自分の地元に出店したい。5人のメンバーが集結
【Q】50年以上続く名店の暖簾分けで創業されたと伺いました。
取締役 店舗統括本部長(以下、店舗統括本部長):東京の下町、葛飾区堀切菖蒲園にある老舗もつ焼店「のんき」と、弊社代表取締役の荻野貴匡に知り合いを通して特別な縁があったのが始まりです。下町では有名なこのお店を広く展開できないかと打診して、2007年に赤羽、四谷と出店しました。その後も店舗数を増やしながら、焼肉や鳥焼など5業態19店舗を展開しています(2020年9月現在)。
【Q】四谷には本店の他、3業態の「のんき」がありますね。
店舗統括本部長:代表の荻野も私も四谷出身です。自分たちの育った町を盛り上げるような何かをやりたいというのが、お互いの共通の思いだったのです。とはいえ、2人とも飲食店の経験はなく、はじめはまったくの素人でした。
それでも創業時の社員5人それぞれ、自分の地元などのやりたい町に店を出して店長をやることを目標に成長してきました。ですから、いわゆるチェーン展開ではなく、故郷に錦を飾る感覚でずっと続けてきて、今に至っています。

取締役 店舗統括本部長
【Q】コロナ禍の中、御社はどのような状況でしたか?

取締役 店舗統括本部長

店舗統括本部長:特に厳しかったのがオフィス街の店舗でした。4月から5月にかけては休業せざるを得ない店舗もあり、テイクアウトと配送代行を利用したデリバリーを幹部陣中心で行いました。
総料理長:買い物へ行き来する主婦の方や散歩するご家族の姿をよく目にする立地なので、コロナ禍の中、家で毎日料理するのも大変だろうと、鳥焼の業態は店頭に弁当を100個くらい並べました。店内でしか焼けないもつ焼業態も、テイクアウトできるよう業務用の保温ショーケースを借りて店頭に置き、100本ほど入れて売り出したんです。すると、近所に住むお客様が次々買ってくださり、行列ができるほどでした。
店舗統括本部長:肉業態はご家庭でも豪華に映える二段重の肉御膳を開発し、SNSで発信しました。家庭内のパーティ需要などを見込み、ご注文を受けたら直接お届けするスタイルです。常連のお客様が応援を兼ねて買ってくださり、それがSNS上で拡散されると注文が相次いで、本当に助かりました。
お客様も、どこにも出かけられず、飲食店も営業していない自粛期間中だったので喜んでいただけました。我々も売上の落ち込みを気にするより動いていたかったので、楽しかったです。利益率は決して良いわけではなかったのですが、とにかく何かしなければという思いでした。
【Q】厳しい状況が続きますが、売上や利益の管理はどうされていますか?
店舗統括本部長:創業時、経営はまったくの素人だったぶん、数字への意識、勉強は必死にやってきました。どんぶり勘定で財務も理解していない経営陣では従業員を守れないし、誰もついてきません。数字は月次ではなく日次で追っていて、数字のミスは最も怖いので、当初から二重チェックを続けています。
数字は正確で早い計算が必要なので、システムの導入は不可欠です。たとえばフードコストが基準値より10%くらい上がっている異常値があれば、店長に必ず分析をしてもらいます。食材発注とコスト管理のシステム『BtoBプラットフォーム 受発注』は発注履歴を細かく見ることができるので便利ですね。
総料理長:メニューは私が原価率などを考えて作っています。特に焼肉業態では店舗によってメニューの出数が違う、スタッフの切り方で歩留まりが違うことが起こります。それらも一括で管理できるので助かります。
