静岡県浜松市を拠点に、約3万点もの製菓・製パン原材料を取り扱う株式会社平出章商店様。広範なエリアのスイーツ店を支える同社が直面していたのは、電話とFAXによる“いつ鳴るかわからない注文”の対応と伝票の作成作業でした。
受注業務の正確性と働きやすさを両立するため、LINEを使った受発注システム『TANOMU』を導入。現場の労働環境を大幅に改善し、さらに販促機能で食品ロスも低減したといいます。
ココがPOINT!
- 受注業務を1日3時間短縮し、働き方改革を実現
- 電話で5割、FAXで2割の手作業が減り、聞き直しや入力ミスが解消
- LINEを使った販促機能で、食品ロスを削減し在庫運用が効率化
3万点のアイテムを「人力」で受注処理する限界
貴社の事業内容と、受注現場の状況を教えてください。
管理部総務課係長(以下同):
当社はお菓子屋さんやパン屋さんが使う原材料を幅広く取り扱っており、その数は約3万点にのぼります。浜松の本社から愛知県豊橋市、静岡県富士エリアまで、地域に密着した卸売業を展開しています。
以前は、1日200件の注文のうち、電話4割、FAX4割で、ほぼ手作業で受注処理していました。電話は作業の手を止めて対応しなければならず、聞き間違いなどのミスが起きやすいのです。
FAXもお取引先様ごとに書き方が異なるため、3万点の中から正解を導き出すには、過去の履歴を確認して推測するといった熟練の技が必要でした。
従来の手作業が中心の受注体制では、お取引先様や受注件数が増えるにつれて、正確性と効率性の両立の課題も大きくなっていったのです。当社の強みとなる豊富な商品ラインナップも、事務員にとっては負担になってしまう。この状況を解決する仕組みを作る必要があったのです。
営業が頑張るほど事務が大変になる矛盾を解消したい
受注の課題をどう解消しましたか?
私は以前、受注を行う部署にいたので、事務員の苦労を痛感していました。現在は総務として経理システムをはじめ、社内全体のシステム化にも関わっています。そこで、受注の課題を解決するには、受発注システムを導入したらよいのではと考えたのです。
多くの受発注システムを検討する中、展示会でインフォマートの『TANOMU』を知りました。業界内でインフォマートのシェアの高さや将来性に期待し、導入を決めたのです。
取引先の6割が発注方法の切り替えにご協力いただけた理由
取引先が発注方法を切り替えるために、工夫したことはありましたか?
当初、社内では「案内しても浸透しなかったらどうしよう」と不安視する声もありましたが、結果として同業他社の平均2~3割を大きく上回る約6割の切り替えに成功しました。
要因は、お取引先様に24時間注文できること、履歴が確認できることなどのメリットを丁寧にお伝えしたことです。インフォマートさんに提供いただいた資料をそのまま渡すのではなく、当社の製菓・製パン業などのお取引先様にとって何が便利かという視点で、独自に案内文を作成しました。
導入も一斉ではなく、まずはITに慣れている層に向けて案内文を請求書に同梱し、次に営業担当が直接説明に回るといった地道なステップを踏みました。最終的には「いつもの営業担当の推奨なら」という信頼関係が、スムーズな移行を後押ししました。
受注業務の進め方を整理し、働き方改革を実現
導入後、現場の負担はどのように変わりましたか?
電話での受注対応は半分以下に、FAXも2割ほど削減されました。受注担当は3名体制で、ひとり当たり1日3時間の短縮につながっています。
何よりの変化は、社員が自分のスケジュールを主体的に組み立てやすくなったことです。電話対応による作業中断や、FAXを判読する負荷などが軽減され、計画的に業務を進められる体制へと変わりました。
また、導入時には目的にしていなかった『TANOMU』の販促機能が売上に直結しています。普段注文の少ない顧客でもチラシ機能は即座にチェックしており、ついで買いやスポット商品の注文を獲得し、新たな売上機会を創出しています。こうしたことで、食品ロスの低減や効率的な在庫運用につながりました。
さらに、電話が中心だった納期回答を『TANOMU』のLINEメッセージ機能を使ってお知らせしたり、展示会での新規獲得に活用したりと、「あれもできる」「これもできる」と現場主導で自発的に活用範囲を拡大することに成功し、攻めの販促ツールとして活用しています。
「働きやすさ」こそが、これからの卸売業の武器になる
これからの展望についてお聞かせください。
今後はお取引先様が使いやすいよう商品カテゴリーの整備をして、探しやすさを改善したり、納期回答のシステム化や既読確認機能を活用したフォロー体制の強化など、きめ細やかな対応を進めたいと思います。
また、総務担当として最も重視しているのは、社員みんなが働きやすい環境を整備することです。今は求人でも苦労する時代です。システムを導入して現場の負担を減らし、働きやすい職場であることを示すことが、次世代に選ばれる会社になるために不可欠だと確信しています。
※掲載内容は取材当時のものです。





