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デジタルインボイスとは?電子インボイスとの違いやメリットを解説

デジタルインボイスとは?電子インボイスとの違いやメリットを解説

最終更新日:2025年5月19日

デジタルインボイスを活用すると、利用しているシステムを問わず請求データの連携と自動処理が可能になります。海外ではデジタルインボイスを義務化している国もあり、急速な広がりを見せています。今後、日本においても普及していく可能性が高いでしょう。

そこで今回は、デジタルインボイスと電子インボイスとの違いや、デジタルインボイスを導入するメリットなどについて解説します。

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目次

デジタルインボイスとは、標準化・構造化された請求データのこと

デジタルインボイスとは、標準化・構造化された電子インボイスのことです。請求書(インボイス)を電子データとして保存するだけでなく、内容を構造化してデータ処理をしやすくしたもので、現在世界中で導入が進められています。

デジタル庁によれば、デジタルインボイスとは「売り手のシステムから買い手のシステムに、請求情報を直接データ連携し、自動処理できる仕組み」と定義されていますが、日本国内では法的な定義はまだ決められていません。

従来の紙の請求書では、発行側と受領側がそれぞれ請求金額や支払情報などを個別に入力し、支払処理を行う必要があります。PDF形式でやりとりした場合も、データをもとに受領側が入力しなければなりません。CSV形式の請求書であれば、異なるシステム間でのデータの取り込みは可能ですが、それでも取り込み作業は発生します。

それが、デジタルインボイスを利用すると、データの自動連携や自動処理が可能になるため、手作業での入力や取り込み作業が不要になります。これにより、業務効率が大幅に向上し、入力ミスの防止やコスト削減にもつながるでしょう。

なお、ここでのインボイスは、2023年10月から開始したインボイス制度における適格請求書(インボイス)を指すのではなく、請求書を表す英語の「invoice(インボイス)」の意です。


デジタルインボイスと電子インボイスの違い

デジタルインボイスと電子インボイスは、どちらも請求書の電子化に関連していますが、その定義と特徴には大きな違いがあります。

デジタルインボイスは、前述のとおり標準化・構造化された請求データを指します。デジタルインボイスは、システムに依存せず自動処理が可能な形式で、特に国際規格「Peppol(ペポル)」をベースとしたデジタルインボイスは、国際的に広く使用されています。

一方の電子インボイスは、インボイス(請求書)を電子データ化したファイルのことです。電子インボイスは、請求書発行システムで作成し、電子データ化されたデータだけでなく、ExcelやWordで作成し、PDF化した請求書も該当します。電子インボイスはデータ形式が統一されていないため、システム間の自動連携や処理が困難な場合があります。

デジタルインボイスと電子インボイスの特徴
デジタルインボイス 電子インボイス
形式 標準化・構造化されている 統一されていない
自動処理 可能 困難な場合が多い
システム間の連携 スムーズ 限定的
国際的使用 広く使用されている 各国・各社で異なる

デジタルインボイスは、単なる請求書の電子化を超えて、企業間取引のデジタル化と効率化を推進する重要な要素です。電子インボイスが紙の請求書を電子化する第一歩だとすれば、デジタルインボイスはその次の段階として、より高度な業務効率化と国際標準化を実現するものといえるでしょう。


デジタルインボイスを導入する目的

デジタルインボイスの導入は、主にバックオフィス業務全体のデジタル化による効率化と生産性向上を目的としています。デジタルインボイスに置き換えることで、請求、支払い、入金確認といった経理業務を自動化でき、経理担当者の負担を大幅に軽減できるでしょう。

デジタルインボイスは世界中で広く普及しており、80ヵ国以上でデジタルインボイスの発行やデジタルレポーティングの義務化が実施、または予定されています。

こうした義務化の背景には、「デジタルインボイスのデータを提出させることで脱税を防ぐ」「海外との取引情報をスムーズに照合する」といった意図があります。日本では現状義務化はされていませんが、海外との取引を行う企業にとっては、顧客の国の法令に注意が必要です。

デジタルインボイスの世界標準規格「Peppol」とは?

