野球用品の企画販売を手掛ける株式会社ニシオカベースボール企画は、FAXやLINE、電話による在庫問合せの対応に日々追われ、本来の業務が圧迫されていました。
LINEと連携した受発注システム『TANOMU』を導入した結果、問い合わせ業務を9割削減することに成功。さらに、新商品の案内を「チラシ配信機能」を使って一斉配信することで、営業訪問することなく約500万円の売上を叩き出すなど、劇的な業務改善と売上拡大を実現しています。
ココがPOINT!
- 月間300件あった電話・FAX・LINEでの在庫問合せが9割削減
- 画像付きの発注画面で“ついで買い”が増加
- 1度のチラシ配信で商品300個完売し、約500万円売上アップ
「買ってすぐ使える」湯もみ加工が強み。独自の付加価値で選ばれるブランドへ
名古屋を拠点に野球用品の企画販売をされていますね。
代表取締役社長 田中 明 氏(以下同):
当社は「Zeems(ジームス)」ブランドの野球用品、主にグラブやアパレル、グッズを企画し、全国約150店舗のスポーツ用品店様に卸売販売をしています。従業員は私と取締役会長、社員、パートスタッフの少人数体制で運営しています。
当社の最大の特徴は、販売するグラブに湯もみ加工を施していることです。通常、新品のグラブは硬く、購入してすぐに使うことは難しいのですが、当社ではお湯につけて揉みほぐす加工を行ってから出荷しています。これにより、購入したその日からキャッチボールができる柔らかさを実現しています。お子様が実際に触って動かしやすいことから「これがいい」と喜んでいただけたり、「枕元に置いて寝たい」と思うほど喜んでいただけますし、販売店様にとっても「すぐに使えるから」とお客様に勧めやすいメリットがあります。大手メーカーと比較しても、品質とこの付加価値により、指名買いをいただくことも多いですね。
「あの商品はありますか?」鳴り止まない電話とLINE。倉庫にいなければ答えられないもどかしさ
少人数体制では、顧客対応がたいへんそうですね。
一番の悩みは、取引先からの在庫問合せへの対応でした。全国の販売店様から「ネットで見たあのグラブはあるか」「お客様が探している商品は残っているか」といった問い合わせが、電話、FAX、そして個人のLINEにひっきりなしに入ってきていました。
特に大変だったのが、その確認作業です。私たちは常に倉庫にいるわけではありません。外出中や休日に連絡が来ても、手元の記憶だけでは確実な回答ができず、「月曜日に確認して連絡します」と返答せざるを得ないことが多々ありました。
また、同一の消費者様が複数のショップに問い合わせているケースもあり、あちこちから同じ商品の確認が来て混乱することもありました。 その都度、倉庫で実物を確認し、写真を撮って返信する。このアナログな作業に時間を取られ、返信を忘れてしまえば信頼を失うリスクもありました。これらを解決し、もっと効率的に受注できる方法はないかと模索していました。
LINEを使った受発注システム『TANOMU』で課題解決
受発注システム『TANOMU』導入のきっかけと、選定の決め手を教えてください。
業務効率化のために「受注管理」などでネット検索し、いくつかのシステムを比較検討しました。その中でインフォマートの受発注システム『TANOMU』を選んだ最大の決め手は、LINEが使えることでした。
当社の取引先であるスポーツ用品店の担当者様は、接客や外回りで忙しく、パソコンよりもスマートフォンを頻繁に使われています。すでに連絡手段としてLINEが定着していたため、新しいアプリを入れたり、複雑な操作を覚えたりする必要がなく、いつものLINE感覚で発注できる点が、当社にとっても取引先にとってもベストだと判断しました。
在庫確認の問い合わせが9割減。接客中のスマホ発注も定着
導入後、在庫確認の業務負担はどのくらい軽減されましたか?
劇的に減りました。以前は電話やFAX、LINEを合わせて月に300件ほどの問い合わせがありましたが、導入後はその9割が減り、在庫のお問い合わせは1日1~2件ほどになりました。
『TANOMU』に商品の写真と在庫数を登録しておけば、取引先様はスマホからリアルタイムに在庫状況を確認できます。これにより、お店にご来店された一般のお客様から「これありますか?」と聞かれた際、その場でスマホを見て「在庫ありますよ、写真はこんな感じです」と案内し、そのまま発注まで完了できるようになりました。 わざわざバックヤードのパソコンに戻る必要がなく、接客の流れを止めずに受注につながるため、取引先様からも「めちゃくちゃ便利」と好評です。私たちも、休日や営業時間外の問い合わせに縛られることがなくなり、精神的にも非常に楽になりました。
「ついで買い」で売上増加
業務効率化以外に効果はありましたか?
予想以上の効果として、「ついで買い」が増えました。文字だけの注文とは違い、画面上でグラブだけでなく、手袋やシューズ、アパレルなどの関連商品も画像付きで一覧表示されます。 すると、「グラブ1個だけだと送料がかかるから、ついでに手袋も発注しておこう」「欠品していたサイズが入荷しているから補充しよう」といった動きが生まれたのです。
また、グラブは紐の色や本体カラーなど細かな仕様違いが多いのですが、画像で見せることで説明の手間が省け、色味の認識違いによるミスも防げています。カタログを見る感覚で商品を選んでいただけるので、これまでグラブしか注文がなかった店舗からアパレルの注文が入るなど、取引数の向上にもつながっています。
営業訪問ゼロで数百個が即完売。チラシ配信機能が新たな売上の柱に
「チラシ配信機能」も活用されていますね。
「チラシ配信機能」の威力には驚きました。以前は限定商品や特価品の案内をする際、一軒一軒営業して回るか、個別に連絡をする必要がありました。しかし『TANOMU』のチラシ配信機能を使って、限定カラーの少年用グラブをLINEで一斉配信したところ、営業訪問を一切せずに、またたく間に約300個の注文が入ったのです。
金額にすると500万円ほどの売上が、チラシを1回配信しただけで作れたことになります。他にも、入荷待ちだったバッティング手袋の入荷案内を流した際は、200双があっという間に完売しました。「すぐになくなるかもしれない」という心理が働き、普段なら2双の注文のところが5双、10双と注文数が増えたのです。 交通費や移動時間をかけず、ボタン一つで全国のお取引先様にリアルタイムに営業ができる。在庫処分やスポット商品の案内において、これほど強力なツールはないと実感しています。
直営店オープンと新ジャンルへの挑戦。システムが作った時間で次のステージへ
今後の事業展開や展望をお聞かせください。
システム導入によって受注業務の手間が大幅に減ったことで、新しいことに挑戦する時間が生まれました。現在は、2026年秋を目処に直営店のオープンを計画しています。これまでは卸売りがメインでしたが、エンドユーザー様に直接、当社の「湯もみグラブ」やアパレルを見ていただく場所にしたいと考えています。
また、野球界への恩返しとして、子供たちがワクワクするような商品開発を続けるとともに、ゴルフ市場に向けた「Zeemsゴルフ」など、アパレルラインの拡充も視野に入れています。 少人数体制でも、ITを活用して事務作業を効率化することで、商品開発やブランド作りといった“攻め”の仕事に注力できる。今後もこだわりの独自と新しい仕組みを融合させて、お客様と業界に貢献していきたいと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。





