最終更新日:2022年9月2日
一括償却とは、どのような制度なのでしょう。また一般的な減価償却とはどう違うのでしょうか。ここでは一括償却の概要やメリット・デメリット、仕訳の方法や仕組み、中小企業に生じる「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」、償却資産にかかる税金などについて、見ていきます。『BtoBプラットフォーム 請求書』で請求書の発行も受取もデジタル化!
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目次
- 一括償却資産とは?
- 償却資産と消耗品の違い
- 法定耐用年数とは?
- 一括償却資産のメリットとデメリット
- 一括償却資産のメリット
- 一括償却資産のデメリット
- 一括償却の仕組み
- 一括償却資産の仕訳方法と具体例
- 決算調整方式
- 申告調整方式
- 中小企業に生じる一括償却の特例
- 償却資産にかかる税金
- 一括償却資産に償却資産税はかかる?
- そのほか償却資産税がかからないもの
- 一括償却資産で少額の資産を賢く減価償却
一括償却資産とは?
一括償却資産とは、通常の減価償却期間より短い期間での償却が認められている資産のことです。
具体的には、工場で使う機械類以外の工具や、事務所の備品といった償却資産のうち、取得価額が「20万円未満」のもの該当します。
償却資産と消耗品の違い
償却資産と消耗品は、どちらも科目として勘定する経費です。この2つの違いは「取得価額が10万円未満かどうか」です。取得価額が10万円未満の場合、消耗品や事務用品といった科目で取得価額を全額経費として計上します。しかし取得価額が10万円以上の場合、償却資産として法定耐用年数にもとづいて減価償却していくのです。
法定耐用年数とは?
法定耐用年数とは、国が定めた固定資産を使える期間のことで、資産によって細かく定められています。法定耐用年数を定めることによって、下記のようなメリットが得られます。
・減価償却費が正しく計算できる
・納税者の間に公平性を保てる
・納税者の負担を減らせる
詳細は「法定耐用年数とは? 減価償却とともに資産ごとの年数をチェック」を参照ください。
一括償却資産のメリットとデメリット
一括償却資産にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょう。それぞれについて見ていきます。
一括償却資産のメリット
・計算が簡単になる
3年にわたって均等に償却できるため、減価償却費の計算が簡単です。
・節税
償却資産税(後述)の対象とならないため、節税効果があります。
一括償却資産のデメリット
・帳簿からその資産を取りのぞけない
一括償却資産にした場合、減価償却を打ち切れないため、除却処理(帳簿からその資産を取りのぞく処理)ができなくなります。
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一括償却の仕組み
一括償却は、具体的にどのような仕組みを持つのでしょう。前述のとおり、資産を取得した価額が20万円未満の場合に適用できる制度です。そして、その取得価額を均等な形で3年続けて償却できます。
なお10万円未満なら、消耗品や事務用品といった科目で全額損金算入が可能です。しかしこうした資産も、一括償却資産として3年にわたって償却できます。とはいえ一般的には全額損金算入する場合が多いでしょう。
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一括償却資産の仕訳方法と具体例
一括償却資産はどのように仕訳していくのでしょうか。下記2つの方法と具体例について見ていきます。
1. 決算調整方式
2. 申告調整方式
決算調整方式
この方法では、3年間すべての年度で同じ金額を減価償却費にします。なお取得したのが年度の途中でも、月割で計算はしません。たとえば、1台15万円のパーソナルコンピュータを3台買ったとしましょう。すると下記のような仕訳になるのです。
・買ったときの仕訳
借方 | 貸方 | ||
一括償却資産 | 450,000 | 現金 | 450,000 |
・決算での仕訳
借方 | 貸方 | ||
減価償却費 | 150,000 | 一括償却資産 | 150,000 |
申告調整方式
法人税の確定申告書で、減価償却費を扱う方法です。この方式では、買ったときは消耗品や事務用品といった科目を使います。そのため一括償却資産の勘定科目を使わないのです。
・買ったときの仕訳
借方 | 貸方 | ||
消耗品 | 450,000 | 現金 | 450,000 |
・決算での仕訳
決算での仕訳は必要ありません。
中小企業に生じる一括償却の特例
中小企業には、一括償却の特例が認められています。それは、「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」という制度です。30万円未満の減価償却資産(以下「少額減価償却資産」という。)を、2006年4月1日から2022年3月31日までの間に取得して事業の用に供した際、少額減価償却資産の合計額が300万円を超えるとき、その取得価額の合計額のうち300万円を限度に全額損金算入できます。
この特定の対象となる法人は、企業が常時使用する労働者の数が1,000人以下であり、かつ「農業協同組合等」や「青色申告法人である中小企業者」に限られています。ただし、2020年4月1日以降に資産を取得する場合、常時使用する労働者の数は500人以下となります。
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償却資産にかかる税金
1月1日時点で保有している償却資産には、個人や法人を問わず償却資産税がかかり、申告ならびに納税が必要となります。償却資産税とは、固定資産税のひとつです。
一括償却資産に償却資産税はかかる?
ここで気になるのが、一括償却資産に対する償却資産税でしょう。一括償却資産に償却資産税はかかりません。
そのほか償却資産税がかからないもの
そのほか償却資産税がかからないものは、下記のとおりです。
・修繕費といった資産に計上されなかったもの
・土地や建物のように固定資産税がかかるもの(二重課税になるため)
・自動車税がかかる自動車(二重課税になるため)
・特許やソフトウェアといった無形の固定資産
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一括償却資産で少額の資産を賢く減価償却
資産は基本、取得価額や法定耐用年数に応じて、分割して償却されていきます。しかし、一括償却資産に該当する取得価額の資産なら、一気に減価償却できるのです。これにより経理業務も効率化されていきますし、キャッシュフローも健全になっていくでしょう。
もし「この資産はどう減価償却するのか」迷ったら、取得価額を確認してみてください。それにより減価償却の方法がわかります。また中小企業の場合、取得価額「30万円未満」なら、300万円を限度に特例で償却できるので、覚えておくと便利でしょう。
監修者プロフィール

『BtoBプラットフォーム 請求書』チーム 編集部
この記事は、株式会社インフォマートが提供する電子請求書サービス『BtoBプラットフォーム 請求書』チームの編集部が監修しており、経理や会計、請求業務に役立つわかりやすい記事の提供を目指しています。電子請求書TIMESでは、経理・経営に役立つ会計知識、DXによる業務改善、インボイス制度・改正電子帳簿保存法といったトレンド情報をご紹介します。『BtoBプラットフォーム 請求書』は請求書の発行・受取、どちらにも対応し、業務効率化を推進します。
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