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2026.09.25
紙のやり取りゼロを目指し、会計事務のDXを推進します。
宮城県角田市は、行政のスマート化とペーパーレス化を掲げ、会計事務の電子決裁を導入してきました。そんな中、新たな課題となったのが、紙で届く請求書を複合機でスキャンし、電子化する手間です。そこで『BtoBプラットフォーム 請求書』を導入し、請求書の受け取りから財務会計システムへの連携までを一貫して電子化する仕組みを整えました。
企画デジタル課 係長(以下、係長):角田市は宮城県南部に位置し、平安時代に建築された重要文化財「高蔵寺阿弥陀堂」が残る、悠久の歴史を持つまちです。仙台藩初代藩主・伊達政宗の次女である牟宇姫(むうひめ)が本市へ輿入れしたことから、伊達家との縁も深い地域として知られています。
一方で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の主要な研究開発拠点「角田宇宙センター」を有していることから、"宇宙のまち"としての一面も持っています。市中央部の公園内には人工衛星打上げ用ロケット「H-Ⅱロケット」の実物大模型を展示する施設があり、街のシンボルになっています。
さらに、2019年には地元の新鮮な農産物や加工品を扱う「道の駅かくだ」もオープンし、新たな観光・交流拠点として賑わいを見せています。
係長:本市では「角田市第5次行財政集中改革プラン」の取り組み方針の一つである「簡素で効率的な行政経営」を目指し、ペーパーレス化を推進しています。その一環として、2025年(令和7年)4月から会計事務の電子決裁を導入しました。国のDX推進計画が示されて以降、オンライン申請サービスや「書かないワンストップ窓口」など、さまざまなデジタルツールの導入を進めてきた延長線上にある取り組みでもあります。2026年度(令和8年度)にはDX推進室が新たに設立される予定で、今後もさらなるDXの加速を進めています。
会計課 係長(以下、会計係長):発注金額が10万円以上の場合、まず負担行為伺書を起票し、決裁後に事業者様へ見積を依頼します。契約締結後は支出負担行為書を起票し、事業が完了すれば完了報告書や履行確認調書を作成したうえで、事業者様に請求書の発行を依頼するという流れです。届いた請求書は総務課が受け取り、19課、1室、1センターの部署ごとに仕分けたうえで、各担当課が財務会計システムへの入力や支出命令書の作成を行います。
会計係長:まず書類に不備がないか、決裁は完了しているか、必要な添付書類がそろっているかを確認する形式審査を行い、続いて支出が予算の範囲内か、契約行為や履行確認が適正かを見る実質審査に移ります。問題がなければ会計管理者が決裁し、支払手続きを行うという流れで処理します。この一連の審査には、書類のわずかな不備も見逃せないという心理的な負担が伴い、担当課との確認のやり取りが発生することも少なくありませんでした。
企画デジタル課 主査(以下、主査):自治体によって請求書に求められる記載内容が異なるため、事業者様にとっては対応するための事務コストがかかっていたと聞いています。また、記載内容に不備があれば差し戻しが発生し、再提出のコストだけでなく、支払いが遅れることで資金繰りに影響するという声もありました。電話でのやり取りで確認や調整を行う場面も多く、担当課の職員と事業者様の双方にとって時間を要する状況でした。
会計係長:年間約23,000通にのぼります。従来は、紙の請求書を郵便、もしくは事業者様に持参してもらい、内容を確認したうえで、財務会計システムに入力するという流れでした。この手作業による転記ミスや、審査における確認作業の多さが課題となっていました。
主査:2025年(令和7年)4月に会計事務の電子決裁がスタートしたのですが、支出命令書に請求書を添付するため、紙の請求書を複合機でスキャンして電子データにする手間が新たに発生していました。この手間を少しでも削減したいと考え、2025年(令和7年)1月頃から電子請求サービスの検討を始めました。
