不動産売買の印紙代はいくら?
不動産取引において、売買契約書への収入印紙の貼付は重要な手続きの一つとなっています。売買やローン、工事請負など、取引の種類によって必要な印紙代は大きく異なり、その金額は数百円から数十万円まで幅広く設定されています。このような印紙税の負担に対し、近年では電子契約システムの活用や契約書作成方法の工夫により、コストを抑える手法が広く普及してきました。また2024年現在、一定の取引については印紙税の軽減措置も適用され、事業者にとって負担軽減の選択肢が広がっている状況です。
本記事では、不動産取引における印紙代の基礎知識から、電子契約への対応、そして実務で活用できる負担軽減策まで、実践的な視点で解説していきます。
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資料ダウンロード(無料)不動産取引における印紙代の基礎知識

不動産取引において作成される契約書は多岐にわたり、その取引内容や金額に応じて必要な印紙代(印紙税)も大きく変動する点が特徴的です。ここでは、印紙税の基本的な仕組みから最新の制度まで解説していきます。
印紙税が必要な契約書
印紙税とは、契約書などの文書に対して課される国税の一つとして位置づけられています。不動産取引においては、売買契約書をはじめ、金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約書)、工事請負契約書などが課税対象となる一方で、不動産の賃貸借契約書については非課税扱いとなっているのが特徴です。なお、印紙税は文書の作成者に納税義務が生じ、収入印紙を契約書に貼付することで納付が完了する仕組みとなっています。
取引金額の基準
印紙代の算出において、最も重要な判断基準となるのが取引金額の捉え方です。契約書に税込価格と税抜価格の両方が記載されているケースでは税抜価格が基準となり、例えば物件価格3,000万円に消費税300万円が加算される場合、印紙代の計算には3,000万円を適用することになります。その一方で、税込価格のみの記載の場合は、その総額である3,300万円が計算基準として採用されることになるため、注意が必要でしょう。
印紙税軽減措置について
2024年現在の、不動産取引に関する印紙税には軽減措置が適用されています。具体的には、1,000万円超5,000万円以下の取引で通常20,000円のところ10,000円に、5,000万円超1億円以下で通常60,000円のところ30,000円に軽減されます。ただし、この軽減措置は2027年3月31日で終了予定となっているため、取引のタイミングに注意が必要です。
印紙が不要となる取引の種類
印紙税の課税対象は、必ずしもすべての不動産取引を網羅しているわけではありません。例えば、賃貸借契約書は非課税とされており、さらに近年普及が進む電子契約システムを活用した場合も課税対象外となります。これは、印紙税が「文書」に対する課税である性質上、電子データが課税対象となる「文書」の定義から外れることに起因しています。このような電子契約の特性を活かし、印紙税負担の軽減を図るケースが増えています。
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資料ダウンロード(無料)不動産取引別の印紙代

不動産取引における印紙代は、取引の種類や金額によって細かく設定されています。ここでは、具体的な取引例を基に、必要な印紙代を解説します。
細かな金額が知りたい方は、以下の国税庁のページでご確認ください。
参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
マンション・戸建て売買時の印紙代
マンションや一戸建ての売買では、取引金額に応じた印紙税が必要です。例えば、3,500万円のマンション購入の場合、軽減税率が適用され10,000円の印紙が必要です。また、8,000万円の一戸建て購入では、30,000円の印紙が必要となります。印紙は売主・買主がそれぞれ契約書に貼付するため、実質的な負担は2倍になることも覚えておきましょう。
住宅ローン契約時の印紙代
住宅ローン契約では、借入金額に応じた印紙税が発生します。例えば、3,000万円を借り入れる場合は20,000円の印紙が必要となります。これは売買契約書の印紙代とは別に必要となる費用です。住宅ローン契約書の印紙税には軽減措置が適用されないため、売買契約書と比べると負担が大きくなる傾向にあります。また、借り換えの際にも新たな契約書作成に伴う印紙税が発生することにも注意が必要です。
工事請負契約時の印紙代
新築工事やリフォーム工事の請負契約にも印紙税が課されます。工事請負契約の印紙税も軽減措置の対象となっており、例えば2,000万円の工事なら10,000円、5,000万円の工事では30,000円の印紙が必要です。ただし、追加工事や変更契約が発生した場合は、変更契約書にも印紙の貼付が必要となる場合があります。
仲介契約時の印紙代
不動産の売買や賃貸の仲介契約書にも印紙税が課されます。仲介手数料を記載した契約書の場合、その手数料額に応じた印紙税が必要となります。一般的な仲介手数料であれば数百円から数千円程度の印紙代となりますが、高額物件の場合はより高額な印紙が必要となることもあります。
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資料ダウンロード(無料)不動産取引の印紙税でよくある問題とその対処方法

