
最終更新日:2026年5月19日
前任者から引き継いだ紙のファイリングルールが担当者ごとに異なっていたり、取引先の都合で電子化に踏み切れなかったりするなど、請求書管理のやり方を変えたくても変えられないというお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
請求書の保管方法は、紙か電子かという受領形態によって法的なルールが異なります。
そこで本記事では、紙・電子それぞれの正しい保管ルールを整理しながら、アナログ運用から抜け出すための効率的な保管方法をわかりやすく解説します。
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目次
- 【受領形態別】請求書の正しい保管方法
- 紙で受け取った請求書の保管方法
- 電子データで受け取った請求書の保管方法
- 自社で発行した請求書(控え)の保管方法
- やり方を見直そう!効率的な紙の請求書の保管方法
- 買い手として受領した請求書のファイリング方法
- 自社が発行した請求書(控え)のファイリング方法
- 請求書のファイリングと保管のコツ
- 月別・取引先別の分類ルール
- 紙と電子が混在する場合の管理
- 【ケース別】請求書の保管期間
- アナログ運用から抜け出す!電子化で変わる請求書管理のメリット
- ペーパーレス化の促進
- コストと時間の削減
- 請求書対応の迅速化
- 請求業務の効率化
- 電子化した請求書の原本はどうする?
- 請求書の電子化で、ファイリング業務の負担をなくそう
- よくあるご質問
- 請求書はPDFで保管してもいいですか?
- 紙の請求書の効率的な保管方法は何ですか?
- 紙の請求書は捨ててもいいですか?
【受領形態別】請求書の正しい保管方法
請求書の保管方法は、受領形態によって異なります。自社が発行した請求書の控えについても保管義務があるため、それぞれのルールを確認しておきましょう。
<請求書の正しい保管方法>
紙で受け取った請求書の保管方法
郵送や手渡しで紙の請求書を受け取った場合、原則は「紙のまま保存」することが求められます。2024年の電子帳簿保存法改正後も、紙で受け取ったものを紙で保管することに法的問題はありません。
ただし、保管スペースや検索性の観点から電子化したい場合には、電子帳簿保存法の「スキャナ保存制度」を活用することも可能です。請求書は、納品書や契約書などと同じく重要書類に該当するため、次の要件を満たす必要があります。

スキャナ保存はあくまで任意対応のため、自社の体制や業務量に合わせて最適な保管方法を選択しましょう。
- ■重要書類のスキャナ保存の保存要件
-
入力期間 次のどちらかの入力期間内に入力すること - ・(1)書類の作成または受領から、概ね7営業日以内
- ・(2)企業ごとに採用している業務処理サイクルの期間(最長2ヵ月以内)を経過後、概ね7営業日以内
画像の解像度 解像度200dpi相当以上 カラー画像 赤、緑、青それぞれ256階調以上(24ビットカラー) タイムスタンプ付与 入力期間内に付与
※入力期間内のスキャナ保存を確認できるシステムを利用している場合は不要ヴァージョン管理 データを訂正・削除した際の履歴や内容を確認できるシステム、または訂正・削除ができないシステムを利用する 帳簿との相互関連性 データと、そのデータに関連する帳簿の記録について、相互に関連性を確認できるようにしておく(管理番号をつけるなど) パソコンなどの備え付け 14インチ以上のカラーディスプレイ、カラープリンタ、説明書の備え付け システムの概要書等の備え付け スキャナ保存に利用するシステムの概要書や仕様書、操作説明書、スキャナ保存の担当部署や手順を記載した書類の備え付け 出力 下記の条件ですみやかに出力できるようにする - (1)整然とした形式
- (2)書類と同程度に明瞭
- (3)拡大または縮小して出力することができる
- (4)4ポイントの大きさの文字を認識できる
検索機能 下記の検索機能を確保する(※) - (1)「取引年月日」「取引金額」「取引先名称」で検索ができる
- (2)「取引年月日」または「取引金額」の範囲指定で検索ができる
- (3)上記2つ以上の任意の項目を組み合わせて検索できる
出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答 【スキャナ保存関係】」
※スキャナ保存制度の詳細は下記の記事もご覧ください。
電子データで受け取った請求書の保管方法
メールやWebからのダウンロード、EDI(電子データ交換)などで受け取った電子請求書は、電子帳簿保存法の「電子取引」に該当します。この場合、電子データのまま保存することが義務付けられており、印刷して紙だけで保管することは原則として認められません。

