人事担当者に聞いた!

雇用契約を電子化しない理由

2022/04/21

労働条件通知書の電子化の解禁後、コロナ禍により雇用契約の電子化への関心が一層高まっています。その実態を探るべく、20代~50代の人事業務担当者に雇用契約の電子化に関する、意識調査を実施(2021年版)。

雇用契約を電子化しない理由とは?雇用契約の電子化の実態や効果、課題など調査結果をもとにご紹介します。

目次

1.人事担当者に聞いた!雇用契約の電子化に関する実態調査

2.雇用契約の電子化の状況について

3.雇用契約の電子化の方法(正社員)

4.電子化した雇用契約書類の保管方法(正社員)

5.雇用契約の電子化の方法(パート・アルバイト)

6.電子化した雇用契約書類の保管方法(パート・アルバイト)

7.雇用契約電子化による効果

8.雇用契約を電子化しない理由

9.雇用契約を電子化していない企業の雇用契約の課題

10.雇用契約電子化の意向

11.まとめ~雇用契約の電子化の要望と障壁

図解!わかりにくい電子契約の仕組みを徹底解説

1.人事担当者に聞いた!
雇用契約の電子化に関する実態調査

2019年4月、労働条件通知書の電子化が認められました。これを契機に雇用契約の電子化を検討する企業も増えつつあり、新型コロナウイルスの影響でより一層、関心が高まってきています。そこで株式会社インフォマートでは、人事業務を担当する20代~50代の会社員に対し、雇用契約の電子化についての調査を実施。電子化の実態や効果、課題などについて聞きました。

調査概要
・調査対象:事前のスクリーニング調査で人事業務を担当していると回答した20代~50代の会社員241名
・調査期間:2021年2月12日~2021年2月17日
・調査手法:インターネット調査

人事担当をしている対象者の属性

年齢の内訳グラフ。20~29歳24.9%、30~39歳24.9%、40~49歳24.9%、50~59歳25.3% 従業員数の内訳グラフ。50人未満17.0%、50人~100人未満13.3%、100人~300人未満18.3%、300人~1,000人未満17.8%、1,000人以上31.1%、わからない/答えたくない2.5%
年齢の内訳グラフ。20~29歳24.9%、30~39歳24.9%、40~49歳24.9%、50~59歳25.3%
従業員数の内訳グラフ。50人未満17.0%、50人~100人未満13.3%、100人~300人未満18.3%、300人~1,000人未満17.8%、1,000人以上31.1%、わからない/答えたくない2.5%

雇用契約の電子化に関する実態調査の結果

今回の調査では雇用契約を電子化している(すべて電子化と一部電子化を含む)と回答した企業は約4割にとどまりました。電子化解禁から約2年。浸透したとはいいがたいようです。
いっぽうで、従業員1,000人を超える企業では約6割が雇用契約を電子化していました。
紙の雇用契約には書類の印刷や郵送、押印といったプロセスが必要で、管理する従業員が多ければ多いほど手間がかかります。そのため従業員数が大きい企業では導入が進んでいるのでしょう。では、雇用契約を電子化した企業は、業務効率化などの効果をどの程度実感しているのでしょうか? また雇用契約の電子化に至らない企業は、なぜ導入に至らないのでしょうか?
この後の調査で、雇用契約電子化の効果とその導入障壁について、くわしく見ていきます。

2.雇用契約の電子化の状況について

お勤め先では「雇用契約」を電子化していますか?

「雇用契約」の電子化状況の内訳グラフ。すべて電子化している14.1%、一部電子化している30.3%、電子化していない49.8%、よくわからない5.8%。雇用契約の電子化は、一部電子化も含めて44.4%にとどまる結果となりました。

雇用契約の電子化は、未だ約4割にとどまる

事前の調査で、人事業務を担当していると回答した241名のうち、雇用契約を「すべて電子化している」と回答した人は14.1%、「一部電子化している」は30.3%で、合計しても44.4%と約4割にとどまりました。いっぽう、従業員規模別で見ると、1,000人以上の会社では60.0%が雇用契約を電子化しています。
では、雇用契約を電子化した企業は、具体的にどこまでを電子化し、それをどのように管理しているのでしょうか
※ここでいう電子化とは電子データとして保存するだけでなく、契約プロセスそのものを電子化することを指します。紙の契約書をスキャンし保存するのみの場合は、対象外となります。

雇用契約の電子化の状況※従業員規模別

雇用契約の電子化の状況、従業員規模別グラフ。従業員数1,000人以上は、すべて電子化している24.0%、一部電子化している36.0%と、一部を含めて電子化している企業が60.0%となりました。

3.雇用契約の電子化の方法(正社員)

正社員の「雇用契約」に関する電子化の状況は?

