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インボイス制度に抜け道はある?回避策や罰則について解説

さまざまな物議をかもしているインボイス制度ですが、いよいよ2023年10月の導入が間近に迫ってきました。好む・好まないに関わらず、インボイス制度による変更については全事業者が理解しておかなければなりません。今回はインボイス制度の対応について、いわゆる抜け道となる方法があるのか、自社の対応を考えるうえで参考となる情報を解説していきます。

インボイス制度に抜け道はある?回避策や罰則について解説

最終更新日:2023年1月12日

目次

インボイス制度は抜け道で切り抜けられる?

インボイス制度は全容を理解するのが難しいうえに、業務への影響も少なくありません。対応しなくて済むならば対応せず現状維持していきたいと考える事業者も少なくないようです。そんな場合に気になるのが、インボイス制度にはいわゆる「抜け道」のようなものがあるのかということでしょう。

端的に言って、インボイス制度に抜け道はありません。国の納税に関わる制度であり、不正行為に対しては罰則が設けられています。

インボイス制度は、消費税納税が公平性をもって行われるための制度です。インボイス制度の焦点である「適格請求書発行事業者」になるかならないかという選択については任意であるものの、「適格請求書発行事業者」申請を行わずに対応できる抜け道は存在しません。

そのため、抜け道になるような手段には、違法性が問われる可能性があります。安易な考えは持たないのが得策といえるでしょう。

インボイス制度に違反した場合の罰則は、“1年以下の懲役または50万円以下の罰金”です。

取引事実を仮装した書類・偽造、登録番号の貸借、偽りの記載などはすべて、上記に該当する恐れがある不正行為と見なされます。

合法的な対処法として考えられるものには、次のような方法があげられます。

・消費税負担分の値引き交渉

この場合には独占禁止法や下請法などに抵触しないよう、双方が納得する形での話し合いが必要です。

・発注の際に消費税を上乗せしない

小口の取引の場合には消費税を初めから上乗せせず、実費のみでのやり取りとする方法もあります。

いずれの方法も個々の事情や取引の性質により最適解が異なります。さらに、法令に抵触しないよう取引先同士での十分な検討が必要です。

これらから、インボイス制度については「抜け道」ではなく、自社へのマイナスをできる限り回避できる対応を図ることが重要です。

インボイス制度について次の記事で詳しく解説しています。

全容を知りたい場合は「インボイス制度とは?適格請求書等保存方式の導入による経理業務への影響と対応方法」をご覧ください。

インボイス制度の実情と問題点

インボイス制度の進捗状況と遅れの原因となっている問題点について解説します。

対応の遅れが目立つインボイス制度

2022年9月時点で「課税事業者」のうち、インボイス制度に登録済みの事業者は3割程度にとどまるとされています。対応を進めている事業者も全体から見れば順調に増えているというほどでもなく、制度の周知や理解が進んでいるとはいえない状況です。

ニュースや新聞などから用語としては知っていても、実際にインボイス制度の全容を正しく把握できていない企業が存在するのが実情といえます。制度の詳細がわからず、何から手を付けて良いのか、具体的にどのような影響があるのか予測できずにいる事業者は少なくないようです。

インボイス制度の問題点

理解の浸透が進まない以外にも、インボイス制度にはさまざまな問題が指摘されています。仕入税額控除の仕組みが変わることにより、これまで良好であった受発注に関わる事業者間の関係性に、大きな影響を及ぼす可能性があるからです。

・受注の問題点

課税事業者でない事業者は、受注側では現行の取引ができなくなり、自社の存続が危うくなることも考えられます。

取引先が仕入税額控除を受けるためには自社が課税事業者となり、適格請求書を発行できる状態にしなければなりません。取引先が適格請求書を求め、それに応じられない場合には最悪、取引先を失い結果として売上が低下する可能性が出てきます。

仮に適格請求書発行事業者になった場合は、課税事業者になると消費税納税手続きを行う必要が生じます。売上自体に変化がなくても、納税により利益減となることが考えられます。

・発注側の問題点

発注側では、取引相手によって経理処理が煩雑化する可能性があります。適格請求書とそれ以外の請求書によって仕入税額控除の有無が変わるため、書類を仕分けながら処理をしていかなければなりません。

・事業者全体の問題点

インボイス制度は、消費税納税の公正化を図るための取り組みですが、事業者側にとっては制度改正に伴い手続き上の事務負担が発生します。インボイス制度による、事業者側の明らかなメリットが見えないため、対応に腰が重くなっているというのが現状であり、「抜け道」がないかと探る企業が生じるのだと考えられます。

インボイス制度への対応は?