保存にあたっては、「真実性の確保」と「可視性の確保」の2つの要件を満たす必要があります。電子取引の具体的な保存要件は下記のとおりです。
ただし、要件を満たす形での保存が難しい事業者については、猶予措置が設けられています。詳しくは下記の記事をご確認ください。
※スキャナ保存制度の詳細は下記の記事もご覧ください。
自社で発行した請求書(控え)の保管方法
自社が発行した請求書の控えについても、保存義務があります。保存方法は、請求書の作成・発行方法によって異なります。
電子請求書システムで作成・電子データで交付した場合、その控えは「電子取引」に該当するため、電子データのまま保存する必要があります。
一方、紙で作成・印刷して送付した場合は、紙での保管が基本です。ただし、請求書と同じくスキャナ保存の要件を満たす形で電子保存することも可能です。
やり方を見直そう!効率的な紙の請求書の保管方法

紙の請求書を管理する場合、ファイリングルールを社内で統一することが業務効率化の近道です。受領した請求書と発行した控えで保管方法が異なるため、それぞれのファイリング方法を確認しておきましょう。
買い手として受領した請求書のファイリング方法
自社が買い手として受け取った請求書は、支払いステータスに応じてファイルを分けて管理するのが基本です。受領後は「未払い」ファイルに保管し、支払い完了後に「支払済み」ファイルへと移動する運用が一般的です。
支払いが済んだ請求書は、「月別(発生月別・支払月別)」または「取引先別」に分けて管理する方法が検索性の面で優れています。取引先が固定されていたり、取引先ごとに支払いの流れを把握したりしたい場合は取引先別が適しています。一方、取引先の管理が煩雑になる場合や、月次での支払い状況を把握したい場合は月別での管理が効率的なケースが多いでしょう。

また、受け取った請求書が適格請求書(インボイス)に該当するかどうかを確認し、仕入税額控除が可能な請求書とそうでない請求書を分類してファイリングする必要があります。
消費税の申告時にスムーズに処理できるよう、適格請求書の識別管理を習慣化しておくのがおすすめです。
自社が発行した請求書(控え)のファイリング方法
自社が発行した請求書の控えは、入金状況を管理しながらファイリングするのが便利です。送付後はまず「未入金」ファイルに保管し、支払いの入金確認後に「入金済み」ファイルへと移動する運用がおすすめです。
入金済みの請求書控えは、「月別」または「取引先別」に分けて保管すると、後から特定の請求書を探しやすいでしょう。取引先が固定されている場合や、取引先ごとの取引履歴を追いたい場合は取引先別が適しています。一方、取引先の管理が煩雑になる場合や、月次での発行状況をまとめて確認したい場合は月別の管理が効率的です。