正社員の「雇用契約」に関する電子化状況のグラフ。雇用契約書と労働条件通知書を電子化している53.3%、労働条件通知書のみ電子化している42.1%、労働条件通知書兼雇用契約書を電子化している34.6%、あてはまるものはない9.3%。

雇用契約電子化の手法、約半数が正社員の「雇用契約と労働条件通知書」を電子化

雇用契約には「雇用契約書」と「労働条件通知書」があります。雇用契約を電子化している企業に、その手法を聞いてみたところ、正社員については「労働条件通知書のみ電子化している」が42.1%、「雇用契約書と労働条件通知書を電子化している」が53.3%、「労働条件通知書兼雇用契約書を電子化している」が34.6%となりました。※複数回答可能。
また、本設問は複数回答が可能であり総数が100%を超えていることから、企業は複数の手法を柔軟に組み合わせて電子化していると推測できます

4.電子化した雇用契約書類の保管方法(正社員)

電子化した正社員の雇用契約書類の保管方法は?

電子化した正社員の雇用契約書類の保管方法に関する内訳グラフ。自社のファイルサーバーに保存している42.1%、クラウド型電子契約サービスに保存している35.5%、クラウドストレージを契約し保存している33.6%、紙で出力し保存している30.8%、あてはまるものはない6.5%。

3社に1社は、電子化した正社員の雇用契約書類を「紙で出力して保存」

電子化した正社員の雇用契約書類の保管方法は、「自社のファイルサーバーに保存している」が最も割合が高く、42.1%でした。「クラウド型電子契約サービスに保存している」が35.5%、「クラウドストレージを契約し保存している」が33.6%と続いています。※複数回答可能。
また「紙で出力し保存している」も30.8%と、電子化しているものの、紙で保管するケースも一定数存在することがわかりました。紙での保管に関する課題感はどれほどあるのでしょうか?
この後の設問で見ていきます。

雇用契約も電子化で楽になる。多数の雇用契約の締結・更新を迅速化させ、煩雑な管理はもう終わりに!

5.雇用契約の電子化の方法(パート・アルバイト)

パート・アルバイトの「雇用契約」に関する電子化の状況は?

パート・アルバイトの「雇用契約」に関する電子化状況のグラフ。雇用契約書と労働条件通知書を電子化している50.5%、労働条件通知書のみ電子化している41.1%、労働条件通知書兼雇用契約書を電子化している31.8%、あてはまるものはない12.1%。

アルバイトの場合も、約半数が「雇用契約書と労働条件通知書」を電子化

パート・アルバイトの雇用契約書類については、「労働条件通知書のみを電子化している」が41.1%、「雇用契約書と労働条件通知書を電子化している」が50.5%、「労働条件通知書兼雇用契約書を電子化している」が31.8%となりました。※複数回答可能。
「雇用契約書」と「労働条件通知書」の両方を電子化するのが、ひとつスタンダードな手法であるといえそうです。
次に、アルバイトの雇用契約書類の保管方法について見ていきましょう

6.電子化した雇用契約書類の保管方法(パート・アルバイト)

電子化したパート・アルバイトの雇用契約書類の保管方法は?

電子化したパート・アルバイトの雇用契約書類の保管方法に関する内訳グラフ。クラウドストレージを契約し保存している39.3%、クラウド型電子契約サービスに保存している38.3%、自社のファイルサーバーに保存している38.3%、紙で出力し保存している28.0%、あてはまるものはない9.3%。

従業員1,000人以上の企業は、アルバイトの雇用契約書類を「クラウド型電子契約サービス」で保管

パート・アルバイトの雇用契約書類の保存方法は、「自社のファイルサーバーに保存している」と「クラウド型電子契約サービスに保存している」が38.3%、「クラウドストレージを契約し保存している」が39.3%となりました。「紙で出力し保存している」は28.0%となっています。※複数回答可能。
さらに従業員規模別で見ると、1,000人以上の企業では「クラウド型電子契約サービスに保存している」が48.9%と半数近くに上りました。紙での保管はスペースも必要で、管理も手間がかかるため、契約書の管理・運用が容易な「クラウド型電子契約サービス」に保管する割合が高いと考えられます
次の設問では雇用契約の電子化による具体的な効果について見ていきます

電子化した雇用契約書類の保存方法(パート・アルバイト)※従業員規模別

電子化した雇用契約書類の保存方法(パート・アルバイト)、従業員規模別グラフ。従業員数1,000人以上は、クラウド型電子契約サービスに保存している48.9%、クラウドストレージを契約し保存している37.3%、自社のファイルサーバーに保存している44.4%、紙で出力し保存している31.1%となりました。
どうする?あふれる紙書類の管理。文書保管・管理も電子化でストレスなく管理できる

7.雇用契約電子化による効果

人事担当が実感する、雇用契約の電子化による効果は?

