株式会社銀の葡萄

40店舗以上の
原価を自動計算。
課題を把握して
即時対策しています。

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「麺’s room 神虎」「鶏soba 座銀」などのラーメン店や居酒屋を直営・FC合わせて42店舗運営する株式会社銀の葡萄。同社は『BtoBプラットフォーム 受発注』で仕入れデータを集計、『メニュー管理機能』でメニューごとの原価を自動計算し、経営改善に活かしています。データをどう読み取っているのか、その手法を伺いました。

ココがPOINT!

システム連携で即時の原価管理を可能に

【Q】様々なブランドのラーメン店を展開されていますね。

取締役 飲食事業部長(以下同):当社はラーメン店を中心に、国内FC6店舗、海外FC14店舗を含む42店舗(2025年7月現在)展開しています。

また、店舗で使用する麺などの食材を製造するグループ会社を運営し、障害や難病のある方の就労支援もしています。他にも、クラフトビールの製造・販売や農業分野にも取り組んでいます。

株式会社銀の葡萄 取締役 飲食事業部長

取締役 飲食事業部長

【Q】仕入データを活用した経営改善の方法を教えてください。

当社では、インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』と売上管理システムを連携させています。仕入れ品の原価、当日の売上などのデータを自動で収集し、日次でFL(フードコストと人件費)比率を管理・分析しています。

重要なのは、個々の項目や数値よりも「その数字をどう行動に落とし込むか」です。例えば、売上が下がっていれば「何をすべきか」まで踏み込む。スタッフ全員に数字の見方や考え方を共有することを大切にしています。

「鶏soba 座銀」メニュー例
銀の葡萄のシステム間データ連携図

銀の葡萄のシステム間データ連携図

FL以外の数値はコントロールしづらいので、この2つのだけを注目しています。例えば、ある店舗で人件費が予算より高ければ、なぜ高かったのか店長が説明できればOKですし、説明できなければ一緒に原因を探ります。

こうしたデータは日々変わるので、日次で追えることが重要です。紙の伝票で管理していては数字の把握に1カ月ほどかかるため、問題があっても対応できません。インフォマートの受発注システムはリアルタイムで、誰でも、どこからでも同じ情報を確認できるのが大きなメリットだと感じています。

棚卸の簡素化と正確性

【Q】棚卸も『BtoBプラットフォーム 受発注』で管理されていますね。

一般的に、棚卸は現金と同じ価値をもつという考え方がありますが、私はそこまで厳密に考えていません。そこに気を遣いすぎると、従業員のストレスにつながりかねません。

ただ、棚卸の数量・単位は確実に確認します。以前は紙とExcelで管理して計算ミスが多発していましたが、インフォマートの受発注システムを使うことで、明らかにおかしい数字が一目で分かるようになりました。

【Q】棚卸しでは自社加工品や仕掛品の原価をどのように計算されていますか?

オプション機能の『メニュー管理機能』を使っています。これが素晴らしい機能で、仕掛品の原価を自動的に計算するので、とても重宝しています。手作業で原価計算すると1つのメニューに30 分かかっていましたが、今では3 分もかかりません。時間が短くなったので生産性も上がりました。

経営の現在地を知るための、原価の考え方

【Q】理論原価と実原価がマッチしないことが少なくありません。

「麺’s room 神虎」メニュー例

根拠は薄弱ながら「なんとなく原価が高い?」などと感じることがあります。確かに前月36%だったものが今月37%になれば高いですね。かつて当社でも、一概にFLを70%程度に抑えることをしていました。

しかし、メニューの売上構成比は毎日違うので、違って当然だと思うのです。もしかしたら、肉が高騰しているのかもしれない、ごぼうの使用料が多いのかもしれない、しかし、“もしかしたら”というのは感覚でしかありません。現在地が分からなければ、仕入れやカット方法、部位を見直しても意味がないのです。

だからこそ、理論原価と実原価をしっかり計算し、高くなった理由を明確にすることが重要なのです。インフォマートの『メニュー管理機能』に記録されている様々なデータを売上管理システムに取り込むことができれば、自動的に原価が数値として判明します。

実際、メインで使用している鶏ガラスープがひと月で8万3千円超過して使用していたことが判明しました。もしかしたら、棚卸しの金額が間違っていないか、廃棄が多くないか、スープを加熱しすぎて蒸発させたのかなど、様々な仮説を立てて原因を発見し対策に取り組んでいく。それが新たな目標になるのです。

図:理論値と実際の使用料の差異 計算方法

インフォマートを使ってつくづく思うのは、仕入れにしても棚卸にしても、現在の状況を数値に反映して把握することは非常に重要だということです。それは、先んじて次の目標に進めるプロセスになるのです。FLだけでなく、人生の目標設定においても同様だと私は思います。

理念経営の根本にある“熱さ”

【Q】御社はアルバイトの採用単価が低いそうですね。

社員の採用単価は 約9万円、アルバイトは9千 円程度で推移しています。飲食業界のアルバイトの採用単価は平均6万7千 円前後というので、健闘しているほうだと思います。

取り組んでいることは、入社後に待遇面などで「こんなはずではなかった」と誤解を与えないよう募集原稿は誇張せず正確に伝えること、店舗ごとの特徴を強みとしてアピールしていることです。例えば大阪・難波のある店舗は、お客様の9割近くが外国人です。働きながら英語が学べます、というのは強みになるでしょう。

他には、Googleサービスを使って応募フォームを作り、カレンダーアプリに日付と時間帯を入れてもらいます。応募から面接まで電話を使わず進められるため、全店で1カ月に80~100人の対応をスムーズに行っています。

【Q】採用後の研修・教育について教えてください。

理念や教育制度を本部で統一的に伝えるため、月4回私が直接研修を行います。なるべく丁寧に、熱く語ることで研修の質は向上していると思います。結果として、素敵な人材がより集まりやすくなり、かつ辞めにくくなったと思います。

特に理念は、最も熱い部分を真剣に語ります。世界一かっこいいラーメン屋さんを目指していること、私たちが飲食業界を覆したいという思いがあることを3 時間ほどかけてじっくりと理解してもらいます。そこに共感した方が残ってくれたらいいという思いで続けていますし、実際に残っているのは間違いないでしょう。

飲食業界の常識を覆すためにすべきこと

【Q】今後の展望について聞かせてください。

当社のメンバーが集まると、何店舗出店したとか、上場するかしないかというテーマの話よりも、飲食業界全体の話に花が咲くことが多いです。

この業界は、長時間労働や休日の少なさなどのマイナスなイメージがあります。私たちは、クリーンで明るくて明朗な業界をつくり、従業員を幸せにしていきたいと本気で願っています。そのためにも、データと理念の両輪で経営を進化させていきます。

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