「Peppol(ぺポル)」とは、デジタルインボイスをやりとりするための国際的な標準仕様です。デジタルインボイスを発行するには、企業間で共通の基準で請求データを標準化・構造化しなければなりません。そのための仕様がPeppolです。

Peppolの管理は、ベルギーの国際的な非営利組織「OpenPeppol」が行っており、ヨーロッパ、オーストラリア、シンガポールなど、30ヵ国以上で採用されています。

■Peppolの仕組み


出典:デジタルインボイス推進協議会「デジタルインボイスとは

Peppolの仕組みは、4つの要素(コーナー)で構成されるモデル(4コーナーモデル)で説明できます。
まず、請求書の発行側(C1)が、自らのアクセスポイント(C2)を通じてPeppolのネットワークに接続し、受領側のアクセスポイント(C3)に請求書のデータセットを送信。その後、受領側(C4)に請求データが届きます。

Peppolの仕様は、主にこのアクセスポイント間(C2とC3のあいだ)でのデータやりとりに関するルールを定めており、これによって異なるシステム間でも請求データをスムーズにやりとりすることが可能です。

日本におけるデジタルインボイスの標準仕様「JP PINT」

日本では、Peppolをベースに日本のデジタルインボイスの標準仕様「JP PINT」を定めています。JP PINTは、国際規格Peppolをベースに、デジタル庁とデジタルインボイス推進協議会(EIPA)が連携して策定したものです。JP PINTは、日本の商取引や税制に適合したデジタルインボイスの仕様を定めており、現在は下記の3種類が公開されています。

<JP PINTで公開されている仕様>
・Peppol BIS Standard Invoice JP PINT:適格請求書に対応
・JP BIS Self-Billing Invoice:仕入明細書に対応
・JP BIS Invoice for Non-tax Registered Businesses:区分請求書に対応

上記のうち、「Peppol BIS Standard Invoice JP PINT」と「JP BIS Self-Billing Invoice」は、2023年10月に導入されたインボイス制度における「適格請求書等」として認められています。

これらの仕様は、インボイス制度で求められる記載事項(登録番号、適用税率、税率ごとに区分けした消費税額等)に対応しており、デジタル化による業務効率化と法令遵守を同時に実現が可能です。

JP PINTの目的は、企業間取引のデジタル化を推進し、「紙のやりとりを前提にしない」取引環境を実現すること。これにより、企業や業種を問わず統一された形式でデジタルインボイスのやりとりが可能となり、取引全体の効率化が期待されます。

なお、デジタルインボイス推進協議会は、1社の代表幹事法人と9社の幹事法人で構成されており、インフォマートは幹事法人の1社です。

参考:デジタル庁「JP PINT

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デジタルインボイスを導入するメリット

デジタルインボイスの導入は、企業に多くのメリットをもたらします。ここでは、デジタルインボイスを導入するメリットを、具体的に見ていきましょう。

データ処理の自動化と人為的ミスの防止

デジタルインボイスを導入すると、システムを問わずデータの自動連携が可能になります。これにより、手作業による入力が不要となり、人為的ミスを大幅に削減できるでしょう。

利用しているシステムが顧客と異なる場合でも、スムーズにデータのやりとりができ、受領したデータは自動で処理されます。結果として、業務の効率化とともに、人為的ミスの防止や経理業務の負担軽減にもつながります。

データ改ざんの防止

デジタルインボイスは、データの改ざんを防止する機能を備えています。電子署名(eシール)の使用やアクセスログの記録によりデータの完全性を確保し、不正な変更を防ぐことが可能です。 これらの機能により、紙の請求書や電子請求書よりも高度なセキュリティ管理を実現します。

保管・管理コストの削減

デジタルインボイスの導入により、請求書の保管や管理にかかるコストを大幅に改善できます。デジタルインボイスを使用することで、従来の紙の請求書に必要だった印刷コストや配送コスト、保管コストの削減が可能です。

リモートワークに対応できる

デジタルインボイスを導入することで、請求書業務の完全なデジタル化が実現します。経理担当者はインターネット環境さえあれば、場所を問わず請求書の発行、送付、確認作業を行うことが可能です。さらに、JP PINTに対応したシステムを利用することで、アップロードした請求書の内容が自動的にチェックされ、適格請求書の条件を満たしているかを確認できます。

