無料オンライン相談

インボイス制度はなんのため?目的やシステム導入のメリット

2023年10月から導入されるインボイス制度(適格請求書保存方式)。インボイス制度に対応した請求書を作成・管理できるシステムの導入を検討している企業も少なくないでしょう。しかし、システム導入は必須であるのか、もしくは多くのシステムのなかからどのようなシステムを選ぶべきか悩む担当者も多いと推測します。本記事では、インボイス制度の目的から準備、システム導入のメリットまで広く紹介します。

インボイス制度はなんのため?目的やシステム導入のメリット

最終更新日:2022年11月17日

目次

インボイス制度の目的と請求書業務の変化

最初に、インボイス制度が導入される背景や目的、そしてインボイス制度開始に伴う請求書業務の変化を見ていきます。

対応の遅れが目立つインボイス制度

インボイス制度の目的は、売手が買手に対して正確に消費税の適用税率や消費税額等を伝えることです。制度導入の背景となるのは、軽減税率の存在です。軽減税率によって取引において8%と10%の2種類の消費税が混在するようになりました。それによって、消費税率・消費税額の把握が難しくなったと考えられているのです。そこでインボイス制度では請求書の記載内容が追加されます。つまり、取引をする双方が消費税額をより正確に把握することが、インボイス制度の目的です。

また、消費税納税の公平性担保もインボイス制度の目的のひとつとされます。従来、消費税に関しては、納税義務のある「課税事業者」と納税が免除される「免税事業者」がありました。免税事業者は消費者等から消費税を受け取っていたとしても納税が免除されており、公平ではないとの意見がありました。

しかし、インボイス制度に対応するには課税事業者となることが要件です。それまで免税事業者として消費税納税の納税義務を免れていた事業者がインボイス制度に対応することで、納税義務が生じるようになる可能性が高まります。結果的に納税の公平性が増すと見込まれます。

請求書業務の変化

インボイス制度の適格請求書とは、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「税率ごとに区分した消費税額等」の記載が追加されたものです。また、次のような点も変化が生じます。

・請求書発行側(売手側)
正しい項目を記載した請求書を発行し、控えを保存します。また返品や値下げなどによって売上金の返還等を行う場合には「適格返還請求書」を交付します。

・請求書受領側(買手側)
正しい項目が記載されているか確認し、保存します。

適格請求書では記載すべき項目が増えるため、作成時の様式変更が必要でしょう。また受領時においても、項目の誤りや漏れを見つけた場合は再発行を依頼しなければなりません。インボイス制度に対応している適格請求書は、買手側が仕入税額控除を受ける要件となるため、要件の欠けた請求書を受領していないか確実に確認していくことが求められます。

※インボイス制度の内容について詳しくは「インボイス制度とは?適格請求書等保存方式の導入による経理業務への影響と対応方法」をご覧ください。

インボイス制度におけるシステム導入のメリット

前章でお伝えしたように、インボイス制度によって請求書業務にも変化が生じます。自社でインボイス制度に対応するのに、手作業での対応も可能かもしれません。しかしこの機会に電子化請求書システムを導入することをおすすめします。電子請求書システムの導入によって次のようなメリットが得られるからです。

請求書業務のコスト削減

電子請求書システムの導入によって電子化を実現すれば、大量の請求書を印刷するコストを削減可能です。システム上からワンクリックで相手先に請求書を送付できるため封筒や郵送費も不要となります。インターネットを通じて請求書を送付できれば、神経を使う封入作業の削減も叶います。

経理全体の業務負担軽減が実現

請求書業務全般の効率化が実現しますが、さらに会計・販売管理システムとデータ連携することで経理業務全体の効率化・負担軽減が図れます。

例えば、発行側であれば、次のような負担軽減が考えられます。

・請求書やリマインドの自動化
電子請求書システム上から請求書を発行。また、入金日時が近くなると自動的に入金依頼のメールを相手方に送ったり、入金があったか入金確認を行ったりすることも可能

・会計システムとの連携による作業の自動化
自動で請求書情報を読み込ませる。部門・勘定科目を自動仕訳して記帳することで転記ミスが削減できる。入金確認からの債権消込業務も自動化すれば、入金状況も常に把握可能