不動産取引における印紙税では、適切な手続きを怠るとペナルティの対象となることがあります。ここでは、よくあるよくある問題とその対処方法について説明します。
印紙代の計算を間違えた場合
印紙代の計算ミスによる不足が判明した場合、追加での印紙貼付が必須となります。特に実務上の課題として、消費税の取り扱いや軽減措置の適用判断を誤って計算するケースが頻発しています。このような事態が発生した際は、発覚後速やかに不足分の印紙を貼付し、消印を行うことが求められます。一方で、過大な貼付が判明した場合においては、還付請求による是正が可能な仕組みとなっています。
消印忘れ・貼り忘れした場合
印紙の貼り忘れや消印忘れが発覚した場合は、速やかな対応が求められます。このような場合、本来納めるべき印紙税額の3倍に相当する過怠税が課される可能性があります。ただし、自主的な申告により追納する場合は、過怠税が課されないケースもあります。発覚した時点で最寄りの税務署に相談することをお勧めします。
参考:No.7131 印紙税を納めなかったとき|国税庁
参考:印紙を貼り付けなかった場合の過怠税|国税庁
誤って高額な印紙を貼付してしまった場合
印紙税の過大納付が生じた場合、還付請求による是正措置が用意されています。具体的な手続きとしては、印紙が貼付された契約書の原本および印紙税過誤納確認申請書を税務署に提出することで、還付手続きが開始されます。ただし、留意点として、一度消印された印紙については原則還付対象外となることから、貼付前の金額確認が重要となります。なお、還付手続きには相応の時間を要することも考慮し、貼付時における入念な確認を徹底しましょう。
参考:No.7130 誤って納付した印紙税の還付|国税庁
参考:D2-6 印紙税過誤納[確認申請・充当請求]手続|国税庁
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資料ダウンロード(無料)不動産取引による印紙代の負担を軽減する方法

デジタル化が進む現代では、不動産取引による印紙代を適正に抑える方法がいくつか存在します。
電子契約を活用する方法
電子契約システムを利用することで、印紙税を課税対象外とすることができます。これは印紙税が「文書」に対する課税であり、電子データは課税対象となる「文書」に該当しないためです。電子契約は、印紙代の削減だけでなく、契約締結の効率化や保管コストの削減にもつながります。特に、取引金額が高額になる不動産取引では、大きな経費削減効果が期待できるでしょう。
電子契約についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
金額の記載方法を工夫する方法
契約書における金額の記載方法を工夫することで、印紙代を適正に抑えることができます。例えば、税込価格と税抜価格を併記する場合、印紙代は税抜価格を基準に計算します。これにより、消費税分を除いた金額で印紙代を計算することが可能となります。
軽減措置を活用する方法
不動産取引に関する印紙税には各種の軽減措置が設けられています。2027年3月31日までの期間は、1,000万円超5,000万円以下の取引で通常20,000円のところ10,000円に、5,000万円超1億円以下で通常60,000円のところ30,000円に軽減されるなど、大幅な負担軽減が可能です。取引のタイミングを検討する際は、これらの軽減措置の適用期限も考慮に入れることで、印紙税の負担を抑えることができます。
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資料ダウンロード(無料)まとめ

不動産取引における印紙代は、取引の種類や金額によって大きく異なります。2027年は印紙税の軽減措置が適用される最後の年となるため、取引のタイミングにも注意が必要です。また、電子契約システムの活用など、デジタル化による負担軽減の方法も選択肢の一つとして考えられます。
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『BtoBプラットフォーム』不動産DX促進チーム 編集部
この記事は、株式会社インフォマートが提供するサービス『BtoBプラットフォーム』不動産DX促進チームの編集部が監修しており、バックオフィスの業務効率化やDXに役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。
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