日本のDX・競争力は世界で何位?

2024/09/18
日本のDX・競争力は世界で何位?

世界における日本のDX・経済の競争力

2024年に開催されたパリオリンピックでは、世界各国の選手によるしのぎを削る競争や日本人選手の活躍が話題になりました。

一方、DX・経済の競争力においては、日本は世界各国と比べどの位置にいるのでしょうか。

世界デジタル競争力ランキング

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が昨年11月に発表した、「2023年版 世界デジタル競争力ランキング」(※1)では、世界の64ヶ国・地域中、日本は過去最低の32位です。「知見」「テクノロジー」「未来への準備」の3つの観点で評価されます。

【TOP3】
1位アメリカ・2位オランダ・3位シンガポール
【アジア】
6位韓国・9位台湾・10位香港・19位中国・33位マレーシア
【G7】
11位カナダ・20位英国・23位ドイツ・27位フランス・43位イタリア

※1 2023年版 世界デジタル競争力ランキング
https://www.imd.org/centers/wcc/world-competitiveness-center/rankings/world-digital-competitiveness-ranking/

世界競争力ランキング

IMDが2024年6月に発表した「世界競争力ランキング2024」(※2)では、世界67の国・地域中、日本は過去最低の38位です。
「経済パフォーマンス」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」「インフラ」の4カテゴリーで、データや企業幹部等への調査により評価されます。

【TOP3】
1位シンガポール・2位スイス・3位デンマーク
【アジア】
5位香港・8位台湾・14位中国・20位韓国・25位タイ・27位インドネシア・34位マレーシア・39位インド
【G7】
12位アメリカ・19位カナダ・24位ドイツ・28位英国・31位フランス・42位イタリア

※2 世界競争力ランキング2024
https://www.imd.org/centers/wcc/world-competitiveness-center/rankings/world-competitiveness-ranking/

GDP・労働生産性ランキング

IMFが2024年4月に発表したGDP(各国の物価水準の差を修正した購買力平価US$)は、2023年の総額は中国・アメリカ・インドに次いで4位ですが、人口一人当たりでは日本は38位です。

【TOP3】
1位ルクセンブルク(日本の2.7倍)・2位アイルランド(2.5倍)・3位シンガポール(2.5倍)
【アジア】
4位マカオ(2.2倍)・13位台湾(1.4倍)・16位香港(1.4倍)・31位韓国(1.1倍)
【G7】
9位アメリカ(1.6倍)・22位ドイツ(1.3倍)・26位カナダ(1.1倍)・28位フランス(1.1倍)・30位イギリス(1.1倍)・33位イタリア(1.1倍)

さらに、公益財団法人日本生産性本部が2023年12月に発表した「労働生産性の国際比較 2023(OECDデータに基づく購買力平価換算)」は、OECD加盟38カ国中で時間当たり30位・就業者一人当たりで31位と過去最低となってしまっています。

自治体に求められる日本のDX・経済の競争力向上の役割

日本は、DXが求められる以前から労働生産性の低さが指摘されていましたが、長年改善されていません。

もう待てません。「仕方ない」「難しい」とできない理由を並べて放置することなく、地方自治体がリードして、地域の企業の、そして地方自治体の、生産性の向上に挑戦することが急務です。

本コラムの著者プロフィール

松藤 保孝 氏

一般社団法人 未来創造ネットワーク 代表理事
松藤 保孝

自治省(現総務省)入省後、三重県知事公室企画室長、神奈川県国民健康保険課長、環境計画課長、市町村課長、経済産業省中小企業庁企画官、総務省大臣官房企画官、堺市財政局長、関西学院大学大学院 法学研究科・経営戦略研究科教授、内閣府地方創生推進室内閣参事官等を歴任し、さまざまな政策の企画立案、スリムで強靭な組織の構築、行政の業務方法や制度のイノベーションを推進。一昨年退官後、地域の個性や強みを生かすイノベーションを推進する活動を行う。

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