また、フォーマットが標準化されているため、複数の担当者が確認作業を行う際の正確性と効率性が向上するでしょう。

海外企業との円滑な取引が期待できる

JP PINTは、国際標準規格であるPeppolをベースに定められています。そのため、JP PINTに対応したデジタルインボイスを導入することで、海外企業との取引をよりスムーズに進められる可能性があります

Peppolはヨーロッパを中心に30ヵ国以上で採用されており、言語や通貨、税制の違いを越えたスムーズなデータ連携を可能にする国際的な仕様です。JP PINTは、この国際規格にもとづき標準化されたフォーマットで請求書を発行・受領できるため、請求書の規格・システムの違いによるミスと、業務負担の削減が見込めるでしょう。

なお、「BtoBプラットフォーム 請求書」はデジタルインボイスの形式で請求書を発行・受け取りするデジタルインボイスサービスです。さらにJP PINTに対応したPeppolネットワークを活用できます。

デジタルインボイスを導入するデメリット

デジタルインボイスの導入には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。デジタルインボイスの導入を検討する際は、デメリットについても理解を深め、どのように解決していくのかを検討しましょう。

導入や運用にコストがかかる

デジタルインボイスを導入するには、デジタルインボイスの発行・受け取りができる電子請求書システムの導入が必要です。システム導入の初期費用やソフトウェアの基本料金、新システムの運用に関連する人件費・研修費などのコストがかかることは避けられません。

デジタルインボイスの導入は、全体としては大幅なコストカットにつながると考えられますが、ある程度の初期投資は覚悟する必要があります。

電子データ保存のルールを社内で決める必要がある

デジタルインボイスでやりとりをしたデータは、電子帳簿保存法の電子取引の保存要件を満たす形で保存しなければなりません。各企業は保存要件を満たすための適切な保存方法を検討し、社内ルールを策定して周知する必要があります。

また、情報漏洩を防ぐために、データの取り扱いに関する規程も定める必要があるでしょう。デジタルインボイスに対応したシステムを選定する際は、電子帳簿保存法やインボイス制度といった法令への対応状況や、セキュリティ性能についてもチェックしておきましょう。

※電子帳簿保存法の対象書類と保存要件の詳細は下記の記事もご覧ください。

デジタルインボイスを断られるケースがある

デジタルインボイスへの移行を、すべての顧客が受け入れるとは限りません。特に、これまで紙の請求書を利用していた顧客の中には、デジタルインボイスに対応できない、または対応を望まないケースがあるでしょう。

このような場合、デジタルインボイスに対応できない理由や不安をヒアリングし、適切にフォローすることが重要です。それでも移行を断られてしまったときは、紙の請求書とデジタルインボイスを並行して発行する対応が必要になる場合もあります。

なお、「BtoBプラットフォーム 請求書」はデジタルインボイスに対応したシステムで、PDFのように電子インボイスの形式で請求書を発行することや、郵送代行による紙の請求書での発行も可能です。デジタルインボイスを希望しない顧客に対しても柔軟に対応し、段階的なデジタル化を進めることができます。

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BtoBプラットフォーム 請求書を活用して、デジタルインボイスを導入した事例

日本国内でも、デジタルインボイスを導入する企業が増えています。ここでは、Peppol連携に対応した「BtoBプラットフォーム 請求書」を活用している2社の事例をご紹介します。

マンダム:JP PINTの広まりによる利便性の高い未来に期待

株式会社マンダム様では、従来のEDI仕様による紙の請求書の郵送業務に、膨大な業務量とコストがかかっていました。また、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応も難航していました。

そこで、「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入し、基幹システムと連携することで、伝票転記処理後に自動でシステム上にデータがアップロードされ、請求書の自動発行に対応。その結果、これまで年間1,400時間かかっていた業務時間は150時間に短縮し、約520万円のコストは56万円に削減できました。