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請求書のファイリングと保管のコツ
請求書管理をより効率的にするには、分類ルールの統一と紙・電子の一元管理がポイントです。ここでは、請求書のファイリングと保管のコツを紹介します。
月別・取引先別の分類ルール
前述のとおり、請求書は月別(発生月別・支払月別)や取引先別での分類が基本です。さらに精度を上げるなら、月別で大まかに分類した中を「取引先別(五十音順)」で並べると、特定の書類を素早く見つけやすくなります。
また、「未払い・支払済み」「未入金・入金済み」のステータス管理と組み合わせて、クリアファイルやバインダーをさらに色分けする工夫も効果的です。例えば、「未払い・未入金:赤」「支払済・入金済:青」のようにカラーコードを設けると、ひと目でステータスが把握できます。
こうしたファイリングルールは一度決めたら社内でマニュアル化し、新しい担当者にも引き継ぎやすい状態にしておきましょう。担当者が変わっても属人化せずに運用できる体制が、経理業務の安定につながります。
紙と電子が混在する場合の管理
取引先によって紙と電子が混在している場合、保管場所が「紙はファイル・電子はサーバー」と分かれてしまい、管理が煩雑になりがちです。特に請求書の確認や照合が必要な場面で、紙と電子を行き来する作業は時間のロスにつながります。
この課題を解決する有効な手段が、電子請求書システムの導入です。システムを利用すれば、紙で受け取った請求書もスキャンしてアップロードすることで、電子請求書と同じ画面上で一元管理が可能になります。
取引先別・月別の検索もシステム上でできるため、照合業務や問い合わせ対応が格段にスムーズになるでしょう。
紙と電子の混在は過渡期には避けられない場合もありますが、早めにシステムへの統合を検討することが長期的な効率化につながります。
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【ケース別】請求書の保管期間
請求書の保管期間は、法人か個人事業主かによって異なります。また、消費税法と法人税法(または所得税法)で要求される保管期間が異なるため、長いほうに合わせて保管してください。
- ■請求書の保管期間
-
ケース 保管期間 備考 個人事業主(免税事業者) 5年 - 個人事業主(課税事業者) 7年 - 法人 7年 欠損金の繰越控除を行う場合は10年 適格請求書発行事業者 個人・法人問わず7年 法人で欠損金の繰越控除を行う場合は10年
保管期間のカウントは「その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日」から開始します。保管期間を過ぎた書類については、適切なタイミングで廃棄処理を行いましょう。
なお、納品書などほかの取引関係書類の保管期間についても合わせて確認しておくと、一括で管理しやすくなります。
※納品書の保管期間の詳細は下記の記事もご覧ください。
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アナログ運用から抜け出す!電子化で変わる請求書管理のメリット
ファイリングの手間を減らしたいなら、電子請求書システムの導入が有効です。電子化を進めることで、紙の請求書管理にかかる時間・コストを大幅に削減できます。
ここでは、請求書電子化の主なメリットを解説します。
<電子化で変わる請求書管理のメリット>
ペーパーレス化の促進
請求書の電子化を起点に、紙の書類を管理する必要がなくなり、ペーパーレス化を進めることができます。
同時に、領収書や見積書といったほかの証憑の電子化も進めていくことができれば、経理業務のDXにつながるでしょう。
コストと時間の削減
請求書を電子化するメリットとして、コストと時間の削減も挙げられます。
ペーパーレス化が進むことで、紙代や印刷コスト、郵送コスト、紙の書類の保管コストといった、さまざまなコストの削減が可能です。
また、経理担当者が紙を印刷して送付状を作り、封筒に詰めて送付する、紙の請求書の控えを物理的にファイリングする、過去の控えをファイルの中から探す、といった手間もかからなくなるため、業務時間の削減と効率化にもつながります。
請求書対応の迅速化
請求書を電子化することで、請求書対応の迅速化というメリットにもつながります。
請求書を電子化していれば、取引先から請求書に関する問い合わせが来た際に、検索などですみやかに履歴を確認できます。修正があった場合にも、電子データを修正することで即座に送信できるでしょう。
一方、紙で請求書を発行していると、再度印刷して郵送し直すといった手間がかかりますし、先方に届くまでのタイムラグも長くなってしまいます。
請求業務の効率化
請求書を電子化するメリットには、既存のシステムと連携することで請求業務の効率化につなげられる点もあります。顧客管理台帳や見積書発行システムといった既存のシステムと請求書発行システムを連携すれば、請求業務を効率よく進められるでしょう。
見積もり、受注、請求、入金という一連の流れをシステム的に一括管理すれば、何度も同じ内容や数字を入力する必要がなくなりますし、ヒューマンエラーを防ぐ可能性も高まります。また、顧客ごとの売上管理や見積もり状況も、一目で確認できるようになります。
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電子化した請求書の原本はどうする?

