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免税事業者における消費税の取り扱い。課税事業者との違いやインボイス制度の影響は?

消費税の納税を免除されている免税事業者は、消費税の取り扱いはどうなっているのか? 2023年10月にインボイス制度が導入されると、免税事業者にどう影響してくるのか? 課税事業者への変更を検討した方が良いのか、お悩みの免税事業者もいることでしょう。 今回は、消費税の仕組みや免税事業者の要件といった基礎知識から、インボイス制度の導入に向けて課税事業者になった方がよいのかという点まで、幅広く解説します。

免税事業者における消費税の取り扱い。課税事業者との違いやインボイス制度の影響は?

最終更新日:2023年12月13日

目次

【基礎知識】消費税の仕組み

まず、消費税を納付する仕組みの基本から解説します。

消費税は「間接税」

税金には、直接税と間接税の2種類あります。消費税は、商品やサービスを購入した時にかかる「間接税」に該当します。
 
間接税とは、実際に税金を負担する人と納税する人が異なる場合の税金を示しています。
 
商品やサービスの売買において、消費税を支払っているのは消費者ですが、消費者が直接税務署に納めるわけではありません。商品やサービスを提供する側である事業者が、消費者から消費税を預かって税務署に納税しています。
 
商品やサービスを消費者に提供する際、2つの消費税が発生します。一つは、事業者が商品やサービスを販売した場合に発生する消費税です。もう一つは、事業者が商品などを仕入れる時に発生する消費税です。
 
そのため、事業者が消費税を税務署に納付する際には、仕入税額控除が受けられます。消費者から受け取った消費税から、仕入れ先に支払った消費税を差し引きした額を納付します。

消費税には国税や地方消費税が含まれる

消費税には、国税である消費税と、都道府県税である地方消費税が含まれています。
 
ちなみに、消費税と地方消費税の税率については、2019年10月1日に消費税率の引き上げと同時に軽減税率制度が開始され、下記の通り変更されています。
 
【令和3年4月1日現在法令等】

消費税率及び地方消費税率については次のとおりです。
 

適応時期
令和元年10月1日以降
(参考)
 令和元年9月30日以前
標準税率(注1)
軽減税率(注2)
消費税率
7.8%
6.24%
6.3%
地方消費税率
2.2%
 (消費税額の22/78)
1.76%
 (消費税額の22/78)
1.7%
 (消費税額の17/63)
合計
10.0%
8.0%
8.0%
(注1) 令和元年10月1日以後に事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れであっても、経過措置が適用されるものについては、旧税率(8%)が適用されることとなります。詳しくは「消費税率等の引上げについて(令和元年10月1日~)」をご覧ください。
(注2) 軽減税率の適用対象は、次のとおりとされています。詳しくは特設ページ「消費税の軽減税率制度について」をご覧ください。
1 飲食料品の譲渡(食品表示法に規定する食品(酒税法に規定する酒類を除く。)の譲渡をいい、外食を含まない。)
2 定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞の譲渡
(引用:No.6303 消費税及び地方消費税の税率|国税庁

「消費税転嫁対策特別措置法」は令和3年3月31日に失効

消費税には、不適正な消費税を転嫁させないようにすることを目的として、平成25年10月1日〜令和3年3月31日まで、消費税転嫁対策特別措置法が設けられていました。
 
具体的には、下記のような内容です。
 
・転嫁拒否行為(いったん決定した対価の減額や買いたたき等の行為)の禁止
・消費税分値引き等の文言が記載されている宣伝や広告の禁止
・総額表示義務の特例
・転嫁カルテル、表示カルテルの独禁法の適用除外(公正取引委員会への事前届出制)
 総額表示義務の特例については、誤認されない表示方法であれば、税込価格と表示しなくても認められるというものでした。
 
転嫁カルテルとは、転嫁の方法の決定に係る共同行為のことです。例えば、事業者がそれぞれ自主的に定めている本体価格への消費税額分の上乗せの決定や、端数を合理的な範囲で処理し決定するといった行為です。表示カルテルとは、表示の方法の決定に係る共同行為のことです。例えば、価格について統一的な表示方法を用いる旨の決定などです。
 
これらは事業者が取引先と相談の上、価格を決められるカルテルですが、事前に公正取引委員会へ届け出し承認を得れば、独占禁止法の適用除外となります。
 
また、消費税転嫁対策特別措置法は令和3年3月31日をもって失効しましたが、経過措置規定(同法附則第2条第2項)により、同法の失効前に行われた不正な転嫁や転嫁拒否等の禁止行為は、失効後も監視・取締り等の対象となるので厳重に注意してください。
 
<参考>
消費税転嫁対策特別措置法 | 消費者庁

免税事業者とは? 課税事業者との違い

事業者には、免税事業者と課税事業者がありますが、この2つの違いは何なのか、それぞれ解説します。

免税事業者

免税事業者とは、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の法人や個人事業主が対象で、消費税の納税義務が免除されている事業者のことです。
 
免税事業者の要件について詳しくは、次の章で解説いたします。

課税事業者

課税事業者とは、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超える納税義務がある法人や個人事業主のことです。原則として消費税の納税義務があるため、当然ながら確定申告は必須です。

【免税事業者の要件】課税売上高1,000万円以下が基本

基準期間の課税売上高が1,000万円以下の場合は、基本的に免税事業者に該当しますが、その要件を詳しく解説します。

免税事業者を判定する基準期間とは?