主査:現在利用している財務会計システムの代理店からご紹介いただいたのが最初のきっかけです。ちょうど当時は、15年ほど使い続けていた財務会計システムの更新タイミングとも重なっていました。長く同じシステムを使う中で、一度フラットな視点で他社のシステムも見てみようという機運が庁内にあったことも、検討を後押ししました。
主査:財務会計システムと柔軟に連携できる点が、大きな決め手です。加えて、金額や取引先が自動で起票される仕組みも、これまで課題だった伝票起票時の入力ミスを解消できると考えました。『BtoBプラットフォーム 請求書』は、民間企業でも多くのシェアを持つ電子請求サービスだと伺い、安心感もありました。
会計係長:請求書の押印を廃止することを前提に、会計規則の改正を行いました。あわせて、請求書の真正性を担保するため、備考欄に発行責任者等の記載を必須とするルールを設けています。実は、審査を担う会計課の担当者からは、紙から電子への変更に対して当初戸惑いの声もありました。ミスが許されない審査業務だからこそ、これまでのやり方を変えることへの抵抗があったのも事実です。それでも、効率的な行政経営と将来的な地域DXの寄与につなげるため、電子決裁への移行を進めてきました。
主査:また、『BtoBプラットフォーム 請求書』から届いた請求書をどのように起票すればよいか分かりにくい状態だったため、現場職員が混乱しないよう、説明会を実施する必要がありました。
主査:『BtoBプラットフォーム 請求書』の運用開始後は、請求データがAPI連携によって財務会計システムに自動で反映される仕組みになりました。担当者が支出命令書の起票ボタンを押すと、ある程度入力された状態の画面が表示されるため、そこから不足部分を入力するだけで済みます。
この結果、請求書1件あたりの処理時間は、導入前の20分から5分へと短縮しました。1度電子請求書として受領・処理した取引先については、内容確認の負担も大きく軽減されています。
会計係長:庁内の職員から特に不満の声は上がっていません。むしろ、請求書に不備があった際にすぐ対応できる点が評価されています。
主査:2025年度(令和7年度)中に電子請求をご利用いただいた事業者様のうち27社を対象に5段階評価のアンケートを実施したところ、平均3.8点という結果でした。コスト削減や、請求書発行までのスピードが速くなった点が好評の理由です。実際に、初めて電子請求書を送っていただく際は内容の確認に時間がかかるものの、2回目以降はスムーズにやり取りできているという声も届いています。
会計係長:電子請求書として届いたものについては印刷が不要になったため、その分は確実に紙が減っています。ただし、請求書は法令上5年間の原本保管が必要なため、内容によっては担当課の判断で印刷し、他の書類と一緒に保管しているケースもあります。監査対応も踏まえた運用ルールについては、課によってばらつきがあるのが実情で、今後はこうした運用も含めて整理していく必要があると感じています。
会計課 課長補佐:現在の活用状況ですが、当初案内した事業者約110社に対し、4割が登録していただいています。今後、さらに電子化率をどう高めていくかを検討しています。導入時のご案内だけで終わらせず、継続的な周知や要件定義の見直しなどを通じて、電子請求・電子決裁を利用しやすい環境づくりに時間をかけて取り組んでいきたいと考えています。
係長:見積や発注、支払通知といった業務への活用範囲も、将来的に広げていきたいと考えています。見積から請求、支払通知までを1つのシステムでワンストップに電子データ化できれば、庁内の業務効率化はもちろん、取引先の事業者様にとっても大きなメリットになるはずです。
また、宮城県内の自治体との共同調達についても、県への働きかけを含めて実現に向けた検討を進めているところです。他の自治体様でも同様の課題を抱えているケースは多いと思いますので、本市の取り組みが少しでも参考になればうれしく思います。今後もインフォマート社のサポートに期待しています。
BtoBプラットフォーム 請求書 - 請求書の受取・発行を電子化
本採用いただく前に、実証実験にて無料でお試しが可能です。
管轄地域内の民間企業とのやり取りに係る業務効率や、団体内の業務効率がどのくらい図れるか検証ください。