人事担当が雇用契約の電子化によって感じた効果のグラフ。業務負荷が減った49.5%、コスト削減につながった47.7%、管理のミスやトラブルが減った39.3%、契約のスピードが上がった39.3%、テレワークに対応できた37.4%、あてはまるものはない6.5%

雇用契約の電子化により、約半数が「業務負荷削減」「コスト削減」の効果を実感

雇用契約を電子化している企業にその効果を聞きました。「業務負荷が減った」と回答した企業は49.5%、「コスト削減につながった」は47.7%と、実に半数近くが業務負荷軽減やコスト削減の効果を実感しています。※複数回答可能。
ほかにも、「管理のミスやトラブルが減った」と「契約のスピードがあがった」が39.3%、「テレワークに対応できた」も37.4%と割合が高くなっています。
では、具体的に「どの程度」業務負荷やコストの削減効果が得られたのでしょうか? その割合について深掘りします

雇用契約電子化による業務負荷軽減はどのくらいか?

雇用契約の電子化による業務負荷の軽減度合いの割合グラフ。1割未満は減った11.3%、2~3割減った37.7%、4~5割減った22.6%、6~7割減った15.1%、8割以上減った3.8%、よくわからない9.4%。全体の79.2%が2割以上の業務不可削減を実現。

約8割の企業が雇用契約の電子化によって業務負荷を「2割以上削減」

雇用契約の電子化によって、具体的にどれだけ業務負荷を軽減できたのでしょうか? 調査では、2~3割減ったが37.7%、4~5割減ったが22.6%、6~7割減ったが15.1%。2~3割から8割以上の割合を合計すると79.2%にも上り、8割近くの企業が、「2割以上の業務負荷軽減」を感じていることがわかります。
コスト削減効果の具体的な割合についても見ていきましょう

雇用契約電子化によるコスト削減はどのくらいか?

雇用契約の電子化によるコスト削減の割合グラフ。1割未満は減った9.8%、2~3割減った47.1%、4~5割減った19.6%、6~7割減った9.8%、8割以上減った5.9%、よくわからない7.8%

約半数の企業が雇用契約の電子化によって「2割から3割のコストを削減」

雇用契約の電子化によってコスト削減につながったと回答した企業に、その度合いを聞くと次のようになりました。1割未満は減ったが9.8%、2~3割減ったが47.1%、4~5割減ったが19.6%、6~7割減ったが9.8%、8割以上減ったが5.9%。「2~3割減った」が47.1%と最も割合が高く半数近くに上りました。なかには「8割以上減った」という企業も存在します。印紙代や郵送代など、電子化によるコスト削減は大きいといえます。
では、雇用契約を電子化している企業は、他の契約書も電子化しているのでしょうか?

他の契約書の電子化状況は?他の契約書を電子化してますか?

職場で雇用契約以外の契約書を電子化している割合グラフ。はい68.2%、いいえ16.8%、よくわからない15.0%

雇用契約を電子化している企業のうち、約7割が他の契約書も電子化

雇用契約を電子化している企業に、他の契約書類も電子化しているかを聞くと、68.2%が「はい」と回答しました。雇用契約だけでなく、契約書そのものを電子化している企業も多いようです。企業で交わされる契約書は雇用契約書類だけではありません。業務委託契約書などさまざまな契約書が取り交わされています。
これまでの調査から、雇用契約書だけでなく、その他の契約書類も電子化することで、全社として大きな業務負荷軽減、コスト削減につながるといえそうです。
反対に、電子化に至らない理由についても聞いてみました

8.雇用契約を電子化しない理由

雇用契約を電子化していない理由のグラフ。導入に手間がかかる40.8%、コストが高い27.5%、業務が忙しく検討する時間がない25.8%、社内で同意が得られにくい24.2%、他の契約手続きも見直す必要がある21.7%、制度を変更する必要がある15.8%、使いこなすのが難しそう15.8%、あてはまるものはない20.0%

雇用契約を電子化しない理由 1位「導入の手間」2位「コストの高さ」3位「業務が忙しく検討できない」

雇用契約を電子化していない企業にその理由を聞くと、「導入に手間がかかる」が40.8%と最も割合が高くなりました。「コストが高い」が27.5%、「業務が忙しく検討する時間がない」が25.8%と続いています。
電子化のためには社内のルール等を変更する必要もあり、その手間を負担に感じている企業が多いようです。また「そもそも検討する時間がない」という導入決定に至る前段階の課題も浮き彫りになりました。新たにシステム導入を検討する際の、社内起案や稟議などに必要な調査や資料作成に十分な時間が取れないといった現場の実態が見えます。
雇用契約を電子化していない企業は、雇用契約業務においてどのような課題があるのでしょうか?