今後、JP PINTでのやりとりが広まっていけば、さらに利便性の高い未来が期待できます。他社の動向も見つつ、JP PINTへの対応も視野に入れることを検討しています。

※株式会社マンダム様の導入事例の詳細については「取引ごとの請求書と月次請求書を無理なく発行。 法制度もクリアし、9割のコスト削減を実現しました。」をご覧ください。

花王ビジネスアソシエ:Peppolネットワークですべてがつながる、その先を見据えて

花王ビジネスアソシエ株式会社様では、支払業務の自動化を進める一環として「BtoBプラットフォーム 請求書」を導入。年間約30万件受け取っていた紙の請求書を、約10万件まで削減できました。

紙の請求書についても、AI-OCRサービスでデータ化した後「BtoBプラットフォーム 請求書」に自動連携することで支払業務の時間短縮につながっています。請求書の受領から申請内容を各部の担当者に転送するまでの時間は、60分から10分に短縮しました。

今後、Peppol関連サービスが実用化していけば、すべての請求の流れの一本化も可能でしょう。Peppolネットワークですべてのシステムがつながるようになったその先を見据え、社外も巻き込んだデジタルシフトを目指しています。

※花王ビジネスアソシエ株式会社様の導入事例の詳細については「花王グループの経理業務は「つながる」の一歩先へ。数値化できなかったデータの可視化はDXの入口です。」をご覧ください。

デジタルインボイスに対応したシステムなら「BtoBプラットフォーム 請求書」がおすすめ

今後、日本国内でもデジタルインボイスの利用は広がると考えられます。デジタルインボイスは、国内外を問わずデータの連携と自動処理が可能なため、経理業務の効率化や迅速化に役立つでしょう。

BtoBプラットフォーム 請求書」は、デジタルインボイスに対応した請求書発行・受取システムです。顧客とシステム間で請求データを直接連携・自動処理できるため、PDFをメールに添付したり、ダウンロードしたりする手間がかかりません。さらに「Peppol連携」機能を利用することで、Peppolネットワークを通じて国際標準規格に準拠したデジタルインボイスの送受信が可能になります。

紙媒体での請求書発行を希望する顧客には、紙の請求書を発行したりすることも可能です。状況に合わせて柔軟に対応できるため、デジタルインボイスの導入を検討している企業にとって非常に便利です。

デジタルインボイスに対応できるシステムをお探しの際は、ぜひ「BtoB プラットフォーム 請求書」をご検討ください。

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よくあるご質問

デジタルインボイスとは何ですか?

デジタルインボイスとは、標準化・構造化された電子インボイスのことです。請求書(インボイス)を電子データとして保存するだけでなく、内容を構造化してデータ処理をしやすくしたもので、現在世界中で導入が進められています。

詳しくは「デジタルインボイスとは、標準化・構造化された請求データのこと」をご覧ください。

デジタルインボイスと電子インボイスの違いは何ですか?

デジタルインボイスは、標準化・構造化された請求データを指し、システムに依存せず自動処理が可能な形式で、国際的に広く使用されています。一方の電子インボイスは、請求書(インボイス)を電子データ化したファイルを指し、請求書発行システムで作成し電子データ化されたデータだけでなく、ExcelやWordで作成し、PDF化した請求書も該当します。

詳細は「デジタルインボイスと電子インボイスの違い」をご覧ください。

デジタルインボイスは義務化されますか?

デジタルインボイスは義務化されていません。ただし、デジタルインボイスの国際的な標準仕様である「Peppol」は30ヵ国以上で採用されており、日本でもPeppolをベースとしたデジタルインボイスの標準仕様「JP PINT」が定められています。海外企業との円滑な取引や、さらなる自動化・業務効率化が見込めるなどのメリットから、デジタルインボイスの利用をおすすめします。

詳しくは「デジタルインボイスを導入するメリット」をご覧ください。

監修者プロフィール

宮川 真一

岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは20年以上たちました。現在は、税理士法人みらいサクセスパートナーズの代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っています。あわせて、CFP®(ファイナンシャルプランナー)の資格を生かした個人様向けのコンサルティングも行っています。また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事しております。

【保有資格】CFP®、税理士

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