現場における衛生管理のお悩みをトータルサポート
【Q】沿革と、事業概要を教えてください。
経営企画部 統括部長(以下、統括部長):花王の歴史は明治時代の末期に遡ります。その頃は、石けんといえば舶来物の贅沢品で、国産品は廉価で質の劣るものがほとんどでした。そこで、洋小間物商を営んでいた創業者が試行錯誤の末に、手ごろな価格の高級化粧石けん「花王石鹸」を発売したのです。以来、清潔で豊かな生活文化への貢献を一貫して目指し、洗剤・サニタリー製品のトップメーカー花王グループとして成長してきました。ビューティケアやヘルスケアなど事業領域も拡大し、消費者の快適な暮らしを支えています。
花王プロフェッショナル・サービス株式会社は、厨房衛生用品や洗剤、アメニティ用品といった花王の業務用品の製造、販売を専門としています。食品工場やホテル、病院といった高度な衛生管理が求められる現場の、ソリューションサービスの提供が事業の主軸です。製品を通じて従業員教育や美観、衛生の向上、コスト削減などをトータルでサポートしています。

経営企画部 統括部長
【Q】顧客企業の現場は、どのような課題をお持ちなのでしょうか。
統括部長:弊社商品のご利用先は大きく分けて、レストランや食品加工工場などのフード業界、病院などのメディカル・介護業界、ホテルやアミューズメント施設などレクリエーション業界の3部門です。いずれも、日々行う洗浄や清掃の衛生レベルは一般家庭とはまったく異なります。感染への注意など衛生管理を怠ると、消費者の安心・安全を脅かし、ブランド価値の低下につながってしまいます。製品やサービスには、プロユースに耐えうる高い専門性が求められます。
一方で、近年の飲食業界などの大きな課題は人手不足です。経験もスキルもばらばらのアルバイトが短期間に入れ替わる上、忙しくて教育に手がまわらない現場は少なくありません。誰が使ってもプロレベルに仕上がる製品が求められます。思わぬ誤使用を防ぐため、誰にでも使いやすい製品の開発と、オペレーションのアドバイスといったご提案も重要になっています。
【Q】販売とコンサルティング、あわせたお取引をされているのですね。

クッキングペーパー
CHEF たっぷり吸収
統括部長:昨今では、食品衛生法の改正で制度化が決まったHACCP※に関するご相談は、とても増えています。弊社の製品を使って、今のオペレーションを変えずにHACCPを導入するにはどうすればといったお問い合わせです。自社で課題を把握されている取引先もあれば、何からはじめたらいいのか手探り状態という方もいらっしゃいます。基準が決まっているわけではなく、お悩みは企業ごとに違います。ただ、人手不足の中、HACCP導入に新たな人手がかけられないのは業界全体の共通課題です。たとえばITによる効率化で解決できないかというニーズの高まりは、非常に感じています。
※すべての食品等事業者が、2021年6月(制度施行日から1年後)までにHACCPの考えを取り入れた衛生管理を実施するよう求められている。