デジタル化で地域経済を支える自治体の役割

2025/04/04
デジタル化で地域経済を支える自治体の役割

地域の未来を守るために行政がリードするDXの重要性

「2025年の崖」、「2025年問題」の克服には地域のDXをリードする行政のDX推進が重要です。

デジタル技術の進歩をはじめ社会が大きく変化していく中で、自治体職員の方々は、多くのDX関連業務の他に、次々と生まれる新しい仕事や課題への対応などに忙殺されていると思います。今は、地域住民や企業にとって、自治体にとって、まさに正念場です。

自治体行政のDXは、行政手続きや内部の意思決定システムをデジタル化することで、職員や住民の時間・エネルギーを奪わないだけでなく、地域の住民や企業が発注・契約・請求といったあらゆる経済活動でデジタル技術を活用できる社会(仕組)を築くことが重要です。住民や企業が世界とつながり、活躍するためにもDXは不可欠です。財源の確保や業務の変革に対する不安・負担といった課題はあるものの、地域のDXが遅れれば、所得や人口の減少といった衰退が加速する恐れがあります。特に、契約や請求業務のデジタル化は未来を見据えた投資であり、これが住民の幸福や企業の利益を生み、人口増加や税収増加につながります。社会が急速に変化する今、投資を避け前例を踏襲し続けることは、より深刻な課題を生むリスクを高めます。地域の未来を守るためにも、DXを推進することが求められています。

DX推進のための意識改革と未来への展望

仕事のやり方を変える際には、賛成・反対、さまざまな意見があると思います。従来通りのやり方を続けたい人に合わせて多くのチャンスと成長の機会を捨てていくのではなく、真摯に住民の皆様の未来の幸福を実現すること、チャンスを生かして活躍したい人を支援することを選択することで未来が拓けると思います。

本コラムの著者プロフィール

松藤 保孝 氏

一般社団法人 未来創造ネットワーク 代表理事
松藤 保孝

自治省(現総務省)入省後、三重県知事公室企画室長、神奈川県国民健康保険課長、環境計画課長、市町村課長、経済産業省中小企業庁企画官、総務省大臣官房企画官、堺市財政局長、関西学院大学大学院 法学研究科・経営戦略研究科教授、内閣府地方創生推進室内閣参事官等を歴任し、さまざまな政策の企画立案、スリムで強靭な組織の構築、行政の業務方法や制度のイノベーションを推進。一昨年退官後、地域の個性や強みを生かすイノベーションを推進する活動を行う。

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