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種類の多い証憑を改めて確認!保存期間や電子帳簿保存法との関連も解説

証憑は、経理だけにとどまらず営業や事務などあらゆる従業員が目にする書類です。しかしその種類はいくつもあり、意外と何に使われているのかわからないという証憑もあるでしょう。ここでは証憑について、概要や種類、保存期間や電子帳簿保存法などから解説します。

種類の多い証憑を改めて確認!保存期間や電子帳簿保存法との関連も解説

最終更新日:2022年6月15日

目次

証憑とは?

取引が成立した証拠になる書類のこと。社内・社外関係なくあらゆる取引を含みます。数や本数、価格などが正確に記載されているため、「物品のやり取りをした」「お金を支払った」「お金を受け取った」という証拠になります。

ざっと見る証憑書類の例

まず証憑書類にはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

・外部取引で使う証憑
見積書や発注書、請求書や注文書、納品書や商品受領書、契約書や送り状、領収書やレシート、手形や小切手など。

・内部取引で使う証憑
口座通帳や稟議書、出荷や製造の指図書、入庫や出庫の伝票、入金や出金の伝票など。

よく使われる証憑の種類4つ

続いてよく使われる証憑を4種類、解説していきます。

支払いや売上に関する証憑

支払いや売上関連のやり取りを示す書類です。

・契約書
業務委託契約書や売買契約書など、何らかのサービスや商品をやり取りするときの契約を示すための書類です。契約書には、「どういったサービスや商品を提供するのか」「支払い方法は何か」「支払う金額はいくらか」「どのような方法でサービスや商品を提供するのか」が書かれています。

・請求書
サービスや商品の支払額がいくらか、を示す書類のこと。受け取った側は、記載された内容にもとづいて支払うため、「いつ何についていくらの支払いが生じたか」を知る証拠になります。

また請求書には、2023年10月から始まるインボイス制度がかかわります。

詳細は「適格請求書発行事業者になるには? 登録方法や手続きの必要性について解説」を参照ください。

・領収書
「いつ何についていくらの支払いを受け取った」という内容を示す書類のこと。これにより領収書を受け取った側は「いつ何についていくらの支払いをしたのか」が証明できます。

仕入・注文といったサービスや商品のやり取りに関する証憑

仕入や注文といったサービスや商品のやり取りを示す証憑です。

・見積書
サービスや商品が「どのくらいになるのか」おおまかな価格を示した書類のこと。発注や注文に至る前に発行され、見積書を受け取った側が納得したら正式に発注書や注文書の発行に進みます。

・発注書や注文書
「いつ誰にどんなサービスや商品を頼んだのか」が書かれた書類のこと。これをもとにサービスや商品をやり取りして納品書や請求書、領収書の発行に進みます。

・納品書
サービスや商品を相手に提供したという証拠になる書類のこと。納品書の授受によって「確かにサービスや商品を提供した」「確かにサービスや商品を受け取った」という証明が双方でなされます。よって必須ではないものの、多くの場合において発行されます。

・レシート
「いつどこでどのようなサービスや商品を受け取ったのか」を証明する書類のこと。領収書との違いはほとんどありません。じつはレシートの場合、内容を改ざんするのが難しいうえ、受け取ったサービスや商品の詳細が記載されているため、信頼性が高いとされます。

・小切手
「決められた金額が支払われる」と書かれた書類のこと。有価証券のひとつで、受け取った側は銀行に持っていき、現金と引き換えます。

・手形
決められた期間が経ったあとに決まった金額を支払う書類のこと。先々に支払うと約束するものであるため、現在、手元にお金がなくても発行できます。

採用や給与など人に関する証憑

採用や給与といった人に関する証憑です。

・給与明細
支給や控除の項目ならびに金額、そして手取りとなる総支給額について書いた書類のこと。組織に雇用されて働く、つまり給与を受け取っている人に発行されます。

・雇用契約書
どういった条件で労働するのか、といった内容を書いた書類のこと。従業員を雇用する際に作成し、事業所から従業員にわたされます。

・出勤簿
従業員の勤務状況を記載する帳簿のこと。法定三帳簿のひとつで、労働基準法で備え付けと記載が事業所に義務付けられています。

・タイムカード
出退勤時刻を記録するカードのこと。出勤簿と似ているものの、一般的にタイムカードは時刻のみを打刻するため、同様とはいえません。もしタイムカードを出勤簿の代わりとする場合、日報といった作業をした時刻を示す他書類と組み合わせて、正しい時間が記録されているかの確認を取る必要があります。

