社名有限会社魚奏
業種水産卸

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電話・FAX注文の商品特定の難しさ、商品の提案不足の課題を『TANOMU』で同時解決。

有限会社魚奏

有限会社魚奏_写真

人材不足や原材料高騰に直面する水産卸業界において、有限会社魚奏(うおそう)は大胆なDXを推進し、この危機を成長へと変えています。

代表取締役社長の辻野博之氏は、属人的な「勘」を排し、仕入れ値をシステムで徹底管理。安価でも確実に利益が出る値付けを実現しました。また、水産の専門知識がない新人の事務員でも、受発注システム『TANOMU』で受注処理や加工指示書を出せる体制を確立。その結果、年商は5年間で5倍に伸長しました。

ココがPOINT!

  • FAX、電話の受注経路を『TANOMU』で一元管理
  • 魚の専門知識がないスタッフでも、受注・加工指示が可能に
  • 受注情報を商品別、取引先別に自動集計し、配送工程の手間が激減

「安く売る」を支えるのは、DXで実現した無駄ゼロ経営

水産卸業界が抱える喫緊の課題は何でしょうか?

有限会社魚奏 代表取締役社長 辻野 博之 氏(以下同):
今、水産卸業界は多くの課題に直面しています。人手不足、為替や物価高による原材料の高騰、そして相場の乱高下により、多くの事業者が倒産に追い込まれているのが現状です。物流の2024年問題も、鮮度が命の水産物にとっては大きな逆風です。かつては夜間配送で「獲れたてをすぐ食卓へ」というスピード感が強みでしたが、今は事前予約やチャーター便でないと配送枠を確保できず、その強みが失われつつあります。

しかし、根本の問題は、こうした課題に対して事業者のシステム化が追いついていないことです。水産業界全体が感覚的な利益管理をしており、勘で価格を決めているところが多いのです。当社でも以前は、3,000品目以上ある商品の価格変動にすぐ対応できず、損をして初めて値上がりに気づくことも多くありました。この課題を解決するため、現場目線のシステム、すなわちDXによる無駄の徹底的な排除が必要だと考えたのです。

DXで実現した、販売価格自動反映システム

どのような仕組みを構築されたのでしょうか?

卸として最大の強みは「他社よりも安く売ること」です。これを実現するため、基幹システムと販売チャネルを直結する仕組みを自社で開発しました。これが「価格コンバーター」です。日々変わる仕入れ値をシステムに入力するだけで、自社運営の業務用ECサイトやインフォマートなどの受発注システムに販売価格が自動で反映されます。仕入伝票の原価がそのまま販売チャネルに反映されるイメージです。

この仕組みにより、儲けすぎず、損もしないギリギリの価格を常に提示できるようになりました。お得意先様が「魚奏は相場に合わせて毎日価格が変わる」と認識してくださるようになり、アクセス数や販売数が劇的に伸びました。売上はコロナ禍前から5倍の15億円になっています。この価格自動反映の仕組みで在庫ロスを最小化し、利益率の向上につなげています。3,000アイテムの価格を毎日手作業で更新するのは現実的ではありません。人がやらなくてもできる仕組みを作ったことが成功要因だと考えています。

人材不足の原因となっていた属人化業務を『TANOMU』で解消

業務のムダ削減はどのように対策されているのでしょうか?

特に悩んでいた業務が、FAXの受注処理でした。現在、注文の8割はインフォマートや自社ECサイトなどのデジタル注文サイトで、基幹システムに注文データを取り込んでいます。しかし、残りの2割がFAX注文で、基幹システムへの手入力をなくしたいと考えていました。これを解消するため、2025年8月に受発注システム『TANOMU』を導入しました。操作性が非常に良く、社内からストレスがないと好評です。

『TANOMU』は顧客ごとに特別価格や販売数量を設定できるのが魅力です。お得意先様も仕入れ価格が一目で確認できるので、「今日は安いな、買おう」と購買意欲が高まる。お得意先様からのご不満による離脱は1件もありません。今後は新規の取引先様はすべて『TANOMU』で受注する方針にしています。

さまざまな受注経路をどのように管理されていますか?

インフォマート、TANOMU、自社ECサイト、各種ECモールなど、すべての受注経路を基幹システムで一元的に管理しています。この基幹システムは、在庫や販売実績データを基に翌月の需要を予測したり、魚の加工指示書まで自動で出力できるように自社で構築しました。例えば、腹・背・骨付きなど部位ごとの注文に対して自動的に加工指示が出るようになっています。これにより、入社したばかりで魚の知識がない事務員でも、受注処理や在庫管理が正確に行えるようになりました。

業務の標準化はどのように役立っていますか?

以前は、ブリ1匹でも部位によって取扱が異なるため、知識がある人しか受注・加工指示・在庫管理ができず、それが人材不足につながっていました。今はシステム化により知識の平準化が進み、極端な話、昨日まで魚の「さの字」も知らなかった子でも、今日から働けるようになっています。現に、入社してまだ1か月の事務員でも受注処理が正確にこなせています。誰でも仕事ができる環境を整えることが、結果として水産業全体の生産性向上につながると考えています。

DXで効率化されたリソースを、どのように活用されていますか?

デジタル化により、これまで社員2人がかりで6時間かかっていたFAX受注の処理が、今では入社1か月のパートさん1人で30分もあれば終わるようになりました。今後は空いたリソースを、顧客サポートに回します。

システム上は締め切りを深夜0時に設定していても、追加注文したいお得意先様には人の手で柔軟に対応しています。機械に任せられる仕事は任せて、人にしかできないことをやる。これが本当の意味でのDXです。便利だからといって、強制的にデジタル化を押し付けるのではなく、人にしかできないサービスを充実させることに価値があるのです。

今後の展望をお聞かせください。

当社の売上高は現在15億円ですが、将来的には100億円も目指せると思っています。人を増やしたわけではなく、考え方を変え、DXで業務を見直しただけでここまで伸びました。今後は、自社の成功事例を情報発信することで、水産卸全体のDX推進にも貢献し、業界の人材不足解消に貢献したいと考えています。これからもDXを目的ではなく手段として、魚屋らしい泥臭さを持ちながら挑戦を続けていきたいですね。

※掲載内容は取材当時のものです。

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