットフォーム TRADE」は100万社以上の利用者数を誇り、上場企業の90%以上にすでに活用されている製品で、安心してご利用いただけます。

見積から発注・請求という一連の業務フローを電子化するなら、ぜひ「BtoBプラットフォーム TRADE」をご検討ください。


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