電子契約の導入率は3割にとどまる! 導入を阻む2つの壁とは

9.雇用契約を電子化していない企業の雇用契約の課題

雇用契約を電子化していない企業における、雇用契約の課題とは?

雇用契約を電子化していない企業における、雇用契約の課題のグラフ。契約書の更新管理などの手間がかかる48.3%、契約書の更新漏れなどのリスク37.5%、書類の保管場所が足りない30.8%、手続きに時間がかかる29.2%、テレワーク中も出社しなければならない25.0%、郵送などのコストが生じる20.8%、あてはまるものはない20.0%

雇用契約非電子化企業の課題 1位「契約書の更新管理の手間」2位「更新漏れなどのリスク」3位「保管場所」

雇用契約を電子化していない企業に、現在の雇用契約における課題を聞くと、「契約書の更新管理などの手間がかかる」が48.3%と最も多く、次いで「契約書の更新漏れなどのリスク」が37.5%、「書類の保管場所が足りない」が30.8%となりました。
また「テレワーク中も出社しなければならない」も25.0%となりました。新型コロナによって急速に普及したテレワークですが、紙の契約書類に押印するための「ハンコ出社」なども問題になりました。電子化することによってこうした課題の多くについて、解決が期待できます

10.雇用契約電子化の意向

人事担当は今後、雇用契約を電子化したいか?

人事担当の雇用契約電子化に関する意向のグラフ。雇用契約を電子化したいと強く思う15.0%、思う39.2%、どちらともいえない34.2%、思わない9.2%、全く思わない2.5%

雇用契約を電子化していない企業の半数以上が「電子化を望む」と回答

雇用契約を電子化していない企業のうち、「電子化したいと強く思う」割合は15.0%、「電子化したいと思う」は39.2%と、合計で54.2%もの企業が電子化を望んでいることがわかりました。従業員規模別で見ると、従業員数が多いほど電子化の意向が強く、300人~1,000人の企業では62.5%、1,000人以上の企業では69.6%と約7割もの企業が雇用契約の電子化を望むと回答しました。雇用契約の電子化を望む声が大きいことがわかります。
では最後に、調査のまとめをしていきます。

雇用契約電子化の意向※従業員規模別

雇用契約電子化の意向、従業員規模別グラフ。従業員数1,000人以上は、雇用契約を電子化したいと強く思う21.7%、思う47.8%、どちらともいえない17.4%、思わない4.3%、雇用契約の電子化の意向が69.6%ありました。

11.まとめ~雇用契約の電子化の要望と障壁

調査結果からは、雇用契約を電子化した企業は4割にとどまるものの、電子化に成功した企業の多くが、業務負荷削減やコスト削減の効果を実感していることがわかりました。いっぽうで、雇用契約を電子化していない企業は「契約書の更新管理の手間がかかる(48.3%)」「契約書の更新漏れなどのリスク(37.5%)」、「書類の保管場所が足りない(30.8%)」といった課題を抱えており、「ハンコ出社」なども常態化しているようです。そして、半数以上の企業が雇用契約の電子化を求めていることもわかりました。
しかしながら、雇用契約の電子化のためには「超えなければならない壁」があることも明らかとなりました。
なかでも「導入の手間」や「業務が忙しく検討できない」など導入時や比較検討時の負荷の高さは大きな障壁といえそうです。

ハンコ出社更新の手間 導入時の手間・比較検討時の手間 業務効率化・働き方改革 ハンコ出社更新の手間 導入時の手間・比較検討時の手間 業務効率化・働き方改革

電子契約の比較は機能だけでなく「サポート品質」も重要

電子契約の比較は、サポート品質も重要 電子契約の比較は、サポート品質も重要

雇用契約の電子化には「クラウド型電子契約サービス」の導入が有効です。ただ今回の調査結果からもわかるとおり、導入や比較検討に時間と手間がかかるのも事実です。
そこでポイントとなるのが電子契約サービスの「サポート」です
たとえば、「BtoBプラットフォーム 契約書」は電子契約としての機能はもちろん、導入検討時における「稟議書の作成補助」や「業務フロー提案」、また導入決定後には操作方法だけでなく「顧客や取引先への説明会開催の支援」などのサポートを行っています

電子契約サービスを導入・検討する際には、コストや機能比較ももちろん重要ですが、「サポート」についてもしっかりと確認しておくことをお勧めします。

電子帳簿保存法対応!法的効力のある電子契約サービス紹介資料はこちら

関連記事