若手中心の職場の作り方
【Q】『風のテラス KUKUNA』について教えてください。
宿泊部 支配人(以下、支配人):富士山の麓にある富士五湖のひとつ河口湖畔で、1953年に河口湖第一ホテルとして創業しました。その後、創業者の孫にあたる現社長の宮下明壽が、創業50年の節目に約1年間休業して全館大規模リニューアルを行い、2006年に『風のテラス KUKUNA』として生まれ変わりました。和風テイストから南国リゾートスタイルへの大規模な転換でした。
調理・料飲部 総支配人(以下、 総支配人):かつては旅行のスタイルも団体旅行が中心でしたが、時代も変わり、個人が時間やお金を自由に使う時代になりました。それに伴い、宿泊施設の在り方も変化しています。私たち調理・料飲部でも、季節ごとに社長以下、幹部を集めて試食会を開き、メニューを検討し、また料理を盛り付ける皿も入れ替えるなど、時代のニーズに合わせて柔軟に対応しています。


【Q】コロナ禍では、どのような取り組みをされたのでしょう?

宿泊部 支配人
支配人:新型コロナウイルスが流行して休館せざるを得ない時期もありましたが、山梨県のコロナ対策モデルである「やまなしグリーン・ゾーン構想」が発表された2020年5月以降は、客室稼働率7割を守り、休むことなく営業しています。
おかげさまで、コロナ禍でもお客様からはたくさんのご予約をいただき、ハイシーズンに限らず、平日でも7割に達することもあります。
【Q】『風のテラス KUKUNA』は、若いスタッフの方が多いですね。
総支配人:厨房では、入社1年目から3年目の社員が大半で、5、6年目が数人と料理長が3人という体制です。若い人材を確保するために、大学や高校、調理師専門学校などとのつながりを大切にしています。調理師学校では東京都内などの4校とのお付き合いがあり、10年に渡って学生の研修を受け入れています。
学校の先生との信頼関係を地道に築くことで、学校にとっては安心して生徒を預けられる研修先であり就職先であると認識してもらえますし、私たちにとっては若い方と一緒に働くことで新しい価値観をどんどん取り入れることができると思っています。
支配人:現在、社員の平均年齢は28歳ですから、ホテル・旅館業界でも若いと思います。若い従業員に気持ちよく働いてもらうために、旧来の旅館業のような朝早く出社して、間に中抜けの時間があり、夜は遅くまで勤務するというスタイルはやめました。効率よく仕事ができるように、1人の従業員がフロントやレストラン、清掃など、さまざまな業務を行い、中抜けの時間を作らないマルチタスクシフトを行なっています。
働きやすい環境を作るために、若い従業員の意見も取り入れながら進められたことが一番の成果です。やはり笑顔で楽しく仕事ができなければ、お客様を笑顔にはできません。
社長室室長 ソムリエ(以下、ソムリエ):職場づくりに関しては、各部の幹部を入れ替えるジョブローテーションも行いました。新しい発想が生まれ、職場の雰囲気も変わります。それに幹部が変わることで、あらためて若い従業員の得意不得意が見えてくるというメリットもあります。

調理・料飲部 総支配人