受取側にも次のようなメリットがあります。

・郵送よりも請求書の受取りがスピーディとなる

・発行側と同じくその後の支払いと会計システムでの記帳を連携・自動化させることで、記帳作業が削減

・今後の支払い金額をデータとして可視化することで支払いの確実性が増す

内部統制の強化

システム上での請求書のやり取りならば、作成・変更の履歴を残すことができ、運用の透明性が高まります。閲覧権や変更権を社員ごとに付与することも可能となり、管理体制強化が図れます。これらによって請求書の不正改ざんや持ち出しの防止が可能です。

請求書業務の電子化が進む

電子請求書システムは、手作業で対応するよりも請求書の電子化がスムーズに行えます。電子データによる請求書の発行・受領・保存といった全工程を一気に電子化することができるからです。また、電子化が実現すれば、過去の請求書の検索性が向上したり、紛失リスクが軽減したりします。

なお、帳簿書類等の電子保存について定めた電子帳簿保存法では経理業務の電子化が促進されています。電子請求書システムを導入することで、電子帳簿保存法に対応しやすくなるでしょう。

インボイス制度に対応したシステムを選ぶポイント

電子請求書システムの導入によって多くのメリットを得ることができますが、さまざまなシステムがベンダーから提供されています。システム選びを間違えると、思ったほど効果を得られない可能性もあります。導入後に効果を発揮するシステムを選ぶために、重視したいポイントを紹介します。

・発行業務・受取業務双方において使い勝手がよいこと
請求書業務は発行・受取の業務があり、どちらか一方に特化したシステムであると、もう一方の業務が滞ってしまうリスクが生じます。発行・受取双方でバランスのよいシステムであることが重要です。使い勝手を確認するためには、事前に一部の機能が無料で利用できるシステムや、デモ画面が充実しているシステムを選択するとよいでしょう。

・クラウド型であること
インボイス制度の開始まで1年を切っています。そのため導入までに時間がかかるシステムであると、インボイス制度への対応が難しくなります。一般に自社で開発するオンプレミス型は導入に時間がかかるため、スピード重視であればクラウド型が望ましいです。オンプレミス型は初期費用も高くなるため、初期費用を抑えたい企業もクラウド型のシステムが向いているでしょう。

・サポートが充実していること
導入期間が短くとも、導入してから社内でシステムが定着するまでに時間がかかってしまっては意味がありません。導入後、業務フローや運用体制を安定させるためにはベンター側のサポートが必須です。導入時のトラブルや定着のためのフォローを丁寧にサポートしてくれるベンダーのシステムを選択します。

・既存システムとの連携がしやすいこと
現在使用している会計管理システム・販売管理システムとの連携が容易でないと、業務効率が落ちてしまいます。仮に連携できないと人の手で転記することになり、ミスが発生しやすくなります。また現在、請求書データをExcelで管理している場合は、CSVのデータ取込が可能であるシステムを選びます。

・電子帳簿保存法に対応したシステムであること
帳簿書類等の電子保存について定めた電子帳簿保存法は、単に請求書等を電子化すればそれでよいわけではありません。保存要件や検索要件がありますので、それらに対応した電子請求書システムを選択します。

・セキュリティ対策が充実していること
インターネットを介する以上、セキュリティ対策は十分に行わなければなりません。仮になりすましや不正アクセスなどによる情報漏えいが起きてしまえば、企業に大きなダメージが生じてしまいます。セキュリティ対策が充実していることは必須で、さらに必要に応じたセキュリティ強化オプションがあると心強いです。

インボイス制度のシステム選びは経理業務全体の効率化を視野に入れておこう

これまで免税事業者であった場合には、特に対応に悩むところの多いインボイス制度ですが、すでに実施が決まっています。適格請求書発行事業者になる・ならないにかかわらず、まずは制度を理解しなければなりません。そのうえでインボイス制度に対応していくのであれば、法令遵守の下、必要な準備を進めていきます。自社が何をすべきかをしっかりと見極め、決められた手順で手続きを進めていきます。少しでも早く動き出することで対応に余裕が生じ、事務負担の問題もクリアしやすくなるはずです。期限が迫ってから慌てないよう、迅速に着手していきましょう。

監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

請求書を電子化して、経理業務のコスト削減!
BtoBプラットフォーム請求書の詳細はこちら

BtoBプラットフォーム 請求書 資料ダウンロードはこちら

電帳法・インボイス制度の対応も
業務効率化もこれ一つで!

BtoBプラットフォーム 請求書
資料ダウンロード

詳しくわかる資料をプレゼント
  • 01.本サービスの概要、特徴
  • 02.導入により改善・削減できる内容の事例
  • 03.本サービスの料金体系
  • 04.他社サービスとの機能比較一覧