インボイス制度の進捗状況と遅れの原因となっている問題点について解説します。

インボイス制度への対応

次のような項目に関して対応していきます。

・自社への影響を把握

まずはインボイス制度がどのようなものなのか、ポイントを理解したうえで、自社の取引内容を正しく把握するところから始めます。自社取引における適格請求書の要・不要について調べ、インボイス制度が開始されることによる影響の度合いを押さえることが重要です。

非課税取引は対象外であるため医療、社会福祉事業、学校教育などに関する事業をメインとしている場合には、影響が少ない可能性が高いです。また、個人が顧客の事業では、適格請求書を求められることがないため、影響を受けないと考えられます。

・インボイス制度の手続きを確認

影響が大きいためにインボイス制度に対応する場合は、適格請求書発行事業者とならなければなりません。その際には、適格請求書発行事業者の登録申請書を提出します。現在課税事業者であっても、こちらの登録申請を行わない場合にはインボイス制度に対応できません。登録により、適格請求書発行事業者の登録番号が付与されることで適格請求書の発行が初めて可能となります。

・消費税の手続きを確認(免税事業者の場合)

本来、課税事業者となるには「消費税課税事業者選択届出書」を提出し手続きを行います。しかし、適格請求書発行事業者登録簿の登録日が2023年10月1日から2029年9月30日までの日の属する課税期間中である場合は、課税選択届出書を提出しなくても、登録を受けられます。つまり、該当期間においてはインボイス制度の対応と課税事業者になることは、手続き上同一です。なお、インボイス制度に対応して以降、消費税の納税義務が発生するため、業務フローの確認や納税額の見込みを出すなどの準備が必要です。

コスト面での対策

インボイス制度に対応するうえでの、コスト面に不安を抱える企業も少なくないようです。インボイス制度では現行の「区分記載請求書」から「適格請求書」に変更となるため、次のような負担が発生すると想定されます。

・インボイス制度対応レジの導入

・インボイス制度対応の受発注・請求書管理システムの導入

インボイス制度導入に伴う事務処理の軽減のためには、こうした機器類やシステムの導入が有効策となりますが、経済的な負担は可能な限り抑えたいところです。対策としては、インボイス制度に対応できる補助金の活用を検討するのがおすすめです。

例えばIT導入補助金では、インボイス対応に伴う各種ソフト、システムの導入に関して、5万円~350万円の支給を受けることができます。

会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトなどのほか、レジを含めたハード機器、クラウド利用費や導入関連費なども対象となり幅広い活用が可能です。インボイス制度への適切な対応を行うためにも、補助金を活用した体制整備を考えてみてはいかがでしょうか。

※IT導入補助金制度について詳しくは、「IT導入補助金2022!通常枠とデジタル化基盤導入枠との違いやスケジュールを詳しく解説」をご覧ください。

信頼性ある事業者としてインボイス制度に正しく対応を

これまで免税事業者であった場合には、特に対応に悩むところの多いインボイス制度ですが、すでに実施が決まっています。適格請求書発行事業者になる・ならないにかかわらず、まずは制度を理解しなければなりません。そのうえでインボイス制度に対応していくのであれば、法令遵守の下、必要な準備を進めていきます。自社が何をすべきかをしっかりと見極め、決められた手順で手続きを進めていきます。少しでも早く動き出することで対応に余裕が生じ、事務負担の問題もクリアしやすくなるはずです。期限が迫ってから慌てないよう、迅速に着手していきましょう。

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監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

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