美里町様は、電子決裁システムの導入を機に会計事務DXに取り組み、役場内業務だけでなく事業者との取引にも、ペーパーレス化・業務効率化を実現しようとしています。会計事務DXにおける段階的な取り組みが具体的にわかる事例です。総合政策課 まち創生係 係長と主事に伺ったお話を、デジタル化の経緯に沿ってまとめました。
■ 目次
システム導入前
[課題]年間1万1,000件超。紙に依存した請求業務の負担
[1.受取・振り分け] 取引事業者から郵送などで受け取った紙の請求書を、各所属部署の担当者に振り分ける。
[2.手入力による起票] 財務会計システムへの手入力を行ない、支出命令伝票を起票する。
[3.印刷] 伝票を紙に印刷する。
[4.決裁] 請求書原本と契約書、納品書などを添付した上で、当該所属内の決裁(担当→係長→課長等)を受ける。
[5.承認] 会計係に提出し、全ての承認を得る。
[6.執行] 支出命令の執行処理を行なう。
役場内で処理する支出命令伝票は年間トータルで1万1,000件を超え、担当各課にとって重い負担となっていました。
電子決裁システムの導入
[改善]ペーパーレス化の前進と、決裁フローの効率化
2023(令和5)年に財務会計システムの電子決裁機能を実装し、ペーパーレス化が大きく前進しました。従来は紙で扱っていた請求書をPDFデータとしてシステムに登録できるようになったため、決裁の業務フローをシステム上で回すことが可能になりました。これにより、担当各課の負担をかなり軽減されています。
[課題]多大な手作業と、異なるフォーマットによる負担
毎日何十通も届く紙の請求書を、総務課の職員が担当課ごとに仕分け、スキャンしてPDF化していたため、請求書を財務会計システムに登録する過程にも多大な手作業が発生していました。
事業者ごとに請求書のフォーマットが異なるので、項目の照合や記載不備のチェックなどに煩雑な手間がかかってしまいます。過去の請求履歴と見比べて確認しなければならないこともあり、請求書1件あたり10~15分、1日2時間程度費やす日もありました。
支払遅延を起こしてはならないだけに、登録作業を後回しにできず、多くの業務を抱える中で精神面でもプレッシャーを感じていました。
電子請求システムの導入
[目的]町が率先し、事業者と役場の効率的なやりとりを
町が率先して請求・支払関連事務の電子プラットフォームを構築することで、職員の生産性向上や負荷削減を実現し、取引事業者がより効率的に役場とやりとりできる環境を目指していきました。
[効果]役場内業務が大幅効率化、事業者の負担とコストを軽減
2024(令和6)年度予算で〈BtoBプラットフォーム 請求書〉の導入を決定し、2025(令和7)年3月より正式運用を開始。取引事業者が利用することで、請求データをダウンロードして電子決済に添付できるため、紙の請求書のスキャンが不要となりました。請求書のフォーマットも統一されて確認作業が容易になり、役場内の業務が大幅に効率化されました。
取引事業者側でも、紙の請求書の郵送や持参にかかる負担やコストが軽減されました。
[展望]財務会計システムとの自動連携で、さらなる効率化
まだ支出伝票への入力作業が残っています。取引事業者から〈BtoBプラットフォーム 請求書〉で送られてきた電子請求書を、財務会計システムに自動登録し、以降の業務フローに繋げるのが理想的です。2025(令和7)年度中に財務会計システムのバージョンアップが予定されていますので、さらなる効率化が見込まれています。
「デジタル田園都市国家構想推進交付金」の活用
美里町様では〈BtoBプラットフォーム 請求書〉の導入に「デジタル田園都市国家構想推進交付金(TYPE1)」を活用されました。当社は交付金の活用を含めたサポートを行なっております。
デジタル田園都市国家構想交付金申請のポイントとサポート紹介はこちら
美里町様のコメント
取引事業者の反応と、利用率向上への取り組み
過去に取引のある約1,000社の事業者に案内状を送り、役場でもオンラインでも参加できる説明会を2回にわたって開催しました。前向きな事業者もいる一方で、不安を隠さない事業者もおり、〈BtoBプラットフォーム 請求書〉に切り替えるメリットを伝え、認知を高めていきたいです。
取引事業者の半数程度まで利用率を高めることを当面の目標としています。説明会の開催の他、インフォマート社の自治体関連専用サポート窓口なども活用しながら、さらなる利用率向上を考えています。
インフォマートは、企業間の商取引のデジタル化を長年支援し続けてまいりました。その実績とノウハウに基づくサポート体制が整っております。詳細につきましては、下記ページをご参考ください。
本記事はダイジェスト版となります。ぜひ、インタビュー全文もご一読ください。