最初から電子データとして受け取った請求書には、原本がありません。そのため、データを保存すれば処理が完了します。
一方、紙で受け取った請求書をスキャナ保存する場合、スキャンして取り込んだデータのほかに、原本の紙の請求書も残ります。
スキャンしたデータがスキャナ保存の要件を満たしており、適切に保管されているのであれば、請求書の原本を保管しておく必要はないため、廃棄しても問題ありません。
しかし、もしスキャナ保存の要件を満たしていなかった場合、請求書原本を廃棄してしまうと、スキャンし直すことができなくなってしまいます。
特に移行期はミスが生じる可能性も高くなるため、一定期間保管しておくと安心です。スキャンしたからといって、即廃棄することは避けるようにしてください。
なお、FAXやメールで請求書を送信した後で、原本が郵送されてくるといった場合には、原本を保管しなければいけません。電子化を進めていくのであれば、取引先と相談をして、原本の郵送はしないように依頼することをおすすめします。
請求書の送付はメール添付のみにしてもらうか、請求書の受け渡しができるクラウドシステムを活用するとよいでしょう。
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請求書の電子化で、ファイリング業務の負担をなくそう
請求書の保管方法は、受領形態によって法的なルールが異なるため、それぞれの保存要件を満たす形で保管する必要があります。
紙の請求書のファイリングにあたっては、月別・取引先別の分類ルールを社内で統一し、ステータスで管理することが効率化のポイントです。
煩雑なファイリング作業から解放されたいなら、電子請求書システムの導入をご検討ください。インフォマートの『BtoBプラットフォーム 請求書』なら、受け取った請求書はAI-OCR機能を活用して100%電子化が可能です。発行した請求書の控えも電子データとして一元管理・長期保存ができ、いつでも素早く検索・閲覧できる環境が整います。
電子帳簿保存法・インボイス制度にも完全対応しているため、法対応の漏れを心配することなく安心して運用できます。煩雑なファイリング作業から解放されて業務効率と検索性が大幅に向上するため、ぜひシステム導入によるデジタル化をご検討ください。
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よくあるご質問
Q. 請求書はPDFで保管してもいいですか?
請求書はPDFで保管してよいです。ただし、受領形式でルールが異なります。メール等で受け取ったPDFの請求書は「電子取引」に該当し、検索要件等を満たしてデータのまま保存する義務があります。紙で受け取った請求書をPDF化して保存する場合は「スキャナ保存」の要件を満たす必要があります。
詳細は「電子データで受け取った請求書の保管方法」をご覧ください。
Q. 紙の請求書の効率的な保管方法は何ですか?
紙の請求書は、支払い状況と分類ルールを組み合わせて管理するのが効率的です。受領時は「未払い」ファイルに入れ、支払い後に「支払済み」ファイルへ移動させます。処理後は「月別」や「取引先別」に分けて保管し、ステータスごとにファイルを色分けすると、一目で状況が把握でき検索性も高まります。
詳細は「買い手として受領した請求書のファイリング方法」をご覧ください。
Q. 紙の請求書は捨ててもいいですか?
紙で受け取った請求書であっても、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」の要件を満たして適切にデータ化されていれば、紙の原本は廃棄して問題ありません。ただし、解像度などの要件を満たせていないと再スキャンが必要になるため、電子化の移行期などは一定期間原本を保管しておくことをおすすめします。
詳細は「電子化した請求書の原本はどうする?」をご覧ください。
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監修者プロフィール

監修者:宮川 真一
岐阜県大垣市出身。1996年一橋大学商学部卒業、1997年から税理士業務に従事し、税理士としてのキャリアは25年以上たちました。現在は、宮川真一税理士事務所の代表として、M&Aや事業承継のコンサルティング、税務対応を行っています。あわせて、CFP®(ファイナンシャルプランナー)の資格を生かした個人様向けのコンサルティングも行っています。また、事業会社の財務経理を担当し、会計・税務を軸にいくつかの会社の取締役・監査役にも従事しております。
【保有資格】CFP®、税理士