・労働者名簿
労働者の氏名や部署といった属性がまとめられた名簿のこと。法定三帳簿のひとつで、労働基準法で備え付けと記載が事業所に義務付けられています。交通費の管理や緊急連絡などさまざまな場面で使うため、つねに最新の情報が掲載されていなくてはなりません。

・賃金台帳
従業員に支払う給与の根拠となる内容がまとめられた帳簿のこと。法定三帳簿のひとつで、労働基準法で備え付けと記載が事業所に義務付けられています。氏名はもちろん労働日数や時間、基本給や該当する手当の金額などが書かれています。

その他に関する証憑

その他に関する証憑です。

・賃貸契約書
物件の正式名称や所在地、家賃や契約期間、設備や構造などについてまとめられた書類のこと。物件の賃貸契約をする際、やり取りされる書類です。

・借入返済予定表
「どこの金融機関からいくら借り入れたのか」「全体の借入金がいくらで返済回数は何回か」「年率は何%か」などをまとめた書類のこと。これをもとに借入金や利息の返済を進めていきます。

・預金通帳
「口座にいくらお金が入っているか」「預け入れと引きだしでどのようなお金の動きがあったのか」を示すもの。多くの銀行では手数料をもとに発行するものの、インターネットバンクの一部では、Web明細のみで通帳がない場合もあります。

証憑の保存期間はどれくらい?

請求書はどのように処理・保管するのでしょうか。3つのパターンから見ていきます。

自社から送る請求書

法人は、法人税法にもとづき保存期間は7年。7年は、請求書を発行した年の確定申告書を提出する期限翌日から数えます。ただし欠損金が生じた場合、10年間の保存期間となるのです。不安であれば、一律10年で保存するのもよいかもしれません。

またこれはあくまで法人税法の話で、会社法にもとづくと5年・10年の対象になるものもあります。総合するとやはり10年での保存が望ましいでしょう。

証憑とも関連する電子帳簿保存法とは?

これまで証憑では、紙の原本を保存しなければなりませんでした。しかし電子帳簿保存法により、電子データでの保存も認められるようになったのです。1998年から始まり、2005年や2015年などで何度か改正され、今に至ります。

また2022年1月には、電子帳簿保存法承認制度の廃止やタイムスタンプ要件の緩和を含む、改正電子帳簿保存法が施行されました。

詳細は「2022年の税制改正で、電子帳簿保存法はどう変わる?」を参照ください。

電子帳簿保存法の対象となる証憑

電子帳簿保存法の対象となる証憑は、請求書や見積書、契約書や注文書、レシートや領収書、納品書など。

そのほか、

・「国税関係帳簿」:固定資産台帳や現金出納帳、総勘定元帳や仕訳帳、売上・仕入帳など

・「国税関係書類」:損益計算書や貸借対照表、自社が発行した領収書や請求書、注文書など

も電子帳簿保存法の対象になります。

電子帳簿保存法で保存する際の要件

電子帳簿保存法のもと電子データとして保存する際は、「真実性」と「可視性」2つの確保が必要です。

電子帳簿保存法における証憑の取り扱い

証憑は電子帳簿保存法においてどのように取り扱うのでしょう。領収書と請求書について見ていきます。

領収書や請求書を電子データで保存する場合

電子データで受け取った場合、電子データのまま保存します。しかしその電子データが真実性を持つかどうかを担保するため、以下どれかの条件を満たして真実性を確保しなくてはなりません。

・電子データにタイムスタンプが付与されており、それを受け取る

・受け取った側でタイムスタンプを速やかに付与する

・「電子データに修正・削除をすると履歴が残る」「そもそも修正・削除できない」どちらかのシステムを使う

・改ざんや不審なデータ削除が行われないよう、事務処理に関する規定を決めて備え付け、運用する

なお検索性を確保する必要があります。さらにディスプレイを備え付けて明確に領収書や請求書が見られるように整える必要もあります。

領収書や請求書をスキャン保存する場合

スキャン保存の際、解像度200dpi以上かつ256階調以上だと決められています。またスキャンした領収書や請求書がどういったサイズや解像度になっているのか、その情報を保存する必要もあります。

証憑の種類は多い!

経理で使う請求書や領収書を始めとして、このように証憑は多くの種類があるのです。そしてその一つひとつはビジネスに大きくかかわります。改めて証憑について再確認してみるのはいかがでしょう。

株式会社インフォマートが提供する「BtoBプラットフォーム 請求書」では、電子帳簿保存法やインボイス制度に対応しているうえ、扱える証憑も数多くあります。証憑の処理や保管をスムーズに進めるため、請求書管理システムの導入を検討してみるのはいかがでしょう。

監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部

この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。

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