RPA×経理〜基礎から学ぶロボットの育て方A〜RPA活用の声を聞く

2019年7月16日

RPA×経理〜基礎から学ぶロボットの育て方A〜

前回は、近年急速に認知度が高まっている「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」について、なぜブームが起きたのか、これまでのツール類とは何が違うのか、を見てきた。今回は、実際にRPAを導入した企業の声を聞いてみよう。経理・財務部門での活用シーンもあわせて紹介する。

RPA活用の声を聞く

目指すは週休3日。劇的な効果を生むRPA

これまでにRPAを導入した企業では、どのような成果が出ているのかについて、具体的な事例とともに見ていきたい。

「私がCOOを務めているRPAテクノロジーズ株式会社で代表的な事例としてご紹介しているのが、バックオフィスのサポート業務を行う沖縄の企業での事例です。同社はRPAを導入したところ、それまで月に数件発生していた業務上のミスがゼロになるばかりか、処理コストも大幅に削減。さらに賃上げの実現と、1日の労働時間を1時間短縮するという驚くべき成果を達成されています。次なる目標として、週休3日の実現に取り組んでいらっしゃいます。生産性が劇的に上がるわけですから、会社としては週3日休んでもらっても構わないわけです」

他にもどのような業務にRPAを導入し、効果を上げたか3つの事例と、経理・財務部門でのRPA活用シーンを紹介する。

 事例1 大手生命保険会社「書類の入力業務を自動化」

導入効果

・100体以上のロボットで、年間5万時間の余力を創出
・全国支社へのRPAロボット導入も開始

導入経緯

年間を通じて業務量の変動が多い生命保険会社では、繁忙期には臨時スタッフを採用し、短期間での教育、実務配置を要する業務もあった。そこで、2014年に繁閑の差が大きい保険事務部門でRPAを導入。49業務でロボットを活用し、業務の平準化に成功した。その後、2018年からは経理・財務部門や全国支社でもロボットを導入し、100体以上のロボットを制作、年間5万時間を創出。これまで、ロボットにより「作業単体」の効率化を実現してきたことから、今後は「一連の業務全体」の最適化を推し進める方針。

現場の声

・臨時スタッフを教育して繁忙期に臨む、精神的なプレッシャーから解放されました。
・夜間稼働も可能なロボットは、働き方改革にも役立っています。

 事例2 IT商社「売上伝票の処理を自動化」

導入効果

・労働時間換算で年間6,600時間の余力を創出
・ロボット運用の高度化で、運用の最適化を実現

導入経緯

経営戦略上の重要課題として、残業時間削減などによる「働き方改革」が急務となっていた同社。定型業務のRPA化を進め、PC1台から導入できる「デスクトップ型」RPAを採用したが、効果の反面、ロボット制作スキルの属人化や個別P Cでのセキュリティー問題など課題も散見。そこで、一元的にロボットを統制できる「サーバー型」RPAを導入したことで運用が最適化され、よりセキュアで高い効果を発揮。経営企画部、財務経理部、人事総務部などの30業務に計32体のロボットを活用、年間6,600時間の余力を創出した。

現場の声

・「売上伝票の処理」など、多部署で共通の業務をRPA化。全社への横展開で効果が最大化しました。
・集中管理なので、現場ではロボットの存在を感じないまま効率化の恩恵が受けられます。

 事例3 建築サービス会社「システム化できない定型業務を自動化」

導入効果

・90業務に120体のロボットを導入し、増員抑制
・年間3万時間相当の余力を創出

導入経緯

建物の修繕・改修・維持・管理に関するサービスを展開するグループ企業。全国56拠点、1,000名以上の自社技術者によるサービス網を有する。日々の問い合わせ対応、技術者の手配、施工後の報告など事務作業が大量に発生しており、基幹システムによる効率化を実施してきた。それでも残る定型業務も多くRPAを導入。現在、90業務で120体が稼働。例えば、基幹システムに図面ファイルをアップロードする業務をロボット化することなどにも成功。年間3万時間相当の余力を創出している。

現場の声

・慢性的な残業が解消しました。
・業務が増えても作業人数は少なくて済み、顧客対応に余裕を持てるようになりました。

【経理・財務部門でのRPA活用シーン】

・経費精算のためのデータ突合、仕訳入力
・経費支払先のチェックおよびマスタ登録
・経費データ入力用のExcelの加工処理
・交通費のWeb確認・精算業務
・部門別・科目別経費予算枠のチェック
・Excelの請求書を会計ソフトへ仕訳入力
・アラートメールの配信
・売掛金の消込処理
・買掛・売掛金の処理業務
・月次決算資料の作成
・連結会計業務
・その他、様々な業務に対応可能

RPA3つのクラス〜進化するRPA

現在は定型業務の自動化に効果を発揮するRPA。
ところがそう遠くない未来では、もっと高度な業務にも活用できるという。

 クラス1 RPA

Robotic Process Automationロボティック・プロセス・オートメーション

【定型業務の自動化】
業務範囲
・人が定義した定型業務のみ自動化
・情報取得や入力、検証などの定型的業務

 クラス2 EPA

Enhanced Process Automationエンハンスド・プロセス・オートメーション

【一部非定型業務の自動化】
業務範囲
・AIとの連携により非定型業務の自動化
・自然言語解析、画像解析、音声解析、機械学習の搭載

 クラス3 CA

Cognitive Automationコグニティブ・オートメーション

【高度な自律化】
業務範囲
・プロセスの分析・改善、意思決定の自動化
・ディープラーニング機能搭載で、自主学習と成長の実現

AIとの連携が、RPAの進化を促す

RPAには、自動化できる業務レベルによって3段階のステップがある。現在のRPAソフトウェアの多くは、人が行う定型的な作業をロボットが代行してくれる「クラス1」に属する。今後はAI(人工知能)との連携により、さらに高度な業務を自動化する未来もあるという。

現在RPAで構築されるロボットはいわば手足があるだけで、作業が早いというイメージだ。そこに新しく頭や目などの機能を加えれば、より良い結果を生むことも可能になるだろう。

例えば、クラス2の段階では、自動言語解析や画像解析、音声解析、機械学習技術が搭載され、構造化されていないデータの読み取りや、知識ベースを活用するなど、非定型作業の自動化が進むと考えられる。

さらにクラス3の段階では、ディープラーニングや、より進んだ自然言語の処理技術の搭載により、業務プロセスを分析し、プロセスの改善まで構築することも可能とされる。また、現在のRPAでは人が行なっている最終的な意思決定をも自動化することが考えられる。

次回は、うまくロボットを活用するための育て方と、業務の自動化によって生まれた時間を有効に活用するためのヒントを紹介する。

本コラムの監修

笠井直人/一般社団法人日本RPA 協会

笠井直人/一般社団法人日本RPA 協会

東京外国語大学卒。2015年、RPAテクノロジーズ株式会社へ新卒入社。文系出身ながら、ソフトウェアロボットの営業からマーケティング、企業への導入支援まで幅広い業務に携わる。2017年、同社COO(最高執行責任者)に就任。
https://rpa-japan.com/
https://rpa-technologies.com/

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