最終更新日:2022年10月20日
「適格請求書等保存方式」、通称インボイス制度がスタートする2023年10月1日まで1年を切った。発行・受取ともに請求書業務への大きな影響が予想される新制度を、経理・財務部門の関係者はどのように捉えているのだろうか。クラウド請求システム『BtoBプラットフォーム 請求書』のユーザーを対象にアンケート調査を実施したところ、5500人以上から回答が寄せられ、その関心の高さが伺える結果となった。経理・財務部門に所属する回答者には、インボイス制度に対応するにあたっての実務的な問いかけも行ったところ、インフォマートがこれまで実施してきた同様のアンケート調査の結果と比較しても明らかに、準備を進める意識に変化が生じている。
インボイス制度および、新制度とも深く関係する電子帳簿保存法の改正を期に、請求書業務のプロセスそのものを見直そうとしている経理の姿が浮かび上がってきた。
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目次
- インボイス制度の認知度は高まっている
- Q1 インボイス制度をご存じですか?
- Q2 インボイス制度の開始時期はご存じですか?
- Q3 インボイス制度に対応するために、インボイス(請求書等)に明細毎の「税率」と、「事業者登録番号」の表記が必要なのはご存じですか?
- 事業者登録の申請は、約8割が完了または準備中
- Q4インボイス発行に必要な「適格請求書発行事業者の登録申請」は完了していますか?
- 関心が高まる経理・財務業務のデジタル化
- Q5 電子保管が簡単にできるのであれば、積極的に取り組んでいきたいですか?
- Q6 積極的に電子化したい帳票はありますか?(複数回答)
インボイス制度の認知度は高まっている
【アンケート回答者の内訳】
・不動産/建設/設備・・・18.2%
・流通・小売・フード・・・18.0%
・メーカー・・・16.7%
・公的機関/その他・・・12.6%
・商社・・・10.8%
・サービス/レジャー・・・9.0%
・IT/通信/インターネット・・・5.1%
・運輸/交通/物流/倉庫・・・4.5%
・環境/エネルギー・・・1.6%
・マスコミ/広告/デザイン・・・1.5%
・金融/保険・・・1.2%・コンサルティング・・・0.8%
【 調査概要 】
◆調査方法:メール送信によるアンケート調査
◆調査内容:インボイス制度・電子帳簿保存法に関する調査
◆調査期間:2022年8月22日~25日
Q1 インボイス制度をご存じですか?
回答数:5566
Q2 インボイス制度の開始時期はご存じですか?
回答数:5566
これまで定期的に実施してきた経理・財務業務に関する同様の調査でもインボイス制度について問いかけてきたが、これほど制度への注目が顕著になった結果は、今回がはじめてだ。スタートが1年に迫ったこと、適格請求書等(以下、インボイス)を交付するための、適格請求書発行事業者の登録申請が2021年10月からはじまっていることなど、いくつか要因はあるだろう。
インボイス制度に関するセミナーや講演も開催され、制度の概要にふれる機会も増えているのではないだろうか。
制度下で発行するインボイスには、明細ごとの「税率」や適格請求書発行事業者として登録済みの課税事業者であることを示す「登録番号」など、必要な項目の記載が求められる。受取側は、これら必要項目が記載されたインボイスを保存することが、消費税の仕入税額控除の要件となる。
インボイス制度に対応するためにはこれら「税率」や「登録番号」の記載が必要だということも、6割近くが認識していた。どちらか一方のみ知っていたとの回答も含めると7割以上が知っており、どちらも知らないと答えたのは全体の1/4程度にとどまった(Q3)。
Q3 インボイス制度に対応するために、インボイス(請求書等)に明細毎の「税率」と、「事業者登録番号」の表記が必要なのはご存じですか?
回答数:5566
実際にインボイスを発行できるのは適格請求書発行事業者として登録を受けた課税事業者に限られる。登録には、納税地を所轄する税務署長に対して申請書を提出し、税務署における審査を経る必要がある。
申請が通れば、登録番号や公表情報等が記載された「登録通知書」が届く。申請から登録通知までの期間は通常、e -Tax提出の場合で、約2週間。書面提出の場合だと1カ月ほどかかる。
事業者登録の申請は、約8割が完了または準備中
登録申請が集中すると、通知までにかかる期間がのびる可能性がある。2023年10月の、インボイス制度スタートに間に合わせるには、2023年3月末までの申請が必要だ。この時期はe -Tax、書面とも駆け込みの申請殺到が予想されており、早めの登録申請が推奨されている。
今回の調査によると、回答の約8割が適格請求書発行事業者の登録申請を完了、もしくは申請準備を進めていた。すでに申請を完了させているとの回答だけでも、半数近くにおよんでいる。
なお、「免税事業者のため申請予定がない」と答えているのは2. 2%程度(Q4)。課税売上高が1000万円以下で消費税の納税義務が免除されている免税事業者の場合、インボイスを発行できないので登録申請の手続の必要はない。
Q4インボイス発行に必要な「適格請求書発行事業者の登録申請」は完了していますか?
回答数:4043
一方で、免税事業者と取引する買い手側の課税事業者は、仕入税額控除が適用されず、納税額の増加や請求書業務の複雑化も危惧される。今後、買い手の事業者は負担を避けるため、免税事業者より登録事業者との取引を選ぶ可能性がある。そのため免税事業者はインボイス制度を機に課税事業者になるのも経営判断だといわれている。ただ税負担が増すデメリットもあるため、選択は慎重に行うべきだろう。
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関心が高まる経理・財務業務のデジタル化
アンケート結果でも8割近くが、「電子保管が簡単にできるなら、積極的に取り組んでいきたい」と答えている(Q11)。
Q5 電子保管が簡単にできるのであれば、積極的に取り組んでいきたいですか
回答数:4043
中でも積極的に電子化したい帳票は、請求書・支払通知書で82%と群を抜いている(Q12)。毎月発生し、相当な枚数をやりとりしているだけに、デジタル化の効果も得られやすいといえる。
Q6 積極的に電子化したい帳票はありますか?(複数回答)
回答数:3144
経理・財務の業務は紙のやりとりが多く、手入力や複数人の目によるチェックなど、属人的で非効率な作業に追われがちな部門だ。だが、デジタルデータの活用によって単純なルーティンワークほど業務負担を減らすことが可能となる。インボイス制度や電子帳簿保存法の改正は、その良いきっかけとなりえるだろう。
今回の調査結果からは、感度の高い組織の経理・財務部門はすでにそのことに気づき、余裕をもって対応準備を進めているのではないかという印象を得た。
長引くコロナ禍で働き方をとりまく環境は大きく変化した。先行きが不透明で予測困難な時代、経理も変革を求められている。月末・月初の繁忙期に毎月請求・支払関連の業務に追われ、書類の発行や処理に時間を費やすばかりではない。財務戦略の企画立案・実行、経営戦略や事業計画のサポートといった経理・財務部門ならではのスキルで企業成長に貢献する構造改革が今、求められている。
監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部
この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。
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