免税事業者か否かを判断する基準期間には、個人事業主と法人で違いがあります。

・個人事業主の場合:前々年
・法人の場合:原則として前々事業年度
上記の基準期間の課税売上高が、1,000万円以下なら免税事業者に該当します。例えば、個人事業主の場合における2021年の消費税納税義務の有無は、2019年の課税売上高が1,000万円以下かどうかで判断します。

課税売上高が1,000万円以下でも特定期間の課税売上高に注意

基準期間の課税売上高が、たとえ1,000万円以下であったとしても注意が必要です。なぜなら、原則として特定期間の課税売上高が1,000万円を超えていた場合は、納税義務が免除にならないからです。
 
特定期間とは、具体的に下記の期間を指します。

・個人事業主:前年の1月1日〜6月30日までの6カ月間
・法人:原則として前事業年度開始日以後6カ月間
課税期間の基準期間だけでなく、特定期間にも注意して、納税義務を怠らないようにしましょう。

新規開業時は納税義務が免除される

もう一つ、納税義務が免除される要件があります。それは、事業を新規開業した時です。
 
新規開業から2年間は、原則として、その課税期間の納税義務は免除されます。
 
しかし、基準期間のない事業年度であっても、資本金1,000万円以上の法人は例外です。その事業年度の開始日における資本金の額または出資の金額が、1,000万円以上である法人については納税義務が免除されません。設立1期目から消費税の納税義務が発生します。
 
設立2年目については、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えると納税義務が発生するので注意してください。特定期間における課税売上高は、特定期間の給与等支払額の合計額により免税事業者か判定することもできます。

免税事業者も取引先に消費税を請求できるのか?

結論から言うと、免税事業者は消費税を請求しても問題ありません。
 
免税事業者も仕入れ等で既に支払った消費税がありますし、消費税法や国税庁の通達でも、免税事業者が消費税を請求できない旨は記載されていません。
 
ただし、消費税を請求する場合、注意しなければならないことがあります。
 
2019年10月1日に消費税が10%に引き上げされたのと同時に「区分記載請求書保存方式」が導入されているので、請求書では税率8%の品目と税率10%の品目を分けて表示する必要があることです。
 
また、前述で解説した消費税転嫁対策特別措置法の失効後、2023年10月以降インボイス制度が実施されるため、対応しなければなりません。
 
インボイス制度による影響については、次の章で詳しく解説します。

インボイス制度の導入で免税事業者への影響は?

消費税率引き上げと軽減税率制度導入に伴い、2023年10月からインボイス制度の導入により「適格請求書等保存方式(インボイス方式)」が開始されます。
 
インボイス制度の実施が開始されると、登録を受けた課税事業者が発行した適格請求書(インボイス)でないと消費税の仕入税額控除が適用されません。また、取引先の課税事業者は、免税事業者が発行した請求書は仕入税額控除の対象にならないということになります。
 
国税庁では、課税仕入れに係る経過措置として、インボイス制度導入後、免税事業者へ支払った消費税の仕入税額控除は、段階的に廃止されることが示されています。
 
期間 割合
令和5年10月1日から令和8年9月30日まで 仕入税額相当額の 80%
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで 仕入税額相当額の 50%
 
(画像引用:免税事業者等からの仕入れに係る経過措置|国税庁

インボイス制度導入により、免税事業者にとって不利な問題が生じることが懸念されています。

取引先として選ばれなくなる可能性も

取引先の課税事業者からすると、免税事業者が発行した請求書は段階を経て、仕入税額控除の対象にならなくなるので、適格請求書を発行できる課税事業者との取引を優先する可能性があります。
 
もちろん、免税事業者が課税事業者を選択することも可能ですが、消費税の納税義務が発生することと、2年間は免税事業者に戻ることができないので、判断が必要です。


インボイス制度の導入に向けて課税事業者になるという選択も

上記で示した問題を払拭するために、免税事業者から課税事業者になる選択もあるでしょう。変更する場合は、「適格請求書発行事業者の登録申請書」と「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出する義務があります。
 
インボイス制度導入の2023年10月1日を含む課税期間中に「適格請求書発行事業者」になる場合は、経過措置として「消費税課税事業者選択届出書」の提出は免除されます。
 
インボイス制度導入後は、取引の優先度という観点では、課税売上高1,000万円以下でも課税事業者になる方がメリットを得られる場合もあります。一方で、課税事業者であると負担が大きくなるデメリットも生じるので、厳密に検討しましょう。

免税事業者でいるか課税事業者になるか適切な判断を

消費税を免除される免税事業者。その点はメリットと言えますが、今後インボイス制度の導入により、取引の優先度という観点では、免税事業者は不利になる可能性も出てきます。
 
一方で、課税事業者になると負担が大きくなるという懸念事項も......。自社やご自身にとって免税事業者でいるか課税事業者になるかお悩みの方は、専門家に相談して適切な判断を仰ぐのも良いでしょう。

<この記事のポイント>
・免税事業者の要件は課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下が基本
・免税事業者は、インボイス制度の導入で取引先として選ばれなくなる可能性も
・免税事業者でいるか課税事業者になるかは厳密に判断をしよう
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監修者プロフィール

石動龍

石動総合会計法務事務所代表
 
青森県八戸市在住。公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。ドラゴンラーメン(八戸市)店長、ワイン専門店 vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。2021年中の不動産業開業が